管理費を払わず連絡も取れない…所有地を放置する地権者たち
すずらん村に限らず、現在はどこの別荘地においても、建物もない放置区画は頭痛の種だ。これはどんなにしっかりした大手の管理会社が入っている別荘地でも同様である。分譲から数十年が経過し、敷地内に植えられた木はどれも巨木となり、今はどんなに価格を下げても簡単に引き取り手が見つかるものではない。
高度成長期と異なり、中古物件を購入するならまだしも、今から別荘を新築する人は少なく、そのような方ははっきりとした別荘の利用ビジョンをすでに描いているので、単に安いからというだけの理由で1区画100坪程度しかない旧分譲地を選ぶことはない。
流動性を失った空き区画は、やがて所有者自身も管理の意欲を失い放置されてしまう。すずらん村においても、現在、所有者に連絡が取れなくなっている空き区画は100区画以上に上るという。そんな区画はもちろん管理費も徴収できていない。そのことについて、現在も管理費を負担している方の不公平感はないのだろうか。
「面と向かって不満を言われたことはありませんが、更地の所有者さんの中には、本音では管理費を払いたくない方もいるはずです。しかし、別荘地内の道路などの管理業務を行っている以上、管理費は頂くのが原則です」
同じ「管理」という言葉を使っているからか、別荘の管理業務というのは誤解を受けやすいと秋南さんは語る。
管理会社はあくまで土地所有者さん全員が共有する道路や共有設備(街灯など)の維持管理作業を行うもので、本来私有地は、基本的には所有者自身が管理を行う義務がある。管理会社はその作業を代行しているにすぎないのだ。ところが実際には、その最低限の義務も果たさず、自らの所有地を放置する地権者が少なくない。
あくまで個人の私有地である以上、管理会社にできることは限度がある。一方で管理人としては、未管理区画の存在を見て見ぬふりにするわけにもいかず、秋南さんは管理人としての歯痒さを隠さない。
最近はキャンプブームなどの影響もあって、一時期、すずらん村にも空き地をマイキャンプ場として使えないかという問い合わせがあったそうだ。秋南さん個人としては、もはやほかに空き地の活用法などまったく見いだせない現状、マイキャンプ場としての利用でも大歓迎で、そうした新しい活用法を通して新陳代謝を図っていきたいそうなのだが、別荘利用者の方々はあまりそのような使い方は歓迎しないのが常なので、なかなか思い切った改革もできないのが実情だ。