ワイ、コブラ部隊に入隊できたけど追い出された   作:ワイやて!?

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海上のメリークリスマス(中編)

 

「院長ー!院長どこですかー!」

 

 とある病院兼医師及び看護師育成施設にて、1人の医師が誰かを探していた。

 

「おい、院長を見なかったか?」

 

「院長?忘れたのか、時期になると院長は長期休暇を取ってどこかに行っちまうんだよ」

 

「マジかよ。ああ、聞きたいことがあったのに…………」

 

 同僚に声をかけても居ないとの一点張り。質問内容も医療についての話なのだが問い合わせられないと肩を落とす。

 

「毎年、クリスマスが近くなるといっつもこうだからな。多分、恋人と仲良くでもしてるんじゃないか?」

 

「院長に?もういい歳だし、生真面目が過ぎる人がそんなの作る暇があるか?」

 

「さあ?ま、俺たちの知った事じゃないね」

 

 姿は見せても私生活は全く見せない院長への軽口を叩きながら彼らは職務へと戻る。

 

 彼らは戦争、紛争で重傷を負った者達を専門的に治療する医者、『境界無き医師団』の支部を任されているメンバー。

 

 今日も戦傷者の治療のために彼らは働くのだ。

 

 一方その頃、名前がそっくりな『国境なき軍隊』はというと。

 

「監視カメラよし!赤外線センサーよし!対空レーダーよし!いつでもサンタをお迎えできる準備が出来たぞ!」

 

「何で私まで駆り出されているんだ…………」

 

 可能な限りの科学を用いてサンタクロース捕獲作戦を実行しようとしていた。

 

 その際にヒューイだけでなくストレンジラブ博士まで駆り出されており、露骨に不満をこぼしている。

 

「頼むよ、本当にそろそろ捕まえないとヤバいんだって。スネークの機嫌を今損ねると不味いんだよ…………!」

 

「だったら、振りだけでもいいだろう?子供だましの話に大人げなく戦力を投入するなんて、情けない」

 

「うっ、だが侵入者がいるのも確かなんだ。そろそろ正体を確かめたい」

 

 半分自業自得ではあるが、無視できない勢力がいる以上は対策を講じなければならない。

 

 不本意ながら、謎の存在に住処を荒らされるのも気に食わないストレンジラブも一応は力を入れて技術を提供した。

 

 これで捕まらなかったら、ここの連中が無能か相手が異常者であるだろうと思いながらではあったが。

 

「私はもう行くぞ。出すものは出した、後は兵士であるお前たちが何とかしろ」

 

 それだけを言い残してストレンジラブは自身の研究室へと戻っていった。

 

「よしお前たち!今年こそ、絶対に、ぜっっっっっったいにサンタクロースを捕まえるぞ!!!」

 

「「「「「「「「「「

おー!!!!!

」」」」」」」」」」

 

「捕まえたやつには金一封!それに食堂スペシャルメニュー無料お代わり券付きだ!」

 

「「「「「「「「「「

うおおおおおおおー!!!!!

」」」」」」」」」」

 

 

 こうして張り切って始まった作戦、既に夜遅くにはなっているが12時にはなっていない。

 

 相手がしっかりと12時に侵入してプレゼントを置いていくのだから警備を強化する時間帯もこれくらいとなっている。

 

 時間通り始まる警備、普段よりもはるかに厳重となったソレは、アリ1匹も逃さない。

 

ちゃぷり、ちゃぷり、

 

 その筈だった。

 

「ん?ダンボール?」

 

 とある兵士が巡回中に見つけたもの、それは段ボール箱であった。

 

 スネークのダンボール好きはMSFの全員が知っている。

 

 ダンボールのみを開発したり、悪ノリでダンボール戦車という科学者陣が頭を抱えるような代物を作ったスタッフを褒めちぎったりするほどダンボールを愛している。

 

 それを裏返せば大事にしているという事。通路の邪魔になるような場所にダンボールを置くことは荷物が溢れていない限りは許されていない。

 

 たまにスネークが入っている段ボールもあるが、彼が段ボールを被っている時は誰にも邪魔されない場所でかぶっているため、こんなところに転がっているはずがない。

 

 不審に思った兵士はそのまま段ボールへと近づき…………

 

「…………湿っている?」

 

 その兵士の意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「CP!CP!こちらパトロール6!巡回していた兵士が倒れている、敵襲だ!」

 

「なんだと!?」

 

 ついに尻尾を出したかとミラーは指令室で立ち上がる。

 

 時刻は0時を僅かに超えた頃、侵入者の形跡を発見したパトロールによって事態が一変する。

 

「ヨシ!周囲の痕跡を探せ!髪の毛一本でも証拠品となる!絶対に見つけるんだ!パトロール全隊、ボスの部屋周辺を重点的に警戒しろ!サンタクロースは近い!」

 

やけにテンションが上がっているミラーはさておき、サンタクロースの来訪に備えてスネークは既にぐっすりと眠っている。

 

 流石に周囲を騒がせるわけにはいかず、静かに捜索は続けられている。

 

 常に部屋の前を通るように監視カメラも設置されており、監視の態勢は整っていた。

 

 過去のクリスマスは各地を転々としていたために十分な監視網を施せなかったが、今回は殆どが備わっている。

 

 取り逃がすはずがない、そう思われていた。

 

「こちらパトロール11!くそ、やられている!」

 

「こちらパトロール3!監視カメラを確認したらペンキが塗られてある!真っ赤だ!」

 

「こちらパトロール4!いてて、すっころんだ!誰だよ、ここ濡らした奴は!」

 

「ええい、誰一人姿を見ていないのか!?」

 

 ミラーが声を荒げるのは無理もない。

 

 明らかに痕跡を残しているのに姿形すら拾えていない。

 

 むしろ試しているように罠を張っていたりするため挑発までしてきている。

 

 まるでお前達にビッグボスが守れるのかと言わんばかりの行動ばかり取られており、サンタ捕獲メンバー全員が躍起になり始めている。

 

 それでもなお見つからないのは卓越した技量を持つ何者なのか、はたまた本当に幻想的な存在なのか。

 

「そんなことはない!ここに存在する以上は現実だ!」

 

 叱咤激励を浴びせながら、監視カメラで不審なものが無いか見逃さないようにチェックしていく。

 

「また監視カメラが潰されています!」

 

「何でだよ!もう1時間は繰り返しているぞ!もう我慢できん、俺が出る!」

 

「副司令!?」

 

「いかん、ミラー副司令が乱心した!」

 

「ちくしょう、俺も行く!」

 

「やめろやめろ!見てないで止めろよ!?」

 

 発狂副指令が暴走し始めようとしているその時、指令室の扉が突如開いた。

 

 ミラーが出て行く前に突如開いた扉に注目した皆は、入ってきた人物が意外過ぎて目を丸くした。

 

「はあ…………はあ…………」

 

「す、ストレンジラブ!?」

 

 それはストレンジラブ博士であった。

 

 一番乗り気でなかった筈の彼女が何故(why)、こんな男ばかり集まる指令室に来たのか?

 

 サングラスがずれそうになりながら、苦手な運動までしてここにたどり着いた彼女は息も絶え絶えな状態で、今にも崩れ落ちそうであった。

 

「はあ…………はあ…………さ…………」

 

 そして、ストレンジラブ博士は口にした。

 

「サンタが…………いた…………」

 

「「「「「「「「「「

………………………………は?

」」」」」」」」」」

 

 

 それだけを言い残してストレンジラブ博士は倒れた。

 

「「「「「「「「「「

はああああああ!?

」」」」」」」」」」

 

 ミッション失敗、サンタクロースの捕獲はならず気づけば朝日が昇り始めていたのであった。

 





後のFOBである(大嘘)

それはそれとして任務失敗なので怒られてきてください。
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