ワイ、コブラ部隊に入隊できたけど追い出された 作:ワイやて!?
「これは…………?」
グラーニンからパンチ式の鍵を渡されたスネークは、研究所を抜けて一つ前にあった広場で疑問を感じた。
『スネーク、どうした?』
「少佐、ここで誰か戦った跡がある」
『何だと?』
通信先は上司であるゼロ少佐。他にもパラメディックやシギントと頼れる
「周囲の木や地面に夥しい数の矢が刺さっている。それだけじゃない、枝には弾痕がある。爆発したような跡も残っている」
『そこは罠の訓練所代わりの場所になっている筈だ。グラーニンに会う前も仕掛けられていた罠は引っかかりそうになってたじゃないか』
「それはっ…………まあ、それはともかく、ここで戦闘があったのは間違いない」
爆発の中心へ周囲を警戒しながらスネークは進んでいく。
「熱はもう無い、だが周囲に付着している
『付着しているもの?…………あっ』
『ザ・ペインも最期は自爆してたもんな。だとすると、ザ・ボスについた方のコブラ部隊の誰かってわけか』
『パラメディック、今は気にするな。爆発が起きるような戦闘があったら外の兵士が気づくはずだ。その様子はあったか?』
「いや、何も起きてないかのように周囲を見渡していた。お陰で行きも帰りも簡単に抜けられた」
軽く言っているが、ザ・ワイという不確定要素満載な人物が理由もなく潜入しているため難易度はEXTREME状態である。
姿すら見られず、不審がられても即麻酔銃で眠らせてきたスネークは優秀な兵士であることは間違いない。
だからこそ、予想もできない不確定要素に
「気づかれずにこのような派手な戦闘を隠せるものか?」
『分からんが、元々ここは訓練場のようなものだ。銃声の一つや二つは聞こえてもおかしくはない』
「死体がぶら下がっているのを訓練と呼べるか分からないがな」
事実、罠に引っかかって吊るされた死体が残っている。
それらも無残に無数の矢が突き刺さっている。一体何か恨みでもあったのだろうか?
『矢を使う奴ってなら、確かコブラ部隊にもいたんじゃなかったか?』
そう無線で疑問に答えるのは黒人であり武器装備、最新テクノロジーの特別にスゴい専門家であるシギントが口を出す。
『確かに、ジャングルでは銃声一発が無駄に響くし、音に驚いて鳥たちが飛び出して場所を知らせてしまうこともある。弓矢、この矢の長さだとボウガンってところか?』
「確かにな。矢の長さは10㎝程度の…………」
『待てスネーク、あまり触らない方が良い。毒がついているかもしれない』
「なんだって?」
『古来から矢に毒を塗るって手はよく使われている。大昔でデカい獣を狩る時に使われてるんだ、人間が下手に触ったらあっという間にお陀仏ってのもある』
『この辺りだと…………イチゴヤドクガエルとかかしら?』
『外部から持ってくるならもっと強力な毒を持ち込むこともあるはずだ。そういうことで、下手に触るなよ』
武器への造詣が強いシギントからの忠告により、スネークは矢に触ることは無かった。
「となると、一体誰が?」
『もしかすると、件の奴かもしれんな』
「…………ザ・ワイか」
『EVAも言っていただろう、コブラ部隊でありながらコブラ部隊と決別した兵士。少なくともザ・ボスに狙撃されているんだ、恨みの1つや2つ持っていてもおかしくはない』
「……………………」
『確か、謎に満ちた隊員って話よね?詳細もまだ何も分かってないんだけど…………』
『まあ、変なやつだってことは何故か共通で認識されているらしい。しかしなんだ、こうまで露出がない奴は不気味でたまらねえぜ』
彼らもラスヴィエットにてEVAからの話を同じく聞いていた。
曰く、正体不明。曰く、衛生兵の成れの果て。曰く、優秀な尋問官。曰く、歩く要塞。曰く、ザ・ボスに質問攻めし過ぎてCQCの練習台になった男。曰く、家族だった者。
他のコブラ部隊よりも謎に満ちた存在ではあるが、彼もまたザ・ボスに捨てられた者でもある。
今のスネークと同じように。
『スネーク、敵の敵は味方と言える。上手く利用すればコブラ部隊と戦い合わせられるかもしれん。状況もうまく使いこなすんだ』
「……………………」
スネークの沈黙を以って通信が切れる。
心のどこかに引っかかりを覚えるが、スネークには任務がある。
最愛の人をこの手で殺す。それでアメリカの潔白は証明され核戦争は回避される。
シンパシーを感じる必要はない、彼もまたザ・ボスを追っているのであれば立ちふさがってくる可能性のほうが高い。
いつどこでコブラ部隊が待ち構えているか分からない。
倉庫にあった開かずの扉をグラーニンから渡された鍵で開錠し、そのままスヴィヤトゴルニの森林を北上、西へと進む。
道中のソ連兵をやり過ごしたり、麻酔銃で眠らせたり、たまに尋問したり、スパーッツァを捕獲したりと順調に道を進んでいた。
そして…………
「蛇よ!聞こえるか!」
「……………………」
スナイパー対決、第一次世界大戦から一世紀を駆け抜け、最後の寿命をこの戦いに費やす老兵と1匹の蛇が狙いあう命の消耗戦。
それを監視する1人の男が居た。
「何故だ、ジ・エンド。この男に1人で、いや、1人と1羽で挑む?あの銃はかつて使用していた改造モシンナガン…………
彼もまたザ・フィアーとの戦いで消耗していたため休憩という意味では身を休められる戦いである。
ジ・エンドも彼の存在に気付いていると思われるが、無視されているような気もする。
昔はよくジ・エンドの介護を率先して行ったものだと懐かしい記憶が脳裏に浮かぶが次々に現れる疑問の洪水に流されていく。
「ジ・エンドが本気ならジャックはもう死んでいるはずだ。既に1発は麻酔弾を撃ち込まれている、取り除いたとしても時間はない。眠った時に仕留める?ジ・エンドにしてはナンセンスだ。いつ訪れるか分からない終わりと称して頭を撃ちぬいていた」
過去の大戦でジ・エンドの活躍を間近で見ていたザ・ワイは明らかにぬぐえない疑問が続く。
「手加減している?何故?殺意が見えない、いや、それはジ・エンドのスナイパーとしての素質だ。だが、殺し合いだぞ?何故、何故、何故…………」
スネークを殺す気が全く見られないジ・エンドは明らかに異常である。
だからと言って認知症を患っているわけではないと経験で感じている。
彼はいたって健康そのものだ。森を駆け抜け、身を潜め、獲物の
「ジ・エンド、何を考えている?これもボスの意思なのか?何故、どうして、このような…………」
ますます真意が分からなくなると同時に嫌な予感だけが増していく。
自分の知らないところで家族が死んでいくのは耐えられない。だが、彼らこそが死を求めているように見えて手を伸ばせない。
「俺は…………何故、求める?」
今ここで仲間を見殺しにしようとしている自分に問う。
彼らの任務の邪魔をするべきなのか、それともそのまま通すべきなのか?
真実を求める疑問は止まれない。
最後の命を燃やすジ・エンドの戦いを止めるのか?
否、止められない。ザ・ワイが介入した程度で止まるような覚悟をする筈がない。
「教えてくれ、ボス…………俺は、
対立するスネークに殺されるというミッションではないかと疑い始めたザ・ワイ。誰の意思なのか、誰からの任務なのだろうか。
取り残された彼は、疑問に嘆くことしかできなかった。
そして、狙撃戦最後の銃声が響いた。
〜最後の銃声が鳴る少し前、川辺にて〜
鰐蛇「…………(匍匐中)」
ワイ「何故川辺で鰐の頭の被り物を!?撃てと言ってるようなものだ!」
終焉「なんだ、ワニか」
ワイ「何故!?どう見ても不自然だろう!?」
実際に川があるマップでこれをやるとジ・エンドがこんな反応するのでメタルギアソリッドデルタを楽しもう。