ワイ、コブラ部隊に入隊できたけど追い出された   作:ワイやて!?

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難産!!!!!!!!!


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 ヴォルギンの最期は、何ともみじめなものだった。

 

 大部分を破壊されたシャゴホッドを動かそうと、雨が降る中で外に出たまではいい。

 

 普通にザ・ワイに狙撃されるわスネークからもグレネードを投げられるわもっと深刻なダメージを負った。

 

 それでもなお諦めず立ちあがろうとしたその時、ヴォルギンの頭上から雷が落ちたのだ。

 

 天からの裁きには流石に屈するのか、落雷が直撃し硬直したヴォルギンの身体が燃え上がる。

 

何故(why)、燃えるんだ…………?」

 

 ザ・ワイの小さな呟きは雨音と炎の音に消えていく。

 

 そして、熱を持ったことによりヴォルギンが身体に巻いていた銃弾たちが破裂していく。

 

何故(why)、この危険性を考えず巻いていた?」

 

 攻撃のために使うと分かってはいても、絶対に銃火器を振り回した方が良い。彼の体格的にも機関銃を二丁持って乱射した方が殺傷力は高いと思う。

 

 実際に銃器無しの銃弾発射を見ていないので、いや見たところで困惑するのは間違いない。

 

 パンパン、パンパン、と雨が降る中で燃えて弾けて倒れる男を見て、ようやく息の根が止まったかと3人は安堵した。

 

 だが、状況はそう簡単に許されない。

 

「ジャック、追手が来る。早々に逃げるべきだ」

 

 謎の空飛ぶ乗り物に乗っているザ・ワイが遠くからきらりとライトをつけて迂回してきたソ連兵を見つけた。

 

 間違いなくこちらへ向かってきており、このまま立っておくわけにはいかない。

 

 彼には目的がある。彼女には目的がある。彼にもやることがある。

 

「このまま湖まで向かうわよ」

 

「何故?」

 

「私達の脱出路があるの、あなたは?」

 

「俺は…………行くところがある」

 

 どこか遠くを見ているザ・ワイに、これ以上かける言葉をEVAは持ち合わせていなかった。

 

「ザ・ボスの事か?」

 

 それでも彼の行くところは察することはできた。

 

「……………………さらばだジャック、生きているならどこかで会おう」

 

 質問の答えには伸びた間で対応し、フライングプラットフォームで飛んでいく。

 

 その先には湖があり、そしてザ・ボスが待っている。

 

 もしかしたら、万が一の可能性がある。

 

『スネーク、急ぐんだ!もし奴がザ・ボスを逃がしたりすれば全員がおしまいだ、いや、核戦争が免れなくなる』

 

 無線からゼロ少佐の声が聞こえる。

 

 スネークだって分かっている、彼はそのようなことはしないことを。

 

 しかし、万が一、億が一にゼロ少佐の言う通りザ・ワイがボスを逃がせば…………

 

「スネーク…………」

 

 無線を聞いていなくとも、自分が考えていることを何となく察したEVAが心配そうに声をかけた。

 

 今更な話だ、ザ・ボスの命を取る覚悟は出来ている。

 

 どのようにしようと、彼は進まなければならないのだ。

 

「行くぞ、EVA。まずは追っ手を振り切ってから考える!」

 

「…………そうね、行きましょう!」

 

 まずはソ連兵を振り切り生き延びることが先決である。

 

 ブルンとアクセルを全開にしたバイクにアサルトライフルを持つスネークに敵はない。

 

 後ろから追いかけてくる敵を、一網打尽にして生き延びるのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「やはり来たのね、ザ・ワイ」

 

 フライングプラットフォームが墜落して、事故ではなく乗り捨てるという意味で墜落したので撃墜ではない、ある花畑のふもとまでやって来た。

 

 真相を知ってなお、彼はザ・ボスの下へ行く。

 

 ザ・ボスの身に今まで何が起こっていたのかを全て知り、逃がされてもなお彼は一つの想いでここまで来た。

 

「ボス…………どうしても任務に殉ずるというんですか」

 

「ええ、そうよ」

 

 ただただ祖国のために自分の命を投げ出す彼女に、あの時は言えなかった言葉をどうしてもここで吐き出さなければならない。

 

 地下通路では唖然として何も問うことができなかった彼は、口を開く。

 

「……………………逃げましょう、確かに貴女の命はもう長くなくともその最期をここで果たすわけにはいかない!」

 

 それはとても純粋な思いだった。

 

 彼は、ただ家族に死んでほしくなかった。

 

 散っていったコブラ部隊の面々だってザ・ボスに死んでほしくないはずだ。

 

 自分で殺しておいて何だが、彼らも生きてボスと共に征きたかったはずだ。

 

 残されたザ・ワイと同じように。

 

「世界大戦だって、上が勝手にやり始めた事です!賢者達だけでなく、それに毒されたCIA、蜜だけを享受する奴ら!貴女の想いを無駄にするような連中は放っておけばいい!俺は、俺は貴女に生きててほしいんだ!」

 

 ただただ生きていてほしい。誰しもが持つ大事な人を想う願いが彼をここまで動かした。

 

 先の戦闘で武器はある程度使用したもののまだ残っている。しかし、彼はその手に武器を持っていない。

 

 戦うつもりがないという意味も込めて、今ここで殺されてもいいという完全なる無抵抗。

 

 それでもなお、とある物を持ちながら立つザ・ボスに向かっていく。

 

「頼む、ボス…………俺は、俺はあんたには死んでほしくないんだよ!」

 

 がっ、と彼はザ・ボスの肩を掴む。

 

 成人男性、それも軍人達を素手で制圧できる体力と腕力を持つ男に揺らされるように掴まれても微動だにしない体幹は、流石は英雄と言うべきか。

 

 普段は質問しかしてこない印象の男が情けなく涙ながらに求めてくる。

 

 大事な家族が、大事な家族だからこそ掴む手を離さなければならない。

 

「ザ・ワイ、お前はコブラ部隊から完全に追放する」

 

 力を込めて掴んでいた肩が少しゆるむ。

 

「私達は戦場で死ぬ、だけどお前は戦場で生を望む。自分も、他人も含めて命を抱えて飛び立っていく」

 

 彼の視線は下を向いていく。ゆっくり、ゆっくりと膝が折れて頭の高さが下がっていく。

 

「巣立ちの時よ。もう、あなたに(わたし)たちは必要ない。蛇は空を飛べないけど、私達は空の飛び方は知っていた」

 

 膝が土につく、肩を掴んでいた手は既に腕を掴む程度にまで落ちており、止められないことを悟っていた。

 

「もう飛び方はわかるでしょう?あなたの居場所はここじゃない。飛び立ち、旅立ち、あなたが求められる場所へ行くのよ」

 

 その手には力はもう籠っていない。

 

 軽く振り払うだけで手は離れ、ザ・ボスは持っていた荷物からある物を取り出す。

 

 戦術核兵器(デイビー・クロケット)、亡命の為に持ち込んだ2発のうちの1つ。一発目はどこぞの馬鹿が撃ち込んだせいでなくなっており、今からこれも使われようとしている。

 

 目標はグロズニィグラード、冷戦を終わらせる悪魔の兵器が沈んだ地を灰にするために使われるのだ。

 

「向こうに脱出機がある、それでジャックが脱出する手筈になっている」

 

 ザ・ボスは事実のみを言う。操縦者としてEVAが来ることは察しの良い彼ならすぐ気づけるはずだ。

 

 だからこそ、彼には生きてもらわなければならない。

 

「あとは任せるわ」

 

 地面に手を突き静かに涙を流すザ・ワイ(息子)を後ろに戦術核兵器(デイビー・クロケット)を撃つ準備をする。

 

 親としてはあまりよくない人選だと自分でもつくづく思っている。

 

 だが、家族がいたという幸福は決して忘れない。

 

 たとえ短い命だとしても望まれたことは決して忘れない。

 

 歴史に埋もれようとも、彼がいたことは自分達の存在証明であるということを決して忘れない。

 

 最期の決着をつけるために、祖国へ忠を尽くすためにザ・ボスは行く。

 

 その背中を追える者は、誰もいなかった。

 





どれだけ美しく別れさせるか死ぬほど悩みました。ザ・ワイは鳥で例えるとどんなのになるかの話がスレで出たので参考にさせてもらいました。マジで感謝。

ザ・ボスを理解しているからこそ止められないというザ・ワイ。死ぬ気で留めたいけど、それをやったら世界が大変なことになるのが予測できるし、生きていける圏内に余命僅かなザ・ボスを連れて他を犠牲にするというのも後で絶対に病むのは間違いないので…………

そこを含めてザ・ボスは彼を正式にコブラ部隊から除隊させて完全に(完全とは言ってない)無関係にする必要があったんですね。

なんもかんもヴォルギンが悪いよヴォルギンが。あと賢者達死すべし慈悲はない、いやもう脳は死んでるので心停止させよっか。

唐突に心当たりありすぎる理由で命を狙われるCIA長官…………!
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