【コラム02】文芸的なロックマンの構成要素を定義する
このコラムは文芸的な意味で『ロックマンを作りたい人』に捧げます。
今回は、本作の企画にあたり、文芸的なロックマンの構成要素を定義する必要があると思った事と、その詳細について述べていきます。
そもそも『ZET REQUIEM』の制作経緯について
にて、ロックマンシリーズのどこに価値があるか反芻した結果、
作品を取り巻く文芸面であると結論づけましたが、その事をより深堀してスタッフにもお伝えするためにまとめたものが以下になります。
■文:Hi-GO!
▼時代性、耐久性のあるテーマ
主に未来を占う上でその時代に適したり、長期間の考察や消費に耐えうるテーマの設定を指します。
サブキャラクターの個性や台詞が際立つのもこれらの土台がしっかりしていることも一因と考えられます。
以下は作品ごとの大枠のテーマをピックアップしたものです。
ご意見、ご反論あるかと思いますが、本作を企画する上でのものとご理解ください。
勧善懲悪……初代
職業倫理×人工知能……X
ディストピア×英雄論……ゼロ
個人×歴史×進化論……ZX
ポストアポカリプスロマン……DASH
ネットワーク社会論……エグゼ
SNS社会論……流星
皆が英雄になれる……Xo
メタ認知構造……XDive
▼サブテーマ
ワクワク&ロマン……ここは全作品該当しやすいと思います。子供向け作品なので心ときめく要素や、何かに対するロマンティシズムを提示するというのは王道的な要素かと思います。大人が魅力を感じるものについて、子供へわかりやすく翻訳していくような形にするとうまくいきやすいかもしれませんね。
エコロジー……初代、X、ゼロ、ZXあたりは顕著ですね。エグゼや流星は要所要所で入ります。DASHはすでに崩壊したものが再生しているので、環境が破壊つくされた先の未来を覗いてみる感じでしょうか。
▼パロディ&オマージュ
時代ごとに成熟したサブカルチャーのパロディやオマージュが随所にちりばめられています。制作者の内輪ノリ的な部分もここで垣間見れますね。
※『アトム』『ガンダム』『ディズニー』など
サブキャラクターの個性はここにも影響されると思います。
▼SF的想像力&哲学
主に機械や技術に寄り添った上で、その性能の限界値を見出だし、時代の変遷を描く傾向があります。人間主体の歴史にならなかったり、次の世代で皮肉的な展開を迎えるのもここが一つの要因といえます。
※人類の絶滅やPETの衰退も上記に該当します。
▼作品の継続性が生み出す物語構造の歪み
これは欠点の指摘になります。主にXシリーズが該当しますが、作品を継続することで前提となるテーマや設定が歪んでいき、物語やキャラクター達を呪いのような状況下に置いてしまう現象の事を指します。
エグゼも3で一旦終わる予定だったのかこの要素が4以降若干見られますが、無事6で完結し、ゼロや流星はこのあたりを踏まえた終わらせるための作風だったと考えられます。(DASHも本来は三部作で終わる構想でしたね)
※個別シリーズ内で同じようなお話はしないようにしたいところですが、様式を重視して繰り返すと予定調和になりがちなのは初代やXのフォーマットが顕著ですね。(X8はそのフォーマットの破壊に立ち向かったように感じます)
▼その他
背景で世界観やシナリオを語る……
初代シリーズからZXまでの2D ACTシリーズは顕著です。
ゲームの背景ビジュアルやオブジェクトなどで時間経過や出来事の因果関係などを描くことが多々あります。ステージ内で完結することもあれば、ステージ間で影響し合うこともあります。
※DASH、エグゼ、流星はRPGなのでそもそも背景でもシナリオを語らないと成立しない部分があるのでここでは取り上げません。
キャラクターの対比で語る……
Xシリーズやゼロシリーズは記号化されていて特に分かりやすいと思います。キャラクターが司っているポジションが明確なため、キャラクターデザインにもそういう部分が反映されやすいといったところでしょうか。
対比で何を語るかというとそれぞれの正義や立場といったものが顕著でしょうか。メカデザインというのは工業的なだけに、技術的な系譜、即ち時間軸もデザインで表現できます。ブルースから始まってロックマンやカットマン、メタルマンやジョー、フォルテなどに枝分かれし、エックスやゼロにその要素が回収されていくわけです。
音楽の演出で語る……
これはほかのゲームなどでもよくあることなのでわかりやすいです。同じメロディーやフレーズをあえて使いまわしたり、それによって対象の関連性をにおわせたりするわけですね。
ゼロ1のようにあえてXシリーズのメロディーを引用する、X5のようにタイトル画面をX1のゼロとのイベントの楽曲にするなどは象徴的で分かりやすいのではないでしょうか。
マップ楽曲での演出はDASH、エグゼ、流星がやはり顕著ですね。どういった場所なのか曲が流れるだけで理解できてしまうことも多いと思います。(関連する勢力や組織など)
▼今回のまとめ
いかがでしたでしょうか?
簡単ではありますが、以上の要素を理解することで、ZET REQUIEMを企画する上で大きな補助線として活用することが可能になりました。様々なロックマンシリーズ自体の企画にも有効だと思います。
ZET REQUIEMに上記の要素を該当させると以下のようになります。
時代性、耐久性のあるテーマ……
『偽物』=同人と、その本質について。
これはゼロシリーズにおいては3でピックアップされたテーマにも近く、『本物』と『偽物』の差異、そして『公式』とは何か?も描きたい。
※テーマの性質的に現代の子供ではなく、『かつての子供だった我々』に向けています。
同時に『ロックマンは文芸作品足り得る』ことを証明したい。
パロディ&オマージュ……
テッカマンブレード、ガンダムシリーズ全般、プリキュアシリーズ、仮面ライダーシリーズ、FFシリーズ、ゼノシリーズ 等
SF的想像力&哲学……
前者はゼロシリーズに準拠するが、ZXまでの時代の歩みも考慮する。独自の技術も出現するが、世界観を破壊しない範囲にとどめる。
哲学的には『偽物』を軸とした『公式』と『本物』との差異、そしてそれら全てが繋がる『作品への愛』とその向き合い方。
作品の継続性が生み出す物語構造の歪み……
そもそもZXの歴史ではゼロは帰還していると受け取れるような描写もある。
今作はゼロ抜きでZXのガーディアンの母体となった組織を描いているが、IFと取れる構造の仕掛けも既に仕込み済み。
背景で世界観やシナリオを語る……
これは挿絵もあるので、順当にシナリオとの整合性や連携を意識します。
キャラクターの対比で語る……
『偽物』がテーマなので、主役含めて誰かの偽物です。
シエルとロゼ、守護騎士はゼロの偽物ですが、心のありようがそれぞれ違います。ウェクトはワイリーの偽物、アルエットもプレリーとなる前提を織り込みつつ、シエルの偽物(代替)のようなイメージで考えています。
音楽の演出で語る……
こちらはノベルスということもあり、現状PV楽曲のみですが、今後にご期待ください。
▼PrejectRCL ZET REQUIEMはノベライズにて展開中!
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