ワイ、コブラ部隊に入隊できたけど追い出された 作:ワイやて!?
何故か番外編のネタが思いついてしまったから頑張ってかき上げました。
スネークとオセロットの戦い。最初は廃墟にてスネークを舐めていたオセロットが山猫部隊と共に呆気なく倒されたことから始まった。
2回目には人質をとったはいいが銃を変えたことにより残弾を把握し切れておらず人質に反抗されてしまう始末。
3回目は一対一、たまに山猫部隊が援護に入ってしまったがザ・ペインの横槍により決着つかず。
4回目でようやく正当に戦う場を設け、格納庫では見よう見まねのCQCがスネークに通用するはずもなく敗北することになる。
だが、彼は戦うたびに学習し強くなった。
他兵士から見ても卓越した技術がさらに磨かれ、そして遂に伝説の兵士の弟子と渡り合えるまで成長した。
そして今、不安定ながら確実に一対一の対決に持ち込んだ場で5回目の戦いを挑んだ。
互いに素手、というわけにもいかず唯一持っていたSAAでスネークを倒そうとする。
ここで忘れてはならないのが、スネークは既に銃を全て失っているということ。
そして、銃を持っている人間が何らかの理由で戦闘に参加できないのだ。
EVAは脱出機の操縦で手が離せず、ザ・ワイは狸寝入り…………ではなく気絶した状態だ。
スネークも構えてはいるが、早撃ちに関してはオセロットの方がセンスがある。
圧倒的にオセロットが優位に立っている。
だがフェアではない。
『戦士らしく戦いなさい』
オセロットの思考に一つの台詞が突如浮かび上がる。
中には何も入っていない。むしろこれで撃とうしていたことを少し恥ずかしく思ったが、もう一丁持っていた弾倉が空になったSAAを取り出す。
「一発だ」
初めてスネークと対峙した際に
「この二丁のどちらかに一発込めている。そして、シャッフルしてここに置く」
いつものようにガンプレイで回転させ、両方へ回るように動かし続ける。
オセロットの意図を汲んだスネークは構えを解いて向き合う。
ジャグリングをするように、どちらに弾丸が入っているか分からないよう回し続ける。
そして、いくらかの時が経ちオセロットはSAAを床に置く。
後ろでEVAが必死に操縦しているため早々に決着を付けなければならない。
スネークは左の銃を手に取り、オセロットは右の銃を手に取った。
互いに背中を合わせ、そして一歩、また一歩と離れていく。
そして、三歩目…………
振り返ると同時に引き金を引く。
カチカチと空のシリンダーを撃鉄が叩く音が鳴り、着実に、着実に緊張感が高まっていく。
2発、3発、4発、5発、ここまで外すかと言わんばかりの運を使い、最後の1発を放つための撃鉄が上がる。
最後の1発、それはスネークの銃口から放たれた。
銃口から一瞬のみ輝く光を放ちながら銃弾はオセロットの頭部から大きくそれて背後の扉に当たる…………
当たるのだが、オセロットのSAAは本人が意図している部分があるとはいえ妙に跳弾する。
少なくとも所有者の腕がプロより上であるならば狙ったところに当たるように。
しかし、跳弾というのは本来なら意図せず起こってしまう現象であり狙ったところに当たるという保証はない。
金属でできている、凹凸が多い飛行機内で劇物を飛ばせばどうなるか?
ちゅいん、とまずは一回壁へと銃弾が飛ぶ。
ちゅいん、と窓を止める金具に当たりネジが飛びつつ更に銃弾は下の方へ。
下には何もないと思うかもしれないが、一つ転がっているものがある。
気絶したふりをして情報を抜こうとするザ・ワイが。
「んごぉっ!?」
んごぉっ……!んごぉっ…………!
何故か響くような悲鳴が気絶しているはずの者から上がる。
なんかゲームオーバーのBGMが聞こえそうだったが、幸い尻に当たったため軽傷で済んでいる。
だが、その軽傷がザ・ワイを再び起き上がらせる力に変わる。
「ねえ、今の声何!?ザ・ワイが撃たれたの!?ねえ!?」
操縦に必死で後ろを見られないEVAが叫ぶが、まさか被弾者が出るとは思っていなかった(オセロットは被弾覚悟だった)一同が目を見開く。
ゆらり、ゆらりと日本で言う幽鬼のような揺れ方が謎の恐怖を誘う。
「……………………
立ち上がった彼は言った。
「
ゆっくりと振り返る彼にスネークはオセロットに、オセロットはスネークに視線が向けられる。
ちなみに、彼らの立ち位置としてスネークがザ・ワイを背にしておりオセロットが彼の方を常に向いていた形である。
そう、普通に射線から考えて彼に弾丸を当てたのはオセロットしかいないと思うのも無理はない。
確かにオセロットは彼を撃てる位置に居た。それにソ連軍としてそこそこの損害を与えた彼を排除しなければいけないということは明白である。
だが、当の本人は今この場で撃つ理由がない。
スネークの奇跡的な跳弾が当たっただけに過ぎないのだが、痛みと飛行機の故障という極限状態で見当違いの怒りがオセロットに向けられる。
既に手元のSAAは空であると分かっていても銃口を向けてしまう。
だが、一つ大きな揺れと共にバランスを崩すスネークとオセロット。
ザ・ワイだけがその揺れに一切体勢を崩さず、むしろオセロットの方へ襲い掛かる。
接近戦となれば彼が繰り出すのはCQC、揺れが収まった瞬間にしかけ、スネークである程度習得したオセロットも対応しようとした。
だが、スネークとザ・ワイのCQCは似ているようで根本が違う。
スネークのCQCはあくまで相手を拘束、尋問及び気絶のために使用するものである。重い一撃ではあるが死人が出るような戦い方ではない。
それに対してザ・ワイのCQCは殺意がとても高い。人体の急所を破壊し、息の根を止めることを前提とした殺人拳とも言える。
かつて第二次世界大戦では近接戦に持ち込んだ際に相手を捕らえている暇はなく、殺さなければ自分が殺される立場に常にあった。
よって、ザ・ボスやワイのような第二次世界大戦を生き抜いた者達の近接格闘は非常に殺意が高いのだ。
そこから更に発展させたのがザ・ボスがスネークと共に完成させたCQCである。
難易度によってはスネークを2回投げるだけで死亡させる威力を誇るザ・ボスの怪力を含んだ未完成CQCを受け続けてきた男のCQCが重くないわけがない。
今回放たれたのは壁に突き飛ばされるタイプのCQCで、揺れで足元を崩しかけていたオセロットは後方の扉へと叩きつけられる。
幸運だったのはオセロット襲撃時にザ・ワイが飛び出していたことで扉が閉まりきっていなかったこと。
ぶち当たった扉が開くことで壁と接触という最大限にダメージが入る行為が消えて床に受け身を取るという形で殺人的なCQCを回避。
しかし、それで手が緩むようならば彼はこの場に立っていない。
ズンズンと進んでくるザ・ワイに背筋が凍る思いをしながらオセロットは必死に考える。
脱出機の後部、なにか使えるものがあるわけでもない。
だが、扉が勢いを殺したということで一つだけ思いついたことがあった。
「う、うおおおおおっ!」
一か八か、やぶれかぶれに近い行動はザ・ワイの思考に一瞬の影を落とす。
何故突撃してきた?理由は?武装は?CQCか?
構えを取り迎撃態勢に入ったザ・ワイ。
だが、オセロットは最初から戦う気などなかった。
山猫のコードネームに恥じぬ素早い動きでザ・ワイの横を通り抜け、スネークが待つコックピット辺りまで駆ける。
問題、外との接触が多い扉に必ずと言っていいほどついているものは何か?
答えは鍵である。
飛行機内にも鍵は付いており、先ほどぶつかった扉にも鍵がついている。
そして今、後部に居るのはザ・ワイ1人のみ。
つまり…………
がちゃり
「おい、開けろ。閉めるな、開けろ」
冷静な声とは裏腹にドンドンと扉が激しく叩かれドアノブもガチャガチャと動かし続ける。
結構なホラー味を感じたオセロットは扉を押さえ、中から誰も出られないように押し込み続ける。
「
もはや怪異となりつつあるザ・ワイの問いにオセロットは口を開いた。
「お前、名前は?」
扉を背中で押さえながら、スネークに面向かって言った。
ガン無視を決め込むオセロットであった。
畜生いつもそうだ、お前は名シーンをシークレットシアターに変えてしまう。
なのでオマケをもう一つ
~シークレットシアター②~
ダン!ダン!ドゴン!
二発の銃声と一つの爆発音、それと同時に脱出機が傾き機体が揺れる。
「スネークっ!」
轟音が響いている中でもよく通る声が三人の耳に入る。
窓の外を見ると
「オセロット!?」
「まだだっ!」
この期に及んでしぶとく生きて立ち向かってくるオセロットに感嘆するザ・ワイではあるが、彼が何をしようとしているかすぐに察したため即座に扉の方へと走る。
だが、オセロットの方が早かった。扉に体当たり、その勢いで扉が破壊され解放される。
その衝撃で扉を押さえようとしたザ・ワイがひどく弾かれ壁へ叩きつけられ…………
叩きつけられた壁が実は扉であり、何故かその扉が衝撃で開いてしまう。
「ンゴぉぉぉぉぉぉ!?」
勢いのまま飛行機から投げ出されたザ・ワイが湖へと落ちていく。
そのような事情を知らぬと言わんばかりにオセロットはフライングプラットホームから飛行機内へ飛びうつり…………
反対側が空いていると知らず勢いのまま飛び出していった。
「ぐわぁぁぁあぁぁ!?」
そしてオセロットも湖へと消えていった…………
〜テーレッテッテェェェェェン!
スネェクイィタァ……(ねっとり)〜