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【コラム01】本作の妖精戦争の解釈

このコラムは文芸的な意味で『ロックマンを作りたい人』に捧げます。

こちらはロックマンゼロとゼクスのミッシングリンクを埋めるファンによる二次創作『PrejectRCL ZET REQUIEM:NOVELIZED』の文芸資料になります。

以下は制作中にチームで共有するためにまとめたテキストに加筆したものです。公式のものを混ぜ合わせたものですが、公式見解ではございません。本項を閲覧する方は情報の取り扱いに注意してください。

■文:Hi-GO!


▼参考文献

  • ロックマンゼロ ゲーム本編テキスト

  • ロックマンゼロ コレクション 公式WEBの年表ページ(現在は消失)

  • ロックマンゼロ オフィシャルコンプリートワークス(主に用語集)

  • ロックマンゼロ リマスタートラックシリーズのブックレット内楽曲解説


▼前置き

まず一通り文献に目を通し、整合性を考えていくと、ある結論に達します。

本編ではほぼ触れられず印象の薄かった『プロジェクトエルピス』こそが、妖精戦争のキーになる要素で、人類によるレプリロイドの支配を受け入れるかどうかが争点で起こってしまったのが妖精戦争なのだと理解できました。以下は時系列で各媒体の要素をまとめ、整合性を取った妖精戦争の出来事をまとめています。

※本編に登場するエルピス(TK31)とは別のものです。後世で彼が自分の名前として引用したものが『プロジェクトエルピス』となります。


▼時系列解説 

『※』は解釈や考察の補足

●ゲーム準拠で受け取ると、妖精戦争前に一旦イレギュラー戦争はマザーエルフの力でほぼ終結していた。

※ゼロはこの前段階で人格とボディを分けて既に封印されている。(X6の封印EDと仮定)

※Σウイルスが原因のイレギュラーはこのあたりでかなり一掃されていると仮定できる。

※マザーエルフ及びサイバーエルフはゼロの思考プログラムを解析してΣウイルスの抗体を開発した流れでシエルの曾祖母が生み出した。(ゼロコレ年表より)

※本作では妖精戦争はイレギュラー戦争の最後の4年を指す解釈を採用。

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●しかし、戦火は止むこと無く、サイバーエルフを悪用した争いへと移行する。(妖精戦争時代へ)

※ウイルス起因ではないイレギュラー、もしくは判定を受けた者が一気に増加したと仮定。

↓↓↓

●前世紀の事を踏まえてか、ドクターバイルら人間政府からレプリロイドの完全支配計画『プロジェクトエルピス』が提唱され、イレギュラーの完全撲滅と戦争の再発防止が検討される。

※これは再びロボットを人間が支配することを意味し、人とレプリロイドの歩んだ歴史を退行させかねない出来事。

↓↓↓

●プロジェクトエルピスを巡り、バイル達人間による『支配派』と、エックス達『共存派』で対立する。

※共生派が多いとのこと。

※おそらくこのあたりのタイミングでマザーエルフがバイルに盗まれてダークエルフに改造される。

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●バイルがダークエルフと封印中のゼロのオリジナルボディ(オメガ)を拘束具を兼ねたアーマーに搭載し、戦争に投入する形でプロジェクトエルピスを強行。しかし、イレギュラー同士を制御して殺し合わせたことで大損害を与えてしまい、エックスとコピーボディで目覚めたゼロにイレギュラー制御の司令塔であるオメガが破壊されることで戦争は終結。

※このタイミングでゼロの人格がコピーボディに移されていた事を考えると、ゼロのコピーボディはバイルやシエルの曾祖母に作られた可能性も視野に入れられます。(人格だけ抜き取られて保管され、コピーボディは更に別の人物が開発した可能性もあります)

※一度目の封印時からボディと人格データは別々の研究対象だったとする記述もあるので、ひとまず事実として『コピーボディで妖精戦争時代に一度復活した』とします。

※人格データをなぜ隔離したのかは諸説ありますが、欲しいのはゼロのボディの性能(主にウイルス耐性や抗体)であって人格が邪魔だったのではないかと推察されます。

※上記の補足でゼロに近しい人物がいた場合、善意やお情けで人格を隔離して復活できる状態にされていたとも考えられます。(X6のEDの謎の科学者など) 

※ゼロのオリジナルボディの必要性についてはリマスタートラックのブックレットからΣウイルスへの抗体がダークエルフの制御に必要だったためであるとされています。

※ダークエルフの元となるマザーエルフはΣウイルスのコピーがベースであるため、ゼロにとってはΣウイルスが効かないのと同様にダークエルフに意思を乗っ取られてしまうことがない。逆に、通常のレプリロイドであるエルピスがダークエルフを使った際は、最終的に自我を失って暴走した。

※オメガのアーマーはボディに残った狂暴な人格と高出力のパワーを抑えるための拘束具としての側面もあり、かつ、オメガ(ゼロ)の正体を隠す意味合いもあった可能性があります。

※本編の描写などから妖精戦争末期について、Σウイルス型のイレギュラー対策として、感染したイレギュラー同士をオメガとダークエルフの能力で制御して相討ちにしていたと認識しています。

※ダークエルフの能力はΣウイルスと同系統のプログラムを感染させ命令で意識を上書きさせているようなものと推察されます。更に3のレジスタンス達のようにダークエルフの支配下に置かれていれば逆にΣウイルスの感染は防げるものと思えます。(既に感染している判定になりそう)故にダークエルフによる支配は未感染者にとってもウイルス対策にもなりえると仮定できます。

※しかし、本考察ではプロジェクトエルピスの要素を反映させ、人間とレプリロイドの間に派閥ができていた事を考えるとバイルの強行とはいえ、どさくさに紛れて人間政府が不要と判断したレプリロイドを処分していた可能性が浮上しました。(あくまで可能性です。大虐殺の犠牲になった中にはそういう存在がいてもおかしくないということです)

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●バイルは戦犯として流刑、ゼロは自らの存在に責任を感じて封印を志願。

※ここのゼロの封印の理由が本人の志願に至る過程を考え、戦後の民意を受けたものと解釈しました。(前提として、一度ウイルスからの隔離のために封印されているので自らは呪われた存在という自覚が強そうです)

※民意の解釈として、ゼロのオリジナルボディ(オメガ)をバイルが利用した結果、戦争は終わったものの人間の6割、レプリロイドの9割が犠牲になったので、ゼロという存在とそれにまつわる技術を後世に残すことが人間へ筋を通す意味でも難しくなったのではないかなと思われます。

※もちろん、ゼロ(コピーボディ)がオメガを倒したことは戦争当時は周知されていたとは思いますが、世界の人々から見たらそれはやって当然での責任を果たしたという認識なのかなと。(身から出た錆のように思われていそう)

※そして某枢軸国のような形でゼロの存在は記号的なトラウマとして世間からも認知されたと思います。ハンターサイド(主にエックス周り)からは終戦の功労者ですが、民間サイドからは戦争が悪化した原因(人格よりボディの性能を危険視)として見られた結果、破棄とまではいかないまでも封印と関連情報の抹消という形に落ち着いたのかなと考えられます。(旧日本軍の兵器や書類のように)


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参考までに過去に自分で作った年表です。
オフィシャルコンプリートワークスのものににいくつか追加しています。

▼今回の結論

改めてプロジェクトエルピスを踏まえて年表を構築すると『人類政府VSレプリロイド』の構図が妖精戦争の勃発から終戦までの間に浮かび上がってきます。  

サイバーエルフの大量投入という側面がクローズアップされがちですが、実態としてはその背後にある人間とレプリロイドの力関係の方が重要で、政府(バイル)とエックスの二項対立化していったのだと読み取ることができます。 

※ここからは結論を踏まえてのドクターバイルについての考察です。

ゼロ本編ではバイルの人間への恨みが『追放された』という要素のみで根幹が解り辛かったですが、政府側の尖兵としてレプリロイドの完全支配を実行したにも関わらず、結果としてエックスとゼロに敗北したことで、全責任を押し付けられる形になった事が大きなファクターを占めていると考えられます。

そしてプロジェクトエルピスを推進した政府の人達も、自分達の旗色が悪くなると、こぞって手の平を返したのでしょう。世界中に物理的な被害をもたらした実行犯であるバイルとオメガに責任を追及する流れは卑怯ではあるものの、自然なものといえます。

そもそもバイルの暴走を促したのも政府側であるのにも関わらず、保身のためか仮想敵であるエックスと彼が築いた新政府『ネオ・アルカディア』に同調し参画していったであろうことを考えると、突然梯子を外され一人死ねない体に改造されて、宇宙に放逐されたバイルの恨みは妥当なものといえます。

また、そのきっかけを作ったエックスとゼロもまた、レプリロイドを恨む要因としては妥当で、自らの目的を阻むだけでなく、自分の仲間ごと新政府へ懐柔していった憎き存在と認識されるのは仕方のないことでしょう。

以上を踏まえてもバイルは彼なりに人類のために戦った事は間違いないと思います。そのやり方や考え方が行き過ぎていた事が戦犯扱いされた最たる要因ですが、それを助長した政府側の人間にお咎めが無いことは許せない事でしょう。(もちろん全く処分がなかったとも思いませんが)

また、大局的にはイレギュラー戦争以降の時代はレプリロイドが原因となって起こった惨劇の連続です。人間達からしたらはた迷惑なだけの状況なのです。人間であり、科学者であるバイルにとってもレプリロイドを台頭させたことが社会秩序が乱れた原因であり、管理や統制が必要だと思うのも仕方がありません。

たった一人に責任を押し付け、その事実すら歴史の彼方へ忘れ去ったことがネオ・アルカディア崩壊の最大の要因でしょう。

※これは完全なる妄想ですが、バイルの人格のデータ化と、ボディの機械化を行った人物が仮にシエルの曾祖母であったとしたら我々の企画的には因果な皮肉となってしまいます。かつて祖先が行った所業をヒントにその末裔が人とレプリロイドの垣根を越えるために自らも機械化していき、やがてそれがZX時代では社会に浸透する訳です。

※シエルの曾祖母はサイバーエルフ研究に長けていたので、『人間の人格データの抽出=魂のエルフ化』を実現させた可能性もあります。

※この妄想をカットしても、かつての刑罰のために使用された技術が、未来では格差を無くすための措置として社会に浸透する事を考えると、やはり因果な皮肉といえます。


▼PrejectRCL ZET REQUIEMはノベライズにて展開中!

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