ポケモン廃人、知らん学園に入学した。【完結】   作:タク@DMP

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第117話:オオヒメミコ

【ヨイノマガンは 明星の加護で神秘に包まれる!!】

 

 

 

「ケ レ ス」

 

 

 

(……今見えてるあいつの使う技は、岩技の”ふうとん・つむじ”、エスパー技の”サイコノイズ”、地面技の”だいちのちから”だ)

 

 それに加え、飛行技も持っていると考えると、ヨイノマガンが弱点を突ける範囲は非常に広い。

 パーモットとハルクジラは互いに一致弱点を突き合う関係となり、タギングルはエスパー技で弱点を突かれる。

 サーナイトはヨイノマガンに有効打が与えらず、ソウブレイズは”だいちのちから”で弱点を突かれてしまう。

 

(ソウブレイズも進化したばかりで、大分疲弊してる。後は……温存していた切札を切る)

 

 となれば、消去法でイクサが繰り出すのは──

 

「──マリルリ、次は君だっ!!」

「りーるぅっ!!」

 

 ──巨大すぎる相手には出しづらかった、マリルリだ。

 相手が20メートルを超える巨体ならば、ゴーストダイブですぐに接近できるソウブレイズの方が適任だったが、今度は互いにほぼ互角のサイズ(それでも2メートルはあるのだが)。

 つまり、此方の土俵に相手を引き込む事が出来る。

 

「ケレス」

 

【ヨイノマガンの ふうとん・つむじ!!】

 

 ヨイノマガンがひとたび羽ばたけば、竜巻が巻き起こる。

 それが地面を抉りながらマリル目掛けて飛んで行く。

 しかし──マリルリは地面を蹴るなり、一気にヨイノマガンに距離を詰める。  

 

「”アクアジェット”ッ!!」

 

 そして渾身の拳がヨイノマガンを殴り飛ばした。

 集中が途切れた事で、技が操作出来なくなったからか、竜巻はそこで掻き消える。

 

「休む間を与えるなッ!! マリルリ、”アクアブレイク”を叩き込めッ!!」

 

(ヨイノマガンは集中が乱れると技が途切れてた……! 今まではそれを巨体でカバーしてたけど、本体が剥き出しになっている今なら……こっちの攻撃が先に通れば、あいつの攻撃は止まるッ!!)

 

 続けざまに拳が、ヨイノマガンに叩きつけられていく。

 だが、流石に魔岩は堅牢で強固。幾ら弱点技と言えど、それを真正面から受け止め、そしていなすと、不愉快な音を立ててマリルリの耳を塞がせるのだった。

 

【ヨイノマガンの サイコノイズ!!】

 

 イクサも思わず耳を塞ぐ。

 相手の回復行動を封じるとされるこの技は、聞いたものの精神を抉り取る強烈な音波を放つ技でもある。

 もし耳を塞いでいなければ、人間ならばそのまま寝込むことになるのは必至であった。

 そうして怯んだマリルリに向けて、蹴りを一度叩き込むと、そのまま上空からヨイノマガンは空気の刃を何発も放つ。

 

 

 

【ヨイノマガンの エアスラッシュ!!】

 

 

 

 砂を抉り取りながら放たれたそれは、地面を走り、マリルリを切り裂くべく飛んで行く。

 思わず、イクサも避けてしまったが──狙いは此方だけではない。

 後ろにいるイダイトウとコナツさえも切り裂かんと空気の刃は地面を走る。

 

「ばっしゃららら……ッ!!」

 

 しかし、なけなしの力で吼えたイダイトウは泥の壁を生み出し、コナツをすんでの所で守ってみせる。

 そしてイクサに──「こっちは任せろ」と言わんばかりに頷いてみせるのだった。

 

「うんっ……!! マリルリ、反転攻勢だ!!」

「りーるぅっ!!」

 

 1対1の脅威は、アケノヤイバ程ではない。

 しかし、それでも圧倒的な耐久力に加え、数々の風技は脅威の一言。

 そしてこの状態でも、オオワザを使えるかどうかまだ分かってすらいない。

 ならば最早こちらに全力を出さないという選択肢はない。

 

(切るなら、今だッ!!)

 

 イクサはマリルリのオーカードを取り出し、ギガオージュエルに翳す。

 脅威を本能的に感じ取ったヨイノマガンは更に竜巻を幾つも生み出し、マリルリ目掛けてぶつける。

 しかし──それは、あまりにも真っ直ぐに突き抜け、ヨイノマガンを正面から拳で打ち据えるのだった。

 

 

 

「──行くよ、マリルリ」

 

【マリルリ<ギガオーライズ> タイプ:水/フェアリー】

 

 

 

 イクサも、マリルリも、その目からは紫電がバチバチと立っていた。

 そしてマリルリの身体は、流れる水の鎧に包み込まれており、尻尾に至っては巨大なハンマーの如く膨れ上がっていた。

 既に両者は、度重なる訓練によって完全なるシンクロを会得していた。

 マリルリの感じていることが、そして見えている光景が、今のイクサには手に取るように分かる。

 そして、まるで静かな水面の如き情景が二人の脳裏には過っていた。

 より研ぎ澄まされ、より洗練された拳が、次々にヨイノマガンに叩きこまれていく。

 

「ケレス」

 

 しかし、それで狼狽えるヨイノマガンではない。

 砂煙の中に己の身体を隠しながら、周囲の光を吸収していく。

 辺りは暗くなっていくが、その中でヨイノマガンの眼だけが妖しく光り輝いている。

 

「一騎打ちだ。マリルリ、こっちもオオワザ行くよッ!!」

「りーるぅっ!!」

 

 一方で、マリルリも全身のオシアス磁気を尻尾に集めていく。 

 そして一気に足を踏み込むと、ヨイノマガン目掛けて距離を詰める。

 幾ら砂煙に紛れていても、辺りが暗くなっても、場所はすぐに分かる。

 何故ならば、光を集めた魔眼は暗闇の中でより強く輝いて見えるからだ。

 それを目掛けて、マリルリは渾身の一撃を叩き込む。

 尻尾に集められたオーラは、まるで碇の如き鋭い水の刃となって顕現した。

 全身の水のエネルギーを尻尾に集め、正面からヨイノマガンにぶつける──

 

「──オオワザ、”トリトーンズアンカー”ッ!!」

 

 

 

【ヨイノマガンの たそがれのざんこう!!】

 

【マリルリの トリトーンズアンカー!!】

 

 

 

 ──両者のオオワザは、ほぼ同時にぶつかり合う。

 放たれた太陽光線と、水のオーラの塊が互いにせめぎ合う。

 しかし、徐々に徐々に質量差でヨイノマガンは押されていき、遂に地面に落ちるまでに押し込まれていく。

 

「ケ、ケレ、ケレ……ッ!!」

「悪い夢は……もう終わりなんだッ!!」

 

 水の塊が、ヨイノマガンを押し潰した。

 辺りには水しぶきが飛び散り、雨の如く降りしきる。

 程なくしてマリルリのギガオーライズは解除され、反動で彼女は膝を突いたものの──目の前のヨイノマガンはうめき声をあげたかと思えば、今度こそ完全に沈黙するのだった。

 その隙に、イクサはボールを投げ込む。

 今までの暴れっぷりは何だったのかと思えるほどに、あっさりとヨイノマガンは吸い込まれていき、ボールの中へと納まったのだった。

 

「……やった……捕まえました……っ!」

 

 思わず、コナツが叫ぶ。

 転がっていくボールを前に──力が抜けたイクサは、へたり込んでしまうのだった。

 

 

 

「……終わった……」

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 ──結果、ヨイノマガンの侵攻は最低限で留める事が出来た。

 肝心のアケノヤイバとヨイノマガンは、一旦モンスターボールに収納され、飛行船で療養する事になった。

 体内に溜まったオシアス磁気を抜くには、とにもかくにも時間が必要だ、とガーベラは後に語った。

 そして、破壊されたビルなどの処理、賠償などでクラウングループが追及される可能性は非常に高いらしいが、未だに声明は何も無しらしい。

 このまま黙って知らぬ存ぜぬを貫き通せるとは思えない、とイクサは考えると同時に、底知れない不気味さを感じるのだった。

 そしてイクサ達は、事が終わった後にクランベリグループのビルに召集を掛けられたのであるが──

 

「コナツは骨折が悪化していて即入院。ゼラ、バジル、ガーベラ、イデア博士も負傷で精密検査……ま、でもそこまで心配要らないわね。エナメルシティの医療体制は結構整ってる方だもの」

 

 言葉とは裏腹に、レモンは苦々しい顔を浮かべた。

 自分が居れば、ハタタカガチが居れば、此処までの被害は出さなかったという自負もあったし、自分は参戦出来なかったという負い目が何よりあった。

 

「しかし、逆に考えるんだ。クラウングループはボロを出したし、あの怪物を前に誰一人犠牲者を出さなかった」

「……そうね」

 

 今更スーツを着たシャインは、フォローするようにレモンを励ます。

 

「ま、偏に今回の手柄は転校生達にあると言っても良い。君は、素晴らしいナイトを持ったね」

「嫌味かしら? 私は今回、何もしていないわ」

「いや、彼らを育てたのは間違いなく君だよ」

「……だと良いけど。礼なら先ず、イクサ君に言うべきだわ」

「いや、僕一人ではヨイノマガンは倒せませんでしたから」

「全員の功績さ」

 

 全員の前で──ストロゥ社長は頭を下げる。

 

「……本当に、ありがとう。君達のおかげで、町は救われた。何とお礼を言って良いか」

「……」

「なぁに。私は何もしていないさ。頼れる後輩のおかげだよ。そうだろう? ラズ」

「……ああ」

 

 何処か後ろめたい顔を浮かべたラズは、ストロゥの表情を伺うように視線を向ける。

 そして──前に進み出るのだった。

 

「……」

「……ラズ」

「本当にすみませんでしたッ!!」

「!」

 

 開口一番。

 飛び出したのは、その言葉だった。

 今までなら決して、親相手でも頭を下げなかったラズが、頭を下げている。

 その光景に、シャイン、そしてレモンも言葉を失う。

 

「……勝手に出奔し、会社に迷惑をかけた。それに──間違ってた」

「……」

「俺ァずっと親父を見下してた。ポケモンバトルの才能がねぇ親父に、何で俺の事を心配されなきゃいけねーんだってずっと思ってた」

「……」

「でも、本当は気付いていたし、知ってた。親父は……ポケモンの道からは外れたけど、その分会社をデカくして……経営も頑張ってて……分かってたけど、見ねえフリをしてた」

「……」

「……結局、俺一人が強いだけじゃダメだった。自分が間違ってただけなのに、テメェで勝手に臍を曲げて……全部放り出そうとした」

「頭を上げるんだ、ラズ」

「だけど──」

 

 顔を上げた時──ストロゥは、微笑んでいた。

 

「……見ない間に、逞しくなったね」

「ッ……」

「ジブンはね。父親失格だよ。ラズをこうして連れ帰るのに、イクサ君たちの力を借りてしまった。責任を、果たせなかった」

「……責任を果たせなかったのは俺だって同じだ」

 

 ラズの手には、アマツツバサが入ったモンスターボールが握られていた。

 

「だから、今度は責任を果たす。力を持つ者として……自分のプライドの為じゃねえ。俺を信じてくれた全ての人やポケモンの為に、この力を振るう」

「見ない間に、頼もしくなったじゃない」

「ッ……レモン」

 

 ラズは──レモンの方を一瞥する。

 そして、改まるように向き直った。

 

「……迷惑かけたな」

「良いのよ。むしろ、迷惑かけたのはこっちの方。無理矢理連れて来る形になっちゃったし」

「へっ。でもな、もう逃げるつもりは毛頭ねぇよ。な、イクサ」

「え? 僕ですか」

「たりめーよ。テメェと戦うのは──悪くなかったぜ」

「貴方、何をしたの? あのラズが、此処まで誰かに靡くなんて珍しいわ」

「うっせ、珍事みてーに言うんじゃねーよ」

 

 ボリボリ、と髪を掻くと──ラズはシャインとレモンに向かい、宣言した。

 

「──俺は学園に戻る。シャイン、テメェも一緒だ」

「へえ。何か考えがあるのかい?」

「ああ。そもそも、事の発端はクラウングループがフェイク映像でイクサに罪をおっ被せた事にある」

「そういえば、そうでしたね……」

 

 イクサも今更思い出したが、彼には生徒会長・アトム襲撃の容疑がかけられている。

 その証拠となるのが、アトムが乗っていた車に搭載されていたドライブレコーダーだ。

 しかし、その映像は当然ながらフェイクである、とラズは断定する。

 

「親父」

「ああ、あれならすぐにディープフェイクだと分かったよ。証拠のログも全部出揃ってる」

「流石クランベリグループだわ」

「ラズも戻ってきたことだし、学園の情勢をひっくり返す良い機会かもしれない。こっちは我々に任せたまえ」

「じゃあ、僕達はどうしましょうか? 2人と一緒に学園に戻るとか?」

「あー……実は、もう1つ進展があったのよ」

 

 レモンがスマホロトムを取り出す。

 すると──やかましい声が聞こえてきた。

 

 

 

「やっはろーっ!! 転校生ーっ!! 可愛いボクだよーっ!!」

「うっわうるさ」

「ひっどーい!! ボク頑張ったのにッ!!」

 

 

 

 明らかにハイになっているデジーの声。

 後から聞くと、ガーベラが居ない隙にエナドリを数本決めていたという。

 いよいよ恋人の栄養状態と健康が心配になるイクサであった。

 

「実は、ボクが修理していたロボットちゃん、完全に治りましたっ! イエイッ!!」

「え、マジで!?」

「マジのマジ!! とにかく、先ずは直接見てみてほしいから、すぐに飛行船に帰ってくることッ!! オーケー?」

 

 ブツリ。

 そこで通話は途切れてしまった。

 イクサはレモンに困惑したような顔を向けるが、当の彼女も詳細は知らないのか顔を横に振るばかりである。

 

「……ロボットが治ったのは良いんですけど、何か分かったんでしょうか?」

「私にも教えてくれないのよ。ま、修理したものを直接見せたいのは、技術屋のサガでしょうね」

「では、私はラズと一緒に今後の事について話しているから、君達は飛行船に一度戻り給え」

「……迷宮で見つかったロボットか。もしも喋れるなら、何か面白い情報を握ってるかもな」

 

 だとしても何で迷宮にロボットが転がってたんかね、とラズは頭を掻く。

 

「そんでもって、テメェらのイタズラウサギ……まーじで逸材だな。ウチの会社に引き込みてぇくれーだがな」

「残念。彼女は私のモノだから」

 

 それを聞くと、親子ともども、がっくりと肩を落とす。

 クランベリグループとしてはデジーのような優秀な技術屋が是が非でも欲しかったらしい。

 

「……レモン。絶対にテメェを学園に戻って来させるからな。んでもって、決着をつける機会もいずれ──」

「ええ。楽しみにしてるわ」

「勿論、イクサ。テメェもだ」

「……はい。今度は、本気でバトルしましょうっ!」

 

 イクサとラズは拳を重ねる。

 そうして再戦の誓いを立て、彼等はそれぞれの役目を果たすべく別れるのだった。

 飛行船は既に、クランベリグループの外に着陸しているという。

 逸る気持ちを抑え、イクサとレモンは足早に向かうのだった。

 

 

 

 ※※※

 

 

 

「れでぃーすえーん、じぇんとるめーん!! ……あれ? 人数少なくない?」

 

 やってきたのがイクサとレモンだけだったので、肩透かしを食らったのか、デジーは二人の顔を見回した。

 ずっと部屋に籠っていたので、此処までの顛末を彼女が知らないのも無理はない。イクサはこれまでの事を全て彼女に話す。

 

「大丈夫なの!? 怪我人続出じゃん!?」

「まあでもほら、この世界ってポケモンの技で外傷は割とすぐに治るし……」

 

 主に”いやしのはどう”等である。

 

「コナツさんは特に時間かかるでしょうけど。骨折れてるし」

「ウッソ!? 大丈夫じゃないじゃん!!」

「そうね。でも命に別状は無いわ」

「そーだけどぉ……」

「本人が言ってたよ。”絶対にデジーちゃんはお見舞いに行くって言うでしょうから先に言っておきます。クラウングループを倒してきてから、来てください♡”ってね」

「全部読まれてる!?」

 

(本当に……親友同士なんだなあ)

 

 ヨイノマガンとの戦いが終わり、病院に運ばれる前にコナツが言っていた事を、一言一句違わずにイクサは思い出す。

 きっとデジーちゃんは心配するでしょうから、とも言っていた。心配しないわけがない。当の自分だって気にかけているのに。

 

「でもね。コナツさん……すっごく頑張ってた。コナツさんが居なかったらヨイノマガンは倒せなかっただろうからね」

「うう……コナツー……」

「ギガオージュエルも預かってる。”後は頼む”ってさ」

「……ん」

 

 デジーは、不思議とギガオージュエルを握る手に力が籠った。

 手に帯びる熱で、コナツが──励ましてくれたような気がした。

 

「よしっ。それじゃあ、ロボットちゃんのお披露目だよっ!」

「何か分かりそうなの?」

「うん。天才のボクは、発見したんだよ。あのロボットは自律動作するアンドロイドとかじゃなくって……ま、いっか。実際見て貰った方が早いし」

 

 そう言って彼女は部屋の中に案内する。

 壁には、褐色肌の少女の姿をしたロボットが、エキゾチックな服装を着せられたまま横たわっていた。

 そしてデジーは、1つのモンスターボールを取り出し、投げる。

 

「出てきて!!」

「くえすぱっ……ピピピ」

 

 中から飛び出したのは──ロボットと一緒に発見された、クエスパトラのオーデータポケモンだった。

 大丈夫なのか、と顔を見合わせるイクサとレモンだったが、デジーはチッチッと指を振りながら言った。

 

「大丈夫大丈夫! この数日間、この子を弄ってる時に仲良くなったからねっ! もう襲ってくる心配はないよっ!」

「……貴女が言うと微妙に信用できないのは何故かしら」

「ひっどーい!!」

「取り合えず、その子を何で出したの?」

「見てれば分かるよ! 少し借りるね」

 

 クエスパトラに酷似したそれには、胸元に三角形の板のようなものが浮かんでいた。

 そして、デジーはそれを取り外すと、横たわるロボットの胸元に──宛がう。

 次の瞬間だった。

 

 

 

 ぱちり。

 

 

 

 ロボット少女の眼が──開く。

 そして、じろり、と部屋の中にいる3人を見回すと……ぽつり、と呟いた。

 

「▽●×$……言語機能調整。──やれやれ、此処まで長かったな」

 

 むくり、と立ち上がると──彼女、そしてクエスパトラのオーデータはイクサ達を同時に見つめた。

 

「喋った!? 本当にアンドロイドだったのか!?」

「……アンドロイド? 聞いた事はあるが、この身体にオマエ達が思っているような機能は備わっておらん」

「どういうことかしら。貴女は何者?」

「……識別名は──オマエ達に分かりやすく訳するならば”オオヒメミコ”。オマエたちがオーデータポケモンと呼ぶ存在」

「!?」

 

【オオヒメミコ オーデータポケモン タイプ:エスパー/フェアリー】

 

 イクサ達の視線は、クエスパトラ型のオーデータポケモン──オオヒメミコに向く。

 

「って、それはそこのポケモンの名前でしょう」

「僕が知りたいのは、君が何者かで……」

「だーかーら、()()()()()()()()だよっ」

「え?」

 

 デジーは自慢げに胸を張る。

 そして、ロボット少女は──自らの傍らに立つオオヒメミコの羽根を撫でながら言った。

 

 

 

「そうだ。()()()()()()()()。この身体は、オマエ達人間とコミュニケーションを取る為に製造された、仮初の身体だよ」

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