ワイ、コブラ部隊に入隊できたけど追い出された   作:ワイやて!?

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 この日の為にかき上げたネタです。

 メタルギアソリッド・ピースウォーカー時間軸にて多分一番平和な時期で犯人は誰か一発で分かるようにしてるので安心!


海上のメリークリスマス(前編)

 

――――――――――これは、ありえたかもしれない世界の話。

 

 クリスマスイブ、聖キリストの誕生日とされる日の前日からそう呼ばれており多くの信仰者が来る翌日に備える日でもある。

 

 それは戦場でも例外はなく、傭兵たちにとっても祝い事の一つとしてとらえられている。

 

 ビッグボスの称号を与えられた男が運営する傭兵組織、『国境なき軍隊(MSF)』も例外ではなかった。

 

「今回もやってきたか、クリスマスイブ…………」

 

 食堂にて飯を食いながらポツリとこぼす男がここに居る。

 

 彼の名はカズヒラ・ミラー。MSFの副司令官である。

 

「どうしたんだい、そんなに思いつめた顔をしちゃって」

 

 カタカタカタと電動車椅子を操作しながら同じく食事を取りに来たメカニック、ヒューイと呼ばれている男性が何故か暗そうな顔をしているミラーに声をかける。

 

 若干止まりつつあった手を止めて、ミラーは全く事情を知らないんだったとヒューイへ向かい合う。

 

「そういえば、あんたはここのクリスマス事情を知らないんだったな」

 

「クリスマス事情?」

 

「ああ、MSFでのクリスマスは毎年盛大に祝っている。まあ、スネークが、その…………」

 

「ああ、もしかしてサンタクロースを信じていたことかい?」

 

「そうだ…………待て、何であんたがそれを知っているんだ?」

 

「ははは、なるほど。そういうことだったのか」

 

 何かを悩むそぶりを見せるミラーに対して事情を知っているような口ぶりのヒューイであった。

 

「今はもう信じていないよ。流石に彼も大人だ、いくら何でも変な事を教えたままなのはどうかと思うよ」

 

 思っているよりもスネークに対して過保護だなぁ、とヒューイは思っていた。

 

 流石に幻想を抱きすぎるほどの天然っぷりを前に見せつけられてしまえばちょっと…………と思う節はある。

 

 ちなみにヒューイがサンタクロースがフィクションだというのをスネークに教える話は『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』のカセットテープで聞くことができるぞ!

 

 宣伝はさておき、現実を教えたヒューイに対してミラーは頭を抱えていた。

 

「なんてこった…………ボスにサンタがいないなんて知られてしまうなんて…………!」

 

 あまりにも深刻すぎる声色に違和感を覚えるヒューイ。

 

 そんな彼が醸し出す負のオーラを感じ取ったのか、幹部にあたる面々。主にネームドキャラたちが集まってくる。

 

「ミラーさん?どうしたの?」

 

「副司令官がどうしたんだ。もっとシャキッとしたらどうだい?」

 

 新たにやって来たのは学生であるパス・オルテガとサンディニスタ民族解放戦線指揮官のアマンダ・バレンシアノ。

 

 様々な事情によりMSFに留まっている彼女達だが、ミラーの様子が変であることに気づき寄って来たのだ。

 

「聞いてくれよ二人とも。スネークがサンタクロースを信じてたって言うからさ、流石にいないということを教えたんだよ。そしたら、何故か彼が深刻に悩んでしまってね」

 

「ば、馬鹿!仮にもパスが居る前でサンタがいないことを!」

 

「あの、ミラーさん?流石に私もサンタさんがいないのは分かってるよ?」

 

「えっ」

 

「あんたねぇ…………まあいい。それで、サンタクロースとやらがいないことで何かあったりする?」

 

 事実、イベントとしてサンタクロースが寝ている子供の枕元にプレゼントを贈るというのはティーンの学生でも信じていない。

 

 パスには色々と事情はあるものの、流石に現実は見ていると言えよう。

 

 だからこそ分からない。大の大人がサンタクロースの存在を信じていたことがある意味で不自然であった。

 

「……………………だよ」

 

「え?」

 

「……………いるんだよ」

 

「ミラーさん?いるって、何が?」

 

「サンタは、いるんだよ」

 

「………………………………は?」

 

 冗談かと思ったが、サングラスがちょっとズレて冷汗を垂らしながら言う男の台詞ではない。

 

「これは俺がボスの下についてからの話だ。ボスはクリスマスイブになると妙にソワソワしだすんだ。何を気にしているのかって聞いてみると、サンタが来るって言うんだ。俺も冗談かと思って適当に流していたんだが、クリスマス当日、ボスは新品の葉巻を持ってきたんだ。とても丁寧に包装されていて、見るからにプレゼントだって分かる見た目の箱に入った葉巻だった」

 

「それ、隊員の誰かがこっそり置いたんじゃないのかい?ここの兵士なら誰かやれそうだけど」

 

「いや、枕元に置いてあったそうだ。それに簡単に言ってくれるが寝ているボスの近くでゴソゴソするのは不可能だと思わないか?」

 

「そう、だね。スネークほどの兵士の寝込みに侵入するのは薬でも使わない限り不可能だ」

 

「だろう?アマンダもやってみるか?」

 

「断る」

 

 ヒューイの指摘を否定したミラーは続ける。

 

「俺も隊員たちから聞き取り調査をした。けれども誰もスネークの部屋に入っていないとのことだ。最初はボスの冗談かと思って翌年は意趣返しに警備を強化してみたんだ。だが、結果はボスの枕元に新品の葉巻が…………」

 

「誰かのいたずらじゃなかったの?」

 

「ああ、この警備には俺も参加した。いくらなんでもそんな存在はいないと。ボスもわざわざそんな事しないし、コソコソ葉巻を買う必要だってない。だが、現実は違った。間違いなく俺たちの目をかいくぐって侵入している奴がいる!」

 

 ダン!と感情のままに机を叩き、思わず感情が高ぶったとミラーは謝る。

 

「だから、本当に不味いんだよ。これまでサンタさんのせいにして誤魔化してきたのが全部ばれるんだよ!」

 

 一同、ミラーの慟哭にドン引きする一方でそんな存在が居るのかと信じられなかった。

 

 スネーク直々に鍛えられた彼らを出し抜く者がいるなら、確かに恐怖でしかない。

 

「だが…………今年は違う!MSFは大きくなった、今度こそサンタクロースを捕まえてやる!」

 

「ミラー副指令!俺、頑張ります!」

 

「そうだそうだ!捕まえてやるぞサンタクロース!」

 

 いつの間にか集まってきた古株の隊員たちもミラーの叫びに同調していく。

 

 新たに入隊した隊員は困惑しているが。

 

「……………………ま、まあ、頑張って」

 

 自分が蒔いた種とはいえ、まさかサンタクロースの話題でここまで盛り上がるとは思っていなかったヒューイはドン引きしながらそそくさと逃げようとした。

 

「待て、お前には責任を取ってもらうぞ」

 

 だが、ミラーは逃がさない。後ろから肩をがっしりと掴み、絶対に参加させてやるという意思が握力から分かった。

 

「サンタさん…………本当にいるなら、興味でちゃった」

 

「あたしも付き合うよ。その話を聞いたら気になってしょうがない」

 

 ついでにパスとアマンダも参加することになる。

 

「よぉし!MSFの総力を挙げてサンタクロース捕獲作戦を開始する!もう今日中に準備しないといけないから、総員、飯を食い次第急ぎ準備しろ!」

 

「「「「「「「「「「

おー!!!!!

」」」」」」」」」」

 

 今、ピースウォーカー事件に次ぐMSF総力を挙げた作戦が始まろうとしていた。

 

「……………………カズ」

 

「うおぉ!?ス、スネーク、いつの間に?」

 

「サンタさん、いないのか?」

 

「そそそそ、そんなことない!今年こそ絶対に捕まえる!俺のへそくりも投資してやるぞこんちくしょうめ!」

 

 若干しょぼくれたスネークに動揺しながらミラーは宣言した。

 

 サンタの正体は、未だに不明である。

 





毎年、謎に侵入してきてスネークにプレゼントを置いていく謎の男…………

一体、ザ・誰なんだ…………?

一体、何故(why)こんなことを…………?

一体、誰が始めた事なんだ…………?
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