ポケモン廃人、知らん学園に入学した。【完結】   作:タク@DMP

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第123話:少し昔の話

 ──話をしよう。

 妾は自らの身体をオシアス磁気の結晶で包み込むことで長期間休眠状態に入っていた。

 結局、知っているものが何も無い虚無感に耐え切れなくなったのだろうな。

 精も根も尽きて、そのまま眠りについた。

 だが、長らく寝すぎたらしい。次に起きたのはあれから何千年もあと。

 今からおよそ10年ほど後の事だ。

 もうとっくに誰もオシアスの古代文明の事など知らんかった。

 

「何だ此処はーッ!! 妾はこれからどうすれば良いのだーッ!?」

 

 時は長く経ち、古代文明が栄えていた頃のオシアスの影も形もない。

 むしろオシアスは妾が造られた世界の文明に近くなっていた。

 かつてのオシアス王朝では「モンスター」と呼ばれていた生き物たちは、人の手でモンスターボールに入ることで共存する「ポケモン」となっていた。

 とはいえ、これは妾も知る歴史の流れだ。

 生身のポケモンが、まだまだ生き残っていたのにも驚きだった。

 だが、もっと驚いたのは迷宮だ。フーパの力は、地下に残留し続け、そのまま異空間を作り続けていたのだ。

 これで妾は確信したよ。あの王宮の滅亡が、遥か遠い過去の事であることを。

 

「あー……変わったなあ……変わり過ぎたなあ……妾多分浮いとるなあ。でも、思ってたより荒廃しとらんなあ」

 

 傍から見れば、変わったクエスパトラを連れた変わった人間だ。

 好奇の目で見られることは、避けられんかった。

 とはいえ、知識を得ることに貪欲だった妾は、現代の一通りの知識と、ポケモンの事を調べていくことにした。

 その過程で何度怪しまれたかは知らんがな。

 

「貴女のクエスパトラ、変わってるわね? というかクエスパトラ型のロボット?」

「というかオーデータポケモンに似てない?」

「い、いや、これはこういう変種でな、たははは……」

 

 そして、このオシアスと言う地で、すっかりオーデータポケモン共が象徴になっていることも知った。

 イテツムクロ、アマツツバサ、ハタタカガチ、と現代では呼ばれている彼らを見て、妾は何処か安心したよ。

 何だかんだ、あいつらが楽しそうにやっている所をな。

 オーデータポケモンは妾と同じ、荒廃した世界で生態系の代理人を担う存在。

 その彼らが、この世界で、他のポケモンと同じように人と共に生きている。

 それを知ることが出来れば、もうわざわざ会いに行く必要はないとまで考えていた。

 

(……それでよい。あんな世界で過ごすよりは、よっぽど楽しいだろう。色々あったが、あいつらも妾の良き朋友──目を閉じれば、あの頃が浮かぶようだ)

 

 

 

 ──あ”? また、アタクシと闘る気? 表出る? シャーッ!!

 

 

 

(ハタタカガチ……)

 

 

 

 ──今は取り込み中だ。私の美しさは何にも代え難い……水晶でさえも……敵わない。罪だ……これは私の、罪……。罪は……罰せねば……ああ……狂おしい……私が……。

 

 

 

(イテツムクロ……)

 

 

 

 ──これからの時代は空だよな、飛べねえポケモンは只のポケモンだぜ、ヒャハハハハハハハ!! うん? どっかから電撃の気配──

 

 

 

(アマツツバサ……)

 

 

 

 ※※※

 

 

 

「待て待て待て待てッ!!」

 

 

 

 ミコの回想に割って入ったのは──イクサだった。

 

「性根からしてロクなヤツが居ないじゃないか、オーデータ共!!」

「ああ、揃いも揃ってクセ者ばかりだった……あいつらは、研究者たちがオシアスに流れ着いてから製造した新顔でな。オシアスの工芸品に磁気を浴びせて造り出したのだ」

 

 故にオーデータポケモン達は、古の工芸品としての姿を持つものがいる、とミコは語る。

 

「それらの工芸品は、当時のオシアスからしても既に古の産物でな。こう色々……言い知れぬナニカが籠ってたんだろうな。結果、一癖もふた癖もあるポケモンが誕生してだな……」

「好奇心の塊かよ、君の所の研究者共は……特級呪物にオシアス磁気浴びせて生まれたのかよ」

「言葉が分からないのってある意味幸せだったのね……」

「イテツムクロってまんまシャイン先輩じゃんっ!!」

「シャインはそこまで意味不明じゃないわよ。……ごめん、意味不明だったわ」

「アマツツバサもラズにそっくりだ」

「ハタタカガチもレモンと性格が瓜二つデース!!」

「あ”? どういう意味よ、闘る気? 表出る? 此処表だけど」

「そ、そういうところじゃないデスか……!? 喧嘩っ早い所ーっ!!」

 

 胸倉を掴まれるバジルは手を上げて降参するが、余計な事を口走ったせいで更に詰められることになったのだった。

 いずれにせよ、飼い主がポケモンに似たのか、ポケモンが飼い主に似たのかは定かではない。

 

「因みにアマツツバサはいっつもハタタカガチに撃ち落とされておったぞ、電撃で」

「そんなところまでラズ先輩とソックリにしなくってもぉ……まー、でも飛行タイプだし、仕方ないよねっ!」

 

 本人の知らないところで流れ弾が飛んで行くラズであった。

 そうなれば気になるのは──

 

「イワツノヅチはどんな感じの性格だったの? 僕の手持ちで……今はクラウングループに捕まってるんだけど」

 

 イクサは図鑑の画面をミコに見せる。

 当然、全てのオーデータポケモンと面識がある彼女はこくこく、と頷くと──

 

「──面倒見のいいヤツだったな」

「そうなんですよ! 他のポケモンの遊び相手にもなってやってたし」

「そうか。あいつが、お前の手持ちか。……そう言う意味ではよく似ておる。アイツ、よく他のポケモンが喧嘩してたら仲裁に入ってたからな。まあ、貧乏くじを引かされることも多かったが……」

 

(まるでイクサみたいデース……)

 

 そう言いかけたバジルだったが、流石に全員から顰蹙を買うことが分かっていたので黙った。えらい。

 

「だからザザの地下迷宮で暴れてるのを見た時は驚いたぞ。追おうとしたが、他のポケモン共に暴れられた所為でそれどころではなくなってしもうたわ」

「大人しい子なのね。実際、イクサ君の手持ちになった後は変に暴れたことはなかったし」

「最初に襲って来た時は、やっぱりおかしくなってたんだ……」

「だろうな。目覚めたてで寝ぼけておったのだろう」

 

 事実、ハタタカガチら御三家も発見された当初は暴れていたため、往々にして目覚めたてのオーデータポケモンはこういうものなのだろう、と全員は納得する。

 傍迷惑な事には違いないが。

 

「因みにオオミカボシは?」

「うざい。偉そう。上から目線。万物を見下しておる」

「……やっぱトレーナーとポケモンって似るのね」

 

 閑話休題。

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 あー、うん、何処まで喋ったっけな? もう忘れてしもうたわ、歳は取りたくないな……すまんすまん……ッてかよくよく考えたらオマエらが妾の話を脇道に逸らしたのが原因ではないか!!

 うん、ああ、やっと思い出した、そうだそうだ、確か……妾は、結局、旅に出たのだ。

 このオシアスの何処かに、オーラギアスが居る事を確信していたからな。

 人間から隠れながら各地の迷宮を巡り、ヤツが何処に転がっておるかを探していた。

 ヤツが居る限り、このオシアスに真の平穏などは無い。いずれ復活して、ウン千年前のような悲劇を起こすに決まっておる。

 幸い、この時代にはモンスターボールに加え、ポケモンボックスという便利なモノがあったので、奴を捕獲することが出来れば、永遠に封じ込める事が出来る。

 幾らヤツと言えど、ボックスに預けられて電子化された状態ならば悪さは出来まい。

 そんなわけで、妾のオーラギアス探しの旅が始まったのだ。

 え? 何でコッソリ活動してたかって? オマエら人間が!! 迷宮探索に!! ライセンス制度なんてものを作るからだろうが!!

 妾の身分を証明するものなど何も無いのに、どうやって迷宮の探索資格を取れと言うのだ!! 仕方ないので、見つからんようにコソコソするしかなかったのだ!! 全く!! 全く全く!!

 ……とまあ、ある日のことだった。ちと、油断をしてしまったようだ。妾は、迷宮の中でポケモンに襲われ、そのまま崩れた岩壁に巻き込まれてしまった。 

 

(いやー……これは、ひょっとしなくても、ピンチだな……)

 

 妾は良かったが、義体──即ちこのヒトの身体が瓦礫に埋もれてデンジャラスになってしまった。

 オマケに、そこに狂暴化したポケモン達がわんさか寄って来おった。流石に万事休すか、と諦めかけたその時であった。

 

 

 

「──”ガリョウテンセイ”ッ!!」

「きりゅりゅりゅりゅああああッ!!」

 

 

 

 狂暴化したポケモン達を打ち払う、必殺の一撃。

 それを前に、妾はただただ唖然とするしかなかった。

 他のポケモン達とは一線を画す力に、体躯。

 そして神々しき威容。

 あれが、この世界のホウエン地方に伝わる伝説のポケモン・レックウザであると知ったのは、後の事だった。

 

「やれやれ、弱っているポケモンを寄って集って虐めるなんてひどい奴らだよ……ん? 君はオーデータポケモンかい?」

「くえすぱっ!! くしゃとりゃっ!!」

「仲間が瓦礫の中に埋もれてるみたいだね。助けてあげよう」

 

(こいつ、妾の意図をすぐに汲み取った……! あれだけポケモンが居たのに、妾だけを攻撃しなかったことと言い、まるでポケモンの言葉が分かるかのようだ)

 

 程なくして。

 男の連れたポケモン達の手で、妾の義体は掘り起こされた。

 

「……やれやれ、助かったぞ」

「あれで生きているなんて……只の人間じゃないね」

「察したか。それで? 妾をどうする? ポケモン協会にでも突き出すか? 見ての通り、不法侵入者だよ」

「しないよ。俺も似たような身分だからさ」

「……?」

「俺はロータス。所謂稀人って奴でね。他所の世界からこっちに迷い込んだんだ。よろしくね」

 

 男は──変わり者であった。

 どうして見ず知らずの素性も知れぬ妾にそのような事を開幕でバラしたのか。神経を疑う。正直今でも疑っておる。

 

「突然現れた金の輪っかに落ちたら、この通りだよ。全く……奇天烈な事もあるもんだ」

「金の輪っか……?」

「何か知っているのかい? どうやら俺の他にも似たような境遇の人が居るみたいでね」

「……1匹だけ、規格外な力を持つポケモンに似た芸当が出来る者が居る」

 

(尤もフーパはオシアスの地下と一体化していて、今までのような悪戯は出来んはずだがな)

 

 妾はヤツに過去を語ることはしなかったが──それとなく、フーパの事は仄めかした。

 すると彼はフーパに興味を持ったようだった。

 

「成程! 異界と異界を繋ぐポケモン! 実に興味深いね!」

「興味深いだとぉ……?」

「ああ。俺は、全てのモンスター……いや、ポケモンと友達になるのが夢でねっ! 是非とも、話を聞かせておくれよ!」

「妾も詳しい事は知らぬぞ」

「なら……()()ポケモンなんだよね? 是非、俺の友になってくれ!」

 

(こいつ、妾の正体に一瞬で勘付きおった……)

 

 ロータスにウソは通じなかった。

 あやつは……妾の考えを全て先んじて見通すようなヤツだった。

 だが、故に少し面白いと思ってしまった。

 

「条件がある」

「うん、何でもいいよ。俺に出来る事なら」

「あるポケモンを一緒に探してほしい。お前の言うフーパとも関係があるポケモンだ」

「というのは?」

「オーラギアス。このオシアスを滅ぼす呪いだよ」

 

 そう言えば、少しはたじろぐだろうと思ったのだ。しかし──

 

「面白い! 呪いか……是非とも、この眼で見てみたいね」

「はぁ……分かっておったが、相当スキモノだなオマエ」

「当たり前だよ。言ったよね? 俺は全てのポケモンと友になるのが夢だ、ってさ」

 

 そんなわけで、妾とロータスの奇妙な珍道中が始まった。

 とはいえ、探索はなかなか進まなかった。

 あやつは、道中に現れるポケモン全てに目を輝かせ、時には自分から危険な目に遭いにいく。

 あそこまで危なっかしい人間は初めて見たぞ。

 

「このオシアスという地は、ポケモンと人間が上手く共存して生きている素晴らしい場所だ」

「……」

「元の世界で俺は、ポケモンを連れて戦い、世界を救った……でも、その力を恐れられ、迫害された。皆、ポケモンと、ポケモンを従える俺が怖かったんだ」

「……ままあることだ。強すぎる力は……恐れを生む」

「正直、人間に絶望した時期もあった。だけど、この世界を見て考えを改めたよ。希望は捨てないもんだってね」

 

 ロータスは──無邪気に微笑んでみせる。

 

「きっと、オーラギアスとも友達になれるんじゃないかって、俺は思うんだけどね?」

「やれるもんならやってみろ。あやつは……人の埒外にあるモンスターだよ」

「だから面白いんだ、ポケモンは」

「……理解が出来ぬ」

「理解が出来ないから、相手を知ろうとする。それこそ、仲良くなる一歩だと俺は思うよ」

 

 思い返せば、数か月の間だった。

 それほどまでに、ロータスと言う男は妾に鮮烈に残った。

 

「これがオーカード! シトラスが作った最新鋭のグッズだよ! コイツを、迷宮で捕まえたポケモンに触れさせると……!」

「おお、そのポケモンの絵が浮かび上がりおったわ」

 

 ロータスは、ポケモンだけではなくその道具にまで興味を持った。特に、当時最先端の技術だったオーライズは、強く彼の興味を引いた。

 

「そして、こうして記録したオーカードをオージュエルに翳すことで、オーライズ出来るというわけ!」

「だがそうなると、お前の相棒のレックウザは……」

「……まあレックウザはオシアス磁気を持っていないからさ。こいつは前の世界で出会った相棒だからね」

 

 そうやって喜々として語っている時、あいつは──子供に返ったようだった。

 

「なあロータス」

「何だい、ミコちゃん」

「……妾達の旅は何時まで続くのだろうな」

「俺は一生続いても良いけどね。このままフーパやオーラギアスが見つからなくても──この時間は最高に楽しかったと胸を張って言える」

「たわけ! オシアスの危機なのだぞ!?」

「ミコちゃんはオシアス地方が好きなんだね!」

「……っ」

「俺も好きだ! 町に出れば人とポケモンが共存している姿が見られる! 迷宮に行けば、野生のポケモンに出会える! もっと、もっと旅をしていたいんだ!」

「……そうだな」

 

 妾達の旅は、ずっと続くのかもしれない。

 いつしか、そう勝手に考えていた。

 だが、終わりは呆気なく訪れるものだ。

 ──オーラギアス、そして地下迷宮に封じられていたはずのフーパも、思わぬ形で見つかることになった。

 

「怪しいと思っておったが、ビンゴだのう」

「最近、迷宮の各地で無許可で掘削作業をしていた重機……調べてみると、全てこの企業に辿り着くなんてね。流石ミコちゃんだ」

「まさか自分達の他に無許可で迷宮に入り浸っているヤツらが居るとは、連中夢にも思わんだろうて」

「自慢する事じゃないんだけどね……」

 

 その企業が──クラウングループだった。

 重機を追い、巨大な工場の一つに辿り着くと、妾の頭が疼く。

 そこに間違いなく、オーラギアスが眠っている。

 

「居るのかい? オーラギアスが」

「……ああ。間違いないな。まだ眠っておるからか、この距離でも微かにしか感じんが」

「ワクワクしてきたね。一目拝んでみたいもんだけど」

「……遠足気分だな。オーラギアスは……かつて文明ひとつ滅ぼした恐るべき呪いだ。放つオシアス磁気で全てを分解する」

「俺もそうなるかもしれないと言いたげだね」

「おうおうさっさとなれ、せいせいするわ。これで、もうオマエの滅茶苦茶に付き合わされるのが最後だと思うと……」

 

 そこで言葉に詰まってしまった時点で、妾の()()だった。

 

「大丈夫だよ、ミコちゃん。油断はしないから」

「……迷宮であれだけの狼藉を働く連中が、オーラギアスをロクな事に使うはずがない」

「分かってる。もしそうなら、止めてやろうよ」

「……ああ」

 

 まあ、妾達も客観的に見れば人の事を言えんのだが……。そうは言っても、あんなゲキブツを好き好んで捕りに行く奴は頭がおかしいと相場が決まっておった。

 

 

 

「──これがオーラギアスか。コイツの力があれば、世界を綺麗に浄化する事が出来る」

 

 

 

 案の定頭がおかしかった。

 早速数々の迷宮探索で培ったスキル──主に不法侵入──で潜入し、天井裏で隠れて話を聞いていた妾達は偶然聞いたCEO・アカシアの話に耳を疑った。

 何処でオーラギアスの名前と力を知ったのかは定かではない。

 しかし、それを使って何かを企んでおったのは確かだった。

 

「……異世界から来たというオマエの話、最初は耳を疑ったが、信じて正解だったようだ」

「ええ、ええ、助けていただいた恩はしっかり返しますとも……」

 

(アレは……!!)

 

 アカシアと話す研究服の男に、妾は見覚えがあった。

 

 

 

「……その代わり、オーラギアスが生み出す無限エネルギー回路による利益は私にも分けて下さるのですね?」

 

 

 

 ──妾が元居た世界の研究員だ。制服で分かった。

 しかし、あの四千年前の悲劇で生き残った者は誰一人としておらぬし、仮に生きておっても妾じゃあるまいしとっくに死んでおるだろう。

 となれば考えられる可能性は一つ。フーパの金の輪っかで呼び出されたうちの1人だったのだろう。

 

(オーラギアスの実験に携わったのは、あの人工島の人間だけではない……! こっちに流れてきたとき、社長の気を引く為にオーラギアスの情報を漏らしたか)

 

「あの人と知り合い?」

「知らん」

 

 ロータスの質問を一蹴したその時だった。

 

 

 

 

 ──研究員の男の頭が──突如、風船の如く膨れ上がった。

 

 

 

「あがっ……ぎっ、あがっ……がっ……ごぽぽぽぽぽぽぽ」

「悪いが俺が欲しいのは無限エネルギー回路などではない。()()()()()()()()()()()()()()()美しい世界だ」

 

 

 

 アカシアの背後には、巨大な鋼のポケモン・メタグロスが居た。

 奴のサイコパワーで研究員の脳を沸騰させたのだろう。人間なら即死の攻撃だ。気付いた時にはもう手遅れだった。

 そのまま全てを隠滅するかのように、黒服の社員たちが部屋に現れ、さっきまで生きていたものを片付けていく。

 

 

 

「その時の為にお前からオーラギアスの全てを聞きだしたんだ。俺の計画を知れば、お前は必ず邪魔するだろうからな。もう用済みだ」

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