ワイ、コブラ部隊に入隊できたけど追い出された   作:ワイやて!?

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ワイワイスレで盛り上がって、誰もまだしてないなら書くしかないと思った。


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 コブラ部隊、かつて第二次世界大戦中に連合軍により編成され活躍した隠密特殊部隊である。

 

 彼ら、そして彼女らのコードネームは共通して感情、心情を名乗っており、各々が超特殊な技術を用いて第二次世界大戦を戦い抜いた。

 

 戦争が終わると用がなくなったのか部隊の面々は解散するように離れていき、両手で数えられるほどの人数にのみ限られていった。

 

 無上の歓喜、至高の痛み、至純の恐怖、真実の終焉、無限の憤怒、そして…………

 

 一度は解散した彼らがとある作戦と共に再び集まろうとしていた。

 

 ソ連、トリヴォノドにてとある女性が亡命しようとしていた。

 

 その女性のコードネームは『ザ・ボス』、コブラ部隊を率いていた英雄であった…………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 トリノヴォドノ上空、最後の弟子を橋から叩き落としたザ・ボスとGRU所属のヴォルギン大佐とオセロット少佐がヘリで移動していた。

 

 そのヘリにはザ・ボスが亡命の手土産として持ち込んだ2発の核無反動砲システム(デイビー・クロケット)が積まれており、工作員(スネーク)を排除して状況が安定した今だからこそヴォルギン大佐は嬉々としてそれらが仕舞われている容器の蓋を開けた。

 

 事がうまく進んでいるため上機嫌にそれを持ち上げ、弾頭を装着する。

 

「さっそく、この手土産を使わせてもらおう」

 

 ゆっくりと持ち上げた核無反動砲システム(デイビー・クロケット)、そしてこの発言に銃を手入れしていたオセロット少佐も二度見するほど驚愕する。

 

 ヴォルギン大佐が核無反動砲システム(デイビー・クロケット)を向ける先にはソコロフ設計局がある。

 

 誘拐した科学者ソコロフが監禁されながら兵器を製造させられていた施設、つまり所属は違えどヴォルギン大佐と同じソ連に仕える軍人や科学者がまだ残っている。

 

「大佐?敵対しているとはいえ同志ですよ!?」

 

 オセロット少佐は急ながらもヴォルギン大佐を止めようとするが、自分よりも下である彼の言葉など聞く気は毛頭もない。

 

「私が撃つのではない、これは亡命したアメリカ人、あの女(ザ・ボス)が撃つのだ」

 

「同志に核を使うんですか!?」

 

 あまりにも突飛であり恐ろしい行動を止めようと押さえ込むオセロット少佐を片手で払い、ヴォルギン大佐は悪意に満ちた笑みを浮かべながら核無反動砲システム(デイビー・クロケット)の発射ボタンをーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何故だ…………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ヘリのプロペラ音、エンジン音が響く中で、呻くような声がはっきりと聞こえた。

 

「なんだっ!?」

 

「この声は…………!」

 

「誰だ!」

 

 その声を発したのはヴォルギン大佐達が乗るヘリ内にいる人間ではなかった。

 

 何故か別のヘリに乗っている兵士たちにもその声が聞こえた。

 

 もちろん、ザ・ボスにもその声は聞こえた。

 

 オセロット少佐がヘリ内を見渡してもソコロフ、その愛人、そしてヴォルギン大佐直属のGRU兵士が居るが困惑している様子を見るに誰でもないのは明白であった。

 

 だが、ただ一人だけ声に心当たりがある者がいた。

 

「…………出てきなさい、『ザ・ワイ』!」

 

 ザ・ボスがヘリのドアを開けてヴォルギン大佐が乗るヘリに向け大声でその者のコードネームを呼ぶ。

 

 コブラ部隊の一員かと思ったオセロット少佐だったが一度も聞いた事がない名前であった。

 

 しかし、あのザ・ボスが堂々と呼ぶ名であるのなら実在する筈、そう思い声の先を探して、見つけた。

 

 核無反動砲システム(デイビー・クロケット)を撃つために開けられたドアの下に誰かがぶら下がっているように指が引っ掛けられている。

 

 そして核無反動砲システム(デイビー・クロケット)を構えたままであったヴォルギン大佐の前に飛ぶように現れる。

 

「なっ!?」

 

 核無反動砲システム(デイビー・クロケット)を構えたままでは格闘戦もできない。

 

 突如現れた謎の人物が懐に潜り込み、ヴォルギン大佐を殴打する。

 

 狭いヘリでの戦闘、予想外の事が起こりヴォルギン大佐は核無反動砲システム(デイビー・クロケット)こそ手放さなかったもののよろけて壁にぶつかる。

 

 そのぶつかった振動でヘリが揺れる、しかし謎の人物は揺らがない。

 

「何者だ!」

 

 オセロット少佐が銃を向けたが、その人物は異様な姿であった。

 

 森林に潜り込むためのギリースーツ、そして顔には何種類かを掛け合わせたようなゴーグル。

 

 後にオセロット少佐は知ることになるが、これは赤外線と暗視を兼ねた当時最先端の技術を結集させた特殊なゴーグルである。

 

 無論、この時代(1964年)に存在するかどうか非常に怪しいものであった。

 

 そして何よりも、ヘリに掴まるにしては明らかに着膨れしている。

 

 ギリースーツだけでは説明がつかないほどの膨れ方をした戦闘服を着た異様な兵士に硬直するが、謎の人物は話し始める。

 

「俺は『ザ・ワイ』…………何故(why)、戦争を起こそうとする?何故(why)、このような手段を取る?」

 

 その男、ザ・ワイはオセロット少佐に銃を向けられているにも関わらず体勢を立て直すヴォルギン大佐に向けて問うように話す。

 

「そして、何故(why)、俺を置いていったんだ…………ボス」

 

 ゴーグルで隠れて見えないが、ザ・ワイの視線の先には扉からこちらを見るザ・ボスが映っていた。

 

何故(why)、亡命した?何故(why)、俺を呼ばなかった?分からない…………この世界には、この戦場には…………疑問が延々と湧き続ける。何故(why)、この疑問を止められない?」

 

 独り言のように呟く不気味さ、拳銃の引き金を引こうとオセロット少佐が指をかけた瞬間にザ・ワイが動き出す。

 

 その動きはCQC、ザ・ボスが完成させた近接戦闘術であり、つい先ほどスネークにかけられた技である。

 

 流石に警戒しても避けられるわけではない。

 

 狭いヘリの中で拳銃を引ったくられ後方へバランスを崩すように押し出されたオセロット少佐は部下の兵士が居る方へ倒される。

 

 このままではマズイ、全員不慮の事故という形でヘリ内で暴れるこの男に葬られる。

 

 全員の認識が一致したが、場所が悪すぎる。

 

 狭いヘリ、そして下には 核搭載戦車(シャゴホッド)が吊り下げられている。

 

 下手に他のヘリとの編隊を崩せば 核搭載戦車(シャゴホッド)が他のヘリ諸共落下する可能性がある。

 

 核無反動砲システム(デイビー・クロケット)もある今、下手に暴発させたら全てが御破算、これだけは死守せねばならない。

 

 そして相手はコブラ部隊らしき人間、つまり第二次世界大戦で活躍した超一級の兵士である。

 

 万事休すか、そう思われた時だった。

 

 ダァン、と1発の銃声、ヘリのガラスが割れる音と共にザ・ワイと名乗った男の胸に何かが着弾する。

 

 着弾した衝撃でザ・ワイはよろめき、開いたままの扉まで後退し足を踏み外す。

 

何故(why)…………っ!ボス、ボスーーーーー!」

 

 落下すると共に彼は叫ぶ。

 

 彼の胸に弾丸を打ち込んだのはスナイパーライフルを構えたザ・ボスであった。

 

 ヘリからヘリ越しに狙撃するという超高度な技術を周囲に見せつけた中、ザ・ボスは呟く。

 

「ザ・ワイ、あなたも連れていけない」

 

 その言葉は無感情に、しかしどこか悲しみが含まれた声色でヘリの音にかき消された。

 

「だけど、あなたはこの程度で死なないでしょう」

 

 落下した先で開かれるパラシュートを目にしながらザ・ボスは続ける。

 

「ザ・ワイ、永遠の疑問のコードネームを持つ最後から2番目の弟子。戦場で疑問を持つ兵士は死ぬのだから」

 

 だからこそ用意周到なのだ。

 

 あらゆる状況に対応するために過剰とも言える装備を身に纏い、異様とも言える風貌でありながら戦場で噂すら立たせず生き抜いた男。

 

 その男の真相は同じコブラ部隊しか知ることはない。

 

 その後にヴォルギン大佐に問い詰められる事を確信しながらも、心を殺しながらザ・ボスは生涯最後のミッションへゆく。

 

 その背後には怒りに任せて放たれた核無反動砲システム(デイビー・クロケット)のキノコ雲と共に放たれる光を浴びて。

 





ザ・ワイ、永遠の疑問をコードネームに持つ謎に満ちたコブラ部隊の一員。
戦場では常に問いかけるような独り言を呟きながら任務を遂行していた。
彼が纏う装備はあらゆる状況に対応できるよう大量のガジェットを仕込んでいるため着膨れてしている。
迷彩服を着ているが、ギリースーツ(AT-CAMO)により詳細は不明。
ネイキッド・スネークより年上だがコブラ部隊の中では1番の若手。
詳細は話が増えるごとに追加される、かも?

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