ワイ、コブラ部隊に入隊できたけど追い出された   作:ワイやて!?

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「言え!目的は何だ!」

 

 ドゴッ、ドゴッ、と人が殴るにしてはあまりにも重すぎる音が血まみれの部屋に響き渡る。

 

 スネークはライコフ少佐に変装してソコロフに接触したのはいいものの、タイミング悪くヴォルギン大佐がやってきてしまったのだ。

 

 その時に何故か股間を握られるという謎の行動でライコフではないとバレてしまい殴打を受けるが、CQCを極めているスネークはヴォルギン大佐を転がして逃走を図ろうとした。

 

 だが、そこにザ・ボスまで来てしまった。

 

 未だに心のどこかで抵抗感があったスネークはザ・ボスに倒されてしまい、ヴォルギン大佐の拷問を受けることになる。

 

「シャゴホッドか?賢者の遺産か?」

 

 執拗に拳と電撃を交えてスネークを痛めつけていくが、スネークは決して喋ることは無い。

 

「まさか、残っているコブラ部隊と手を組んでいるのか!?」

 

「ぐあああっ!?」

 

 宙づりになった体を殴られても抵抗はできない。

 

 そもそもザ・ワイについては本当に何も知らないため語ることもなかったりする。

 

「無駄だ、そいつは絶対に口を割らない。そう訓練されている、私が訓練したんだ」

 

 ゆっくりと拷問部屋へ入室したザ・ボス。凄惨な血が飛び散る赤の世界に白い花が咲いたような印象が出来る。

 

 だが、ここが拷問の場であることは変わらない。

 

 既にソコロフの身体は片付けられたが、未だに血の匂いはこびりついたままだ。

 

「それに、そいつはザ・ワイとは関っていない」

 

「ふん、何故(why)、そう言い切れる?」

 

 皮肉げにヴォルギン大佐はあえて英語で問う。

 

 スネークが一人でここまでやってこれる筈がない。スパイがいるのは間違いないと確信していたヴォルギン大佐、既にグラーニンを処理した時点でもはや後戻りはできなくなっていた。

 

 誰がスパイでも処理はする、たとえザ・ボスを疑ってでも。

 

 だが、疑った際にザ・ボスに凄まれてタジタジになるヴォルギン大佐は少々情けなかった。

 

 身の潔白の証明のためにザ・ボスにスネークの眼を抉れというヴォルギン大佐の趣味が入った指示、いくら何でもザ・ボスの弟子を傷つけるべきなのかと言わんばかりの所業だが、事実、やらなければ疑われる。

 

 ゆっくりと取り出したナイフをスネークの眼に近づける。

 

 逃げることができない破滅。しかし、それが訪れる前に基地内にけたたましく警報が鳴り響く。

 

『侵入者発見!侵入者発見!総員、侵入者を排除せよ!』

 

「なんだと?」

 

 ザ・ボスの手が止まる。ヴォルギン大佐がこのタイミングでの侵入者警報を訝しむが、あまりにもタイミングが良すぎた。

 

 しかし、ザ・ボスはここにいる。外部からの連絡は盗聴器がない限り内部を知ることはできない。

 

 ザ・ボスも何らかの合図らしいものを一つも出していないのは誰の眼にも明らかであった。

 

「…………ザ・ワイには私が出る」

 

「逃げるつもりか?」

 

「奴が本気なら警報を鳴らさずにここまで来る。これは私達への挑発だ」

 

「……………………ふん、好きにしろ」

 

 予想外の出来事に水を差されたヴォルギン大佐、確かにここで巡回しているソ連兵程度でコブラ部隊4人のうち2人を倒した相手を捕えられるのか怪しいレベルだ。

 

 下手に一般兵に任せるよりザ・ボスを仕向けた方が都合がいい。

 

 そして捕えて拷問にかける、ザ・ボスに裏切られた気持ちを問いただしながら傷つけたらどのような反応をするのか。

 

 生粋のサディストであるヴォルギン大佐は想像して、最後に見た姿は着ぶくれしたギリースーツだったため絵面が不明瞭なものになったので妄想を振り払った。

 

 ザ・ボスが拷問室から出て行くのを見送った後、近くで待機していた兵士に独房へスネークを運ばせるよう命令する。

 

「口直しだ、タチアナ、来い!」

 

 びくり、とソコロフの愛人だった女が体を震わせながらヴォルギン大佐へついていく。

 

 残ったのは命令された兵士とオセロット少佐。

 

「なるほど…………確かに拷問はどうかと思っていたが、少しわかった気がする」

 

 傷だらけになりながらも何も喋らなかったスネークに感心したように呟き、全身の傷を診て回るように周回する。

 

「…………決着は持ち越しだな」

 

 今のスネークは囚われの身、それも拷問により衰弱している。

 

 そんな相手と戦う気になれなかったオセロット少佐は拷問部屋を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うう…………」

 

「いたた…………」

 

「……………………(気絶している)」

 

 いたるところにソ連兵が転がっている。

 

 全員がどこかしらを怪我しており、銃創、骨折、切創などいくつかに分かれた攻撃方法で地面に寝ころばざるを得なくなっていた。

 

 倒れている兵士たちを踏まないようザ・ボスは前へ進んでいく。

 

「いったいどこに潜んでいる!?」

 

「ぐわああっ!?」

 

「あっちか!」

 

「どこだ!どこに…………あっ」

 

 夜という事もありサーチライトを照らしても死角から急襲してCQCによって投げられた兵士は気絶、再び下手人の姿は消える。

 

 1人、また1人と仲間が倒されていく恐怖に彼らは硬直する。

 

 いつ自分がやられるのか、夜闇に紛れて頭を撃ちぬかれてしまうのか。

 

 相手も銃を使ってはいるが、どこからか手に入れたサイレンサーを使用して場所が分からない。

 

「お前たちは下がっていなさい」

 

 恐怖におびえていた兵士たちの救世主がカツカツとブーツを鳴らして現れる。

 

 第二次世界大戦を生き抜いた生きる伝説、ザ・ボスだ。

 

「負傷者は下がらせ、動けるものは私から10m後ろに離れなさい」

 

 大戦を経験せず、過酷な戦場すら経験していないソ連兵を下がらせ、片手に愛銃である『愛国者(パトリオット)』を持ちながら前へと進んでいく。

 

「出てきなさい、他の者たちには手出しさせないわ」

 

 どこに向けて声をかけているのか全く分からないソ連兵に対して、ザ・ボスは確信をもって声をかけていた。

 

 未だに警告音が響く中、車道をふさがない程度に配置されているコンテナの影から一つのシルエットが浮かび上がる。

 

 音もなくゆっくりとザ・ボスの正面へ堂々と現れる影が、月明かりで露わになる。

 

 緑かつ『ww』と連続した草のような模様が入った迷彩、しかし大量のポケットやポーチがついておりガジェットやアイテム、銃器を所持していると一目で分かる。

 

 重装備でありながら何故この程度も見つけられなかったのかとソ連兵は思ったが、彼もまたザ・ボスの弟子。

 

 どれほど偽装効果がない服装を纏おうが、ジャングルでも見つからないプロ中のプロなのだ。

 

「……………………俺はザ・ワイ、永遠の疑問を求める者」

 

 ざわり、とソ連兵たちがざわめいた。

 

 コブラ部隊には幻の隊員がいる、そのような話がまことしやかにささやかれていたが実在していたのだ。

 

「俺は、あんたを追ってここまで来た。ずっと、疑問に苛まれながら、仲間を、家族を追ってここまで来た」

 

 ややうつ向いたままの顔、目出し帽にゴーグルと素顔は見えないものの幽鬼のような不気味さを出す彼にソ連兵は後ずさる。

 

「とうとうここまで来たか」

 

「ああ、来た。だから教えてくれ、ボス」

 

 彼はゆっくりとザ・ボスの方へ指を差す。

 

 そして、苦しくひねり出すように呟いた。

 

Why(何故)?」

 

 ただそれだけ、しかし数多の意味を込められて呟かれたそれは、ザ・ボスへの最大の問いかけだった。

 

 それに対してザ・ボスは何も答えない。

 

 ただ構えをとるだけである。

 

 そして、それがザ・ワイへの可能な限り出せる答えでもあった。

 

「そうか、ならば」

 

 ザ・ワイも構える。しかし、その手には何も握られていない、ように見える。

 

 これこそがザ・ワイの最も恐るべき特徴。何もないと見せかけて大量の武器や策が張り巡らされた戦いを強いてくる事こそ彼の真骨頂。

 

 いつ銃を向けられるか、爆弾を投げてくるか、それとも普通に素手で戦うか。

 

 少なくとも、簡単に終わるような話ではない。

 

「さあ…………来い!」

 

「ボス…………!」

 

 ザ・ボスの挑発と共に彼は駆けだす。

 

 最期となるかもしれない戦いに、疑問に対する真実を求めて。

 





ワイ「(こんなに人いたらアメリカの任務で亡命したなんて言えないもんなぁ)」

ボス「(ワイが騒いだせいで人が集まって真相を言えない)」

ソ連兵「どうなるんだかの戦い…………(ごくり)」

XOF「目立つな聞くな黙ってくれ頼む頼む頼む」

ゼロ「(密かにXOFの報告を聞いて胃を痛めてる)」

J「なんで冷戦なんだろうな……」

蛇の右目「なんか生き残った」

突然始まるボス戦。彼らの明日はどっちだ。
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