ワイ、コブラ部隊に入隊できたけど追い出された 作:ワイやて!?
かくして、スネークの脱出劇は幕を下ろした。
オセロットは背中で扉越しに暴れる元コブラ部隊員を押さえたまま名乗り、そしてスネークの本当の名を聞いて脱出。
エンジンが一機故障していたが、辛うじて離陸したものの戦闘機に追われる際はとても肝が冷えた事だろう。
しかし、スネークとEVA、ザ・ワイは窮地を脱した。
戦闘機に追われた際に脱出の準備をしていたザ・ワイは後でものすごく微妙な空気になってしまったが。
ともあれ、CIAがアラスカに用意したシークレットハウスまで彼らは逃避できたのだ。
「やったわ、私達…………助かった!」
離陸時に多くの危機があったためある程度助かった実感がなかったEVAが今になってようやく生還できたことを喜び合う。
スネークも思わず抱き着いてきたEVAに驚きながらも微笑み、パンパンと身体を軽くたたいて振り返る。
「そうだな、俺達はようやく…………」
ここでスネークは気づいた。もう一人の功労者が居ないことに。
つい先ほどまで同じ飛行機に居たはずなのに姿が全く見えない。
「ザ・ワイ…………」
しかし、彼が雲隠れした理由もある程度察することもできた。
ザ・ボス直々に追放を受けてコブラ部隊を脱退したとはいえど、それはあくまで非公式の話である。
幻の隊員として、他隊員と比べて欺瞞情報すら碌に残っていない彼が現地に居たことにより現場は大きく混乱したのだ。
口頭で敵ではないと言われて、勘ぐらないほうがおかしいと言うもの。
任務後半でかなり助けられたスネーク達、否、スネークからして兄弟子の純粋な気持ちを汲み取ってやりたいくらいだ。
そうはならなかった。問題が起こる前に彼は自主的に立ち去っていった。
戻った先で、また共に戦えたかもしれない。
そのような名残惜しい気持ちがスネークの寂しさを増幅させた。
「仕方ないわよ。彼の立場も考えてあげて」
「……………………そうだな」
その気持ちを察したEVAがスネークを慰める。
変人ではあったが、確かな味方として協力してくれた男をどうこう言うつもりは無い。
たとえ、彼女の本命の任務のために多くの嘘をついているとしても。
誰一人敵が居ない地で二人はゆっくりとセーフハウスで時間を潰すことになる。
ザ・ボスの暗殺任務の達成、第三次世界大戦を回避した英雄として迎えられるために。
この数日後、ザ・ボスを超える称号、ビッグボスの称号が一人の男に与えられた。
「…………ジャック、
「全く、こればかりはどうしようもない。あいつは杜撰なところが多い」
「だが、ジャックは成し遂げた。ボスの暗殺任務を」
「……………………
「やはり、不自然な点が多すぎる」
「ソ連領内であれだけの騒ぎが公になっていない点」
「
「
「
「
「…………ボスが死ぬのは時間の問題だった。だが、早く死なせたい者がいた?」
「ジャックも単独潜入はできたところで任務を達成できる可能性は常識的に考えて低い」
「たとえスパイがいたとしても普通に考えると無理と思える」
「だが、アメリカは決行した。戦争が起こるかもしれないというのに」
「
「いや、ここで考えるのはやめよう」
「…………ボス、俺はあの後アラスカから単身でアメリカに帰還しました」
「惜しいのは皆の遺品を持ってこれなかったことです」
「ザ・ペイン、ザ・フィアー、ジ・エンド、ザ・フューリー………皆、置いてきてしまいました」
「そして貴女も、この国の潔白を証明するために…………」
「ボス、貴女はこの任務に納得していた。ですが、俺はやはり納得ができません」
「貴女が逃がしてくれたこの命、もしかすると粗末にするかもしれないことを許してください」
「貴女が貴女の戦いを最後までやり抜いたように、俺もやるべきことを成します」
「…………後で皆に怒られそうだ。だが、土産話はできる限り持っていく」
「流石に一人では『賢者達』に対抗するのは厳しい」
「俺も一つの部隊、いや組織を作るべきか?」
「国という国境のない、国境なき…………」
「いや、ボスはこの星に境界は無いと言っていた」
「人々が国として規範を分けるが、地球にそのような線引きはなかった」
「宇宙から地球を見下ろしたボスの結論は銃を手放すことだった」
「最後にようやくたどり着いた、貴女なりの平和を求めた結論…………」
「それでも、俺は戦います。俺なりの決着をつけるために」
「しかし、首になったという事は今はただの無職」
「(ため息)傭兵になるとはいえ、傭兵のような組織では奴らも警戒するはず」
「俺は衛生兵だった。それを活かしたものにすればいい」
「決まりだ。俺が『賢者達』に対抗するための組織は」
「『境界無き医師団』だ」
以上を持って完結といたします。原作と一緒の部分は殆どカットしてしまい物足りないかもしれませんが、若干エタりながらもなんとか最終話まで書くことが出来ました。
あのスレがあったからこそこの作品が出来たと思っています。ありがとうスレの方々、ありがとうメタルギアソリッドΔ。
ザ・ワイの戦いはこれからだ!