PrejectRCL ZET REQUIEM:NOVELIZED 06-堕ちる修羅 小説本文パート
PROJECT RCL ZET REQUIEM:NOVELIZED
第6章:堕ちる修羅
●文:Hi-GO!
●執筆補佐:ゾンリー/らいおね/のばでぃ
●挿絵:Hi-GO!/補欠/ててん/トナミカンジ/のばでぃ/メカクリア
●スペシャルサンクス:DENIGHT/みこのとり(ぷれは)
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※冊子版限定で『キャラクターデザイン資料』や『用語解説』
『ゲストイラスト』等のコンテンツが付属します。
※第1章~5章は以下になります。先にお読み頂く事を推奨いたします。
◆2025/08/09……あとがきコーナーにハザード・シエルの解説を追加
◆2025/08/10……ハザード解説に追記を追加
キャラクター紹介
▼シエル
▼ブロッサム・シエル
▼オメガ・シエル
▼ハザード・シエル
▼アルエット
▼パッシィ
▼ペロケ
▼イロンデル
▼ジョーヌ
▼ロゼ
▼グレイシア
▼ウェクト
▼リバース・ナイツ
▼ベラーガ
▼ゼットルーパー
▼ゼットール
▼ネージュ
▼ラファール
▼ダイン
▼グレイシス
!ご注意!
こちらは
【PROJECT RCL ZET REQUIEM:NOVELIZED 06-堕ちる修羅】
の小説本文パートのみの記事になります。
『キャラクターデザイン資料』や『用語解説』『ゲストイラスト』等は冊子版のみのコンテンツとなりますのでご了承お願いいたします。
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【人物相関図】
FILE:Ⅰ
ヴァルハラのSWブロックに到着したシエルは、潜入時からオペレーターを引き受けてくれたグレイシスが搭乗しているエリア・ヘーニルの飛空艇『スキッド』にて、補給を受けていた。
「グレイシス、ここまでオペレートありがとう。いつも助けられているわ……これからもよろしくね」
「いえ、平和を望む立場としては当然です。むしろ、最低限のサポートしかできず、申し訳ございません」
「それにしても、あの大型レプリロイドは一体誰が送り込んだものだったのかしら……」
「おそらく転送経路からして、ネオ・アルカディアの残党の仕業であることは間違いありません」
「やはりそうなのね、となると今後が気になるわ……」
「ただし、あれは非常時を想定した反撃用のシステムと推察されますので、これ以上の追撃は無いものと思われます」
「それを聞いて安心したわ。アレが何度も送り込まれてきたら正直持ちそうに無いでしょうからね……」
そう言いながらシエルは乱戦の中で目覚めた漆黒の新たなる姿について思いを馳せていた。
(あの力は……危険すぎる。制御する術が無いわ。このまま発動が続くようなら戦いに支障が出ることは否めない……)
同時に、彼女はあの力が今後の戦いにおいて、切り札になり得る事も理解していた。少なくともリバース・ナイツ達との『ゲーム』においては圧倒的なアドバンテージを誇るだろう。それだけに過剰な力による破壊や殺戮をシエルは本能的に畏れていた。
「シエルさん、例の黒い姿について、ある程度解析もできました」
先述の理由から船内に入ったタイミングでグレイシスにボディの解析を依頼していたが、ようやく結果が出たようだ。
「件の黒い姿ですが、その危険性から『ハザード』と名付けさせて頂きました」
「文字通り『危険な状態』ということね……私自身、ほぼ意識が無かったから具体的に何が起きたのかはログでしか理解していないの。破壊衝動に支配されてグリオサには酷いことをしてしまったし、肝心な所で敵を逃してしまって後悔ばかりだわ……」
「そう、ですね……この形態は非常に扱いが難しいです。現状、システマ・オメガを稼働限界まで行使したことがトリガーとなって発現したイレギュラーな状態とは思いますが、オメガの……つまるところ、『紅き英雄』――破壊神としての境地へと、システムが強制移行したものではないかと推測します」
「ログによるとサイバー・ビジョンの回数も消費されているみたい。恐らくビジョンの強制または連続発動により、常に予測される未来の中から『最適解』を選び続けて敵を殲滅する、その極致のような仕組みになっているのね……」
「移行中は『勝てる未来』を選んで戦い続ける状態……確かに『紅き英雄』や『伝説の破壊神』の再現としてはこの上ないです」
「では次に『システマ・オメガ』と『サイバー・ビジョン』についての報告です」
「まず『システマ・オメガ』ですが、これは前述のとおり『紅き英雄』の戦闘能力を模した機能です。戦闘中に新たな機能も発現しており、英雄の力を一時的に再現できていると見ていいでしょう」
「オメガは緊急時用に開発していたけれど、実戦使用は今回が初めてなのよね。私にとっても未知の部分が多いわ……」
「つまり、今の戦闘が実質的な実証実験ですね。危うさはあるものの、敵にとって未知の要素がこちらに有利に働いています」
「怪我の功名ね。『サイバー・ビジョン』も敵に感知されていないからウェクトも私の変化には戸惑ったはずよ。リバースメタル開発の折、彼はプランの提示のみで、実装は私が担当していたから」
「ただし、オメガには稼働限界と再発動にインターバルがあります。ログを確認すると、演算・駆動系ともに限界に近い負荷です」
「敵の殲滅に特化した機能だから、使用者の負担は無視される仕様よ。私の判断で制限を設けたけど、実際は無視できるわ。そのせいで前回の戦闘では限界を超えたけどね……」
「かなり危険な手段です……が、現状我々の戦力でモデルBは突出しており、オメガを発動していないとはいえ、ロゼに一度敗北したとなると、状況は切迫しているのは確かですね」
「ありがとう。理解してもらえて嬉しいわ。私は陽動とはいえ、絶対に負けられないから……」
グレイシスの指摘どおり、モデルBは戦力的に作戦の要であり、実戦の中で性能も向上している。順調にいけば、ロゼとの決戦時には互角に近づける可能性もあるが、それは彼が本気を出していなかった場合の話であり、さらなる進化が求められているのが実情だ。
「次に『サイバー・ビジョン』についてですが、『システマ・オメガ』発動時に演算回路がサイバー空間と接続されたことで発現したと考えられます」
「ということは、私の機械のボディと、ガーディアンベースに保管されている生体ボディは連動していることから、サイバー空間を含めて3つの演算コアが稼働している状態になるわね」
「はい。オメガの対象殲滅のための高速演算能力が最大化された瞬間、3つのコアを介し、サイバー空間内の無尽蔵なデータの中から高確率で発生する未来を瞬時に演算したのでしょう」
「なるほど……システム自体がそれを機能と認識して、制御下に置いたのかもしれないわね」
「ただ、発動には制限があるようです。高負荷ゆえに、全9回で残りは7回。前述のとおりハザードへの変化時にも消費されます」
「そう……回数が存在するのは私も後で気づいたわ。システム側でリミッターが働いているのね」
現在は時間も設備もなく、残念ながら回数制限自体の回復は不可能だ。全9回という枷を背負ったままミッションを遂行することになる。すでに2回を消費済みで、以後の使用には細心の注意が必要だ。しかし、騎士クラスを相手に制限するのは難しいだろう。
◆SCENE2
いくつか話を終えると、シエルはグレイシスの過去が気になった。
人間でありながらネオ・アルカディアでどう過ごしていたのか気になっていたが、それ以上に、彼女に瓜二つで名も似た『グレイシア』について何か知っているのではと疑問を抱いていたからだ。
「そういえばグレイシス、今回のミッションでいきなり一緒になったけど、あなたの事も教えてもらえる? この戦いが終わっても、私達は一緒に世界を再生していく仲間でしょう?」
勝つ前提で話していることに面食らってしまったグレイシスだが、それが緊張を解きほぐしたのか少し柔らかな表情で話し始めた。
「かつて私は、ネオ・アルカディアにて、人間の身ではありますが、審官様に仕える立場でした。そこには生き別れた姉もいて、2人でお役目を果たしておりました」
「法を守る立場として、書類業務や手続きを任されることが多く、いわば雑用に近い役割でした。ただ、民主制の名残で、レプリロイドへの断罪について意見を述べる機会もありました。『あのお方』の意思で不当な処罰が増える様を見過ごせなかったのです……」
「私が物心ついた頃には、ネオ・アルカディアは既に深刻なエネルギー問題を抱えていたわ。『彼』の非道なやり方は否定できないけれど、選べる手段も限られていたのよね……」
「当時の審官の中でもケルベリアン様は審官長として公正公平を尊び、私たちの意見にも耳を傾けて下さいました。姉は私よりも率直に意見を述べる性格で、審議に影響したこともあったと思います」
「しかし、『紅き英雄』の復活と共に、『蒼き英雄』が討たれ、統治機構は崩れ始めました。国家元首の不在は高官に知れ渡り、大衆に悟られずに治安を維持する事が私たちの課題となりました」
「幸いにも人々は『蒼き英雄』の不在に気付かず『賢将』様が代理を務めることで体制は持ち直しましたが、それも長くは続きません。『蒼き英雄』がドクター・バイルを伴って帰還したのです」
「その日から統治機構は再び乱れました。審官様達もバイルによって戦闘用レプリロイドに改造され、その結果、通常ではあり得ない判決を次々下すようになり、法の執行は完全に独断専行……かつての志は完全に失われました」
「ダークエルフを捕獲するためだけに居住区にオメガを搭載したミサイルが落とされる事件もあったわね……いつ誰がバイルの被害に遭うかわからない恐怖が支配していたわ……」
「ええ……あの事件を契機に、姉と審官様達との間で法の在り方を巡る対立が増えました。どれだけ訴えても、最後には権力や暴力をちらつかせて刑を執行していましたが……もう、かつての楽園は人間にとっても安全な場所ではなくなっていましたね」
「そして、『蒼き英雄』が再び討たれ、バイルが統治を始めたことで、ネオ・アルカディアは地獄に変貌しました。人もレプリロイドも、いつイレギュラーとして処分されるかわからない……でも、それを許したのは私たち人間であり、現実を認識することを止めたツケを今、払わされているのです……」
「バイル政権が続くと、人間の中にも都市部を離脱する者が出始めますが、見つかれば即処刑です。だからこそ、秘密裏に長い時間をかけて準備するしかありませんでした。中にはジャーナリストの方々が手引きしてくれたお陰で外界へたどり着いた例もあります。私と姉も危険を感じ、水面下で脱出計画を進めていました」
「ネージュやモンターニュの事ね……バイルを快く思わない人間とレプリロイドが密かに手を取り合ってくれたお陰でエリア・ゼロや他の地域にも開拓の兆しが見えたのは幸いだったけど……あの頃は私達も外界に逃げる人達を助けながら各地を転々としていたわ」
「ええ、レジスタンスの噂も聞いていました。当初はテロリストと
ばかり……後に『紅き英雄』達が信じる正義や人間の為の行動と知り猛省した次第です。そして、私と姉も脱出を試みましたが、運悪くあの衛星砲台『ラグナロク』の攻撃が首都に行われ……」
「……ごめんなさい。あの時、ラグナロクの異変には気づいていたのに、阻止できなかったわ……。それで、お姉さんは……?」
「はい、建物が崩落し、私はたまたま側にいたダインに救われましたが、姉の方は完全に行方知れずで……私はそのまま彼とエリア・ヘーニルまで行動を共にし、今に至ります。その後何度か姉を探したのですが依然として手掛かりもなく……」
「通信網も分断されていたものね。インフラも整わない中で行方不明者を見つけるのは至難の業よ……私が飛空艇の開発に着手したのは物資の運搬以外にも空から人や集落を探す目的のためで……」
そこで沈黙が訪れる。一拍置いて、グレイシスが口を開く。
「……そろそろご出立の頃合いでしょうか? 話は戻りますが、最後に『ハザード』についてはひとつ懸念点があります」
「ええ、何かしら?」
「そもそもリバースメタルの時点での話ですが、現在制御プログラムとしてのサイバーエルフが不在の状態です。くれぐれも使用については慎重になさって下さい」
「ありがとう。最善を期したいところだけど、保証はできないわ。敵も本腰を入れて挑んで来るでしょうから限界以上の力を求められる機会は増えるはず。切り札にはしたくないけれど……」
「それも承知の上です。ご自愛下さいね」
「いいのよ。それじゃ、引き続きナビゲートをお願い」
「わかりました。このエリアのロックを解除します。ご武運を」
一通り話し終わるとシエルは手を軽く振りながらグレイシスに別れを告げ、飛空艇を降りるとWブロックへと歩みを進めた。
◆SCENE3
扉をくぐると既に彼は異様な殺気を放ち、そこに立っていた。
『ベラーガ・ザ・ナックラー』……二つ名は『剛拳騎』だ。
彼はよく見ると全身に傷のようなラインが刻まれていた。元からなのか、戦いの中で蓄積されたのか定かではないが、ただならぬ気配はこうした戦場の痕跡からも窺えた。
「ベラーガ……まさかいきなりゲームを始める気……?」
「いや……悪いが屋上までご足労願おう」
そう言い残すと彼はWブロック屋上のデッキまでの道を壁を蹴って跳躍しながら駆け抜けていった。シエルもすかさず追いかけると、デッキのゲートを開けた先の夜空の下、月明かりに照らされたベラーガが待ち構えており、不気味な雰囲気を醸し出していた。
「手間を掛けさせたな……」
彼の体は怒りのせいか震えている。それはまるで体の奥にまで力を巡らせるような出で立ちで、その気迫にシエルが圧倒されていると、同時に大きな音がした。なんとブロックがビームの羽を広げて飛空艇へと変形し、ヴァルハラ本体から切り離されているのだ。
「こ、これはどういうこと……?」
「これは果たし合い……誰にも邪魔はさせない。例え、我が主であってもだ。それは承知頂きたい」
「とりあえずは理解したわ……」
下には真っ暗な海が広がっている。落ちたら無事では済まないだろう。シエルはじりじりと焦りを覚えていく。
「そもそもは小生の至ら無さが仲間への犠牲を招いた……故に自らへの怒りが抑えられないのだ」
「それは……グリオサの事かしら……? なら、私からも謝るわ。突然目覚めた力の制御が出来なかったのは私の至ら無さからよ」
「それも承知している……しかし、己へのけじめとしてこの場は果たし合いに付き合って頂く……」
月明かりと僅かな航空灯しか明かりが無い暗闇の中でも判る彼の鋭い眼差しに見つめられ、彼女は思わずたじろいでしまう。
「そう……わかったわ。手短に済ませましょう」
「フッ……手短とは小生も見くびられたものだ……だが! 自らへの怒りが力となる! 剛拳騎、参る……!!」
彼は名乗りを上げると、両手でそれぞれビームを拳に展開したカイザーナックルを構える。『救世の武具』ではいくつか存在する2対の武器で、シエルもこの目で見るのは初めてだ。
「望むところよ。もう、私も手加減は出来そうにないから……」
その言葉が合図となり双方動き出す。初撃はベラーガからだった。
「雷ィ迅拳ッ!!」
闇をつんざく高速移動からの雷を纏った拳撃だ。シエルは緊急加速でギリギリ回避するも、拳圧で甲板の一部が吹き飛ぶ。
「この威力……本当に拳から繰り出されたの……?」
すかさずベラーガはかわされた反動を利用して次の一撃に繋げる。
「葉ゥ断突ッ!」
その場で鋭い突きのような拳撃がシエルを襲う。加速終わりを狙われたのでセイバーを構えて防御する。しかし、武器越しに拳圧が届き体が吹き飛ばされてしまい、デッキから落ちる恐怖も覚える。
(今のは……まるでオーバードライブのような力場の形成……どういう事かしら……)
<シエルさん、戦闘中失礼いたします。解析の結果、その騎士はオーバードライブを瞬間的に部位限定で発動させているようです>
グレイシスからの通信だ。確かに攻撃の際、腕に刻まれたラインが発光していた。オーバードライブを発動させることなく、瞬間的に解放することで、一撃の威力を最大に高めているのは想定外だ。
「グレイシス、ありがとう。気を付けるわ……!」
ただ、その理屈でいけば連撃は難しいだろう。力の発動は連続ではなく、一定の間隔は必要だから『一撃』という縛りはあるはずだ。
「なら、距離を取って対処するだけよ!」
シエルはトリプルロッドで跳躍すると、空中でシールドブーメランを投擲しつつ、チェーンロッドをしならせ、ベラーガに連撃を仕掛ける。武器のリーチも速度も相まって有利な状況だ。
「その武器はッ! 我が同胞のものだッ! 軽々しく扱うなッ……!」
ベラーガはブーメランをナックルで吹き飛ばし、チェーンの攻撃をガードしながら加速を止めない。シエルは先ほどの攻撃かと思い、チェーンロッドを真横に振るもそこに彼の姿は無かった。なんと、シエルの真下に滑り込み屈んでいたのだ。
「昇龍ゥ拳ッ!!」
頭部へのダメージでシエルの意識は一瞬吹き飛んでいた。咄嗟にガードしたものの突き破られて今は宙に浮いている。しかし、一緒に跳躍したベラーガの攻勢は止まらず、更なる技を繰り出した。
「旋風ゥ脚ッ!」
空中で旋回しながらの攻撃だ。しかも、連続で攻撃が当たるものの、技としては一撃で、回転することで複数回のダメージに昇華している。そして、水平に吹き飛ばされると更なる驚きが舞い込む。
「飛ィ燕脚ゥ!」
あろうことか、彼は空中で加速を行った。伝説のハンターや一部のハンターが過去に用いていたといわれる『エアダッシュ』に相当するのだろうが、目の前で見たのは初めてだ。シエルはたちまち距離を詰められ、ベラーガは更なる攻撃に移行する。
「焔降ゥ脚ッ!!」
炎を纏った飛び蹴りだ。シエルは防御するも、斜めに勢いをつけて地上に落下していくのは止められない。そのまま地面に叩きつけられ、彼女は大ダメージを負ってしまった。デッキの表面はひび割れ、周囲に炎も残り続け、その威力の高さを物語っている。
「ぁがッ……」
人体なら吐血している状態だが、機械の体はダメージだけを正確に認識させる。シエルは機械化してから初めてであろう激痛に見舞われていた。腕を切断された時とは違い、内部から来る痛みだ。
「つまらんな……この程度では終わらせん……」
すると、切り離されたWブロックは展開しているビームの羽が消え、落下を始めた。なんとデスマッチに持ち込む気のようだ。
「待って……このままじゃどちらが勝っても海上に激突するわ」
満身創痍になりながらもシエルは横たわった状態で話しかける。ベラーガの自らの命も軽々しく差し出すような、戦いに懸ける異常性に気付いたのだった。
「構わん。それで犬死にするようならそれまでの事……」
「運まで天秤にかけようって言うの……」
ここから先、戦いは熾烈なものになるだろう。気を抜けばすぐに海面へ落ちてしまうし、時間が経っても同じ事。更にベラーガは攻防バランスが取れていて、突破口も今のところ見出せていない。
「ゼニムのように何かを羨み続けるよりマシだッ……!」
「自分を責めるだけじゃ……視野が狭いままよ……!」
右の片膝で立ち上がりながらもベラーガに言葉を掛け、左腕を地面に突き立てながら左足を伸ばすとシエルは叫んだ。
「システマ・オメガ、スタンバイ……!」
◆SCENE4
ロゼが危機を知らせてきたのは少し前の事だった。
詳しくは話してくれなかったが、このヴァルハラの安全を脅かすような事態に陥ってることはすぐに理解できた。そして彼は絶対にこの部屋を出ないよう、念を押してきた。
だが……アルエットは今、当然のようにソファーにもたれ掛かり、エネルギードリンク片手にくつろいでいた。今までこんな風にゆっくりする機会は殆んど無かったのだから、レプリロイドといえどもボディやソフトウェアの休息は必要だ。
〈ねぇ、流石にちょっとくつろぎすぎじゃない……〉
「まぁまぁ、他にやることないんだし~。それに、折角飲み物まで用意してくれたんだよ? 今時とっても貴重なんだから!」
〈だからといって、飲み過ぎでは……〉
「そろそろパッシィの体も返してほしいよね~。あのぬいぐるみはシエルおねえちゃんがくれたものだから雑に扱って欲しくないの」
〈って、私のためじゃないんかい……〉
「あ、ごめん。もちろんパッシィのためでもあるんだよ。あの体がないと触れ合えないからね!」
「ふむ、どうやらお気に召してくれたようでなによりだ」
唐突にロゼの声が部屋に響く。
「うわっ! また気配消してるしー!」
いきなりの登場に思わずエネルギードリンクを落としかけるアルエットだが、ロゼは何事でも無いようにそれを空中でキャッチすると、そっと彼女の手元に戻した。
「あ、ありがと……う、ございます……」
「かしこまる必要はない。捕虜とはいえ君たちは客人だ。とりあえず報告がある。ヴァルハラの危機は去った。シエル嬢が私の部下や彼女の仲間と手を取り尽力してくれた」
「えっ! 協力したの? さっきまで敵同士だったのに?」
「利害とはそういうものだ。それに、我々を動かしているのは義だ。それが交われば共闘など造作もない」
〈アルエット、要するに私達も彼らも世界の秩序を担うのが目的だから、それを脅かす存在がいればいがみ合う必要はないのよ〉
「そういうことだ。お陰でエリア・ゼロも守られた」
「それは一応……お礼を言っておきます!」
「当然のことだ。私とて民が苦しむ姿を見たいわけではない……ただ、考え方や方法に違いがあるだけだ」
「そーゆーものなの? なら、正しいやり方ってあるの?」
「フッ……それが判れば私も苦労しないさ……」
思わず笑みが溢れたロゼに少し驚く二人だった。
「それより、預かりものを返してほしいそうだな? すまない、検査した後放置していた。後で届けるよう手配する」
「そう、そうなんです。あれはシエルはおねえちゃんが私のために作ってくれた大事なものだから……」
「悪いことをしたな……しかし彼女がそんなことを。やはり戦いなど性に合わないのだろう。優しい人だ」
「わかってたんだ……それでもやっぱり戦うんですか……?」
「こればっかりは避けられん。私も結局は機械だ。生み出された目的や、望まれた役目からは逸脱できん」
「私、あなたにも負けてほしくないです」
〈ちょっとアルエット! 何言ってるのよ!?〉
「死んでほしくないってこと。シエルおねえちゃんも同じだよ?」
「…………私とも手を取り合えると?」
「そうでしょ。私には『ギ』も『リガイ』っていうのもないし」
〈あんたねぇ、それにしたって先に攻撃されて拐われてるのよ?〉
「まあ、そうなんだけど……この人に直接何かされた訳でもないし……シエルおねえちゃんを傷付けたのは許せないけどね」
「君は先入観や偏見に捉われずにものを見る目を持っているな。それはこの先の時代を生きる上でとても大切なことだ」
「あれ? 誉められた??」
「そうだ。案外、君のような者が人を束ねるのだろうな……では私はそろそろ行く。君達の将来に期待するとしよう」
そう言って去っていく時は気配を消さずに行ったのは彼なりの気遣いだろう。もっとも、来る時にわからなければ意味がないのだが。
〈行っちゃった……何しに来たんだろ?〉
「お話したかったんじゃない? 周りに怖い人ばっかだし!」
〈まあ、あながち間違いでもないのかもね……うわっ!〉
「何!? どうしたの?」
「おくつろぎのところ悪いが、舞台に上がってもらうぞ……!」
「あなたは……ウェクト! パッシィに何してるの?」
彼女の方を向くと、いつの間にか部屋に入ってきたウェクトによって彼女を保管しているカプセルが今まさに持ち出されようとしていた。アルエットは必死に起き上がろうとするが、ソファーに深く座り込んでいて中々抜け出せない。
「こ奴に相応しい役割を用意したまで……『紅き悪魔』を、な!」
「待って! パッシィを連れてかないでっ……!」
騒ぐ2人をよそにウェクトは上機嫌でパッシィを部屋から持ち出し去っていく。何事も無かったように、部屋には静寂が訪れた。
「そんな……またパッシィと離ればなれになるなんて……もう、仲良くなったエルフがいなくなるのはいやだよぅ……」
悲しむアルエットだが、その目から涙は出ない。レプリロイドのボディは無駄な機能を備え付けていないからだ。
「うぅ……」
彼女は過去に名前をつけたサイバー・エルフと別れた経験がある。今もどこかで生きていると信じているが、実際は『紅き英雄』によってこの世を去っており、それもバイルの仕組んだことだ。
突如1人になってしまったことで不安がよぎる。もう、誰も助けてくれないかもしれない。シエルも負けてしまうかもしれない。そうなったらどうする……
「あの人なら……どうするだろう」
意外にも頭に浮かぶのはロゼの顔だった。彼は、自分が勝ったとして私をひどい目に合わせるだろうか? いや、おそらく庇ってくれるだろう。そうして彼の庇護の下で生きていくこともできる。でも、それはかつて望んだ未来だろうか?
また、バイルに投獄された時、『死んだように生きるくらいなら、笑いながら死ぬ方を選ぶ』とネージュも言っていたそうだ。
シエルも最後まで『紅き英雄』を信じ、危険な作戦にも身を投じてきた。いつ死んだっておかしくない状況は幾度もあった。
(そう、だから……今は自分から動かなきゃ、いけない……)
覚悟を決めたアルエットは、ソファーから起き上がり、自らの足で歩くことを選んだ。
◆SCENE5
そして再び、衝撃が轟く闇夜の月下。シエルは大苦戦を強いられていた。サイバー・ビジョンも同時に発動していたのだが、どの予測も、『詰み』を示し、シエルが船から落ちるか、Wブロックが落下するかの違いだ。そして、シエルがシステムを発動してから時間は経っておらず、ひたすら最適解を探し当てている最中だ。
そして、どの騎士もオーバードライブを発動させていることから、ベラーガも当然窮地に追い込まれればそうなる計算でシミュレートしている。しかし、それが『詰み』の原因でもあるようだ。
現時点の限定発動された性能から逆算し、彼のオーバードライブ時の性能を仮定すると、今一歩及ばない。今までの決闘と違い、時間制限や視界の悪さに足場の悪条件が重なっている。
<シエルさん、今は攻勢に転じましょう。突破口はそれからで……>
先ほどの補給時にビジョンを共有できるようにしておいたことで、それを見ていたグレイシスからアドバイスが促される。仕方なくシエルは、ダメージを与えられる可能性に絞って攻撃に転じた。
「わかったわ。まずは戦力を削ぎましょう……!」
オメガの力で高速接近しつつ、斬撃を繰り出す。ベラーガは動きを読んでそれをかわす。シエルはその隙を想定して二の太刀を浴びせるが、彼は当然の様に対処する。それを更に見越して彼女は武器をチェーンに切り替え、至近距離から彼の上半身に巻き付ける。
「?! 何をするッ……!」
巻かれたチェーンがベラーガのエネルギーの流れを一時的に絶つ。これにより、彼の動きを止めて拘束することに成功した。
「この距離なら……届く……!」
すかさずトリプルロッドによる高速の刺突を数度繰り出す。ただ攻撃するのではなく、腕の関節を狙った。ダメージを与えるだけでなく、行動そのものを継続的に制限するのが目的だ。
「貴様ッ! 姑息な真似をォ……?」
攻撃が成功するとバックステップで距離を取る。関節を痛めたベラーガの反撃にはキレが無くなっていた。再度チェーンによる拘束を足に仕掛け、そこからトリプルロッドによる連続の刺突を脚部に与える。これで移動速度も下げることが出来ただろう。しかし、シミュレーションの結果が脳裏にちらつき、緊張感は薄れなかった。
「これで四肢を潰したと思っているのか……?」
瞬間、ベラーガは爆発的な加速でシエルの目の前に現れた。
「まさか、足に部位解放を起こして加速を……?!」
「雷迅拳ッ!!」
再び闇に閃光が迸り、気付けば彼はシエルの後方に移動し、時間差で彼女にダメージが襲いかかる。
「あァッ……」
油断していた訳では無かったが、システマ・オメガを発動していても回避が遅れてダメージをまともに受けてしまった。よろめいた所に更なる追撃が放たれた。
「岩斬波ァ!」
ベラーガが拳で大地を叩くと、地面から発生した衝撃波が闇夜を照らし、シエルを宙に舞わせる。無防備では追撃は免れない。ならば、とシエルは咄嗟にセイバーを展開し、足元に振りかぶる。
「お願い! 当たってッ!」
すると、勢いがついて加速した動きは回転を始める。そのまま地上のベラーガに向けてその勢いは増していき、上空から斬り裂いた。
「み、見事……敵からの攻撃の反動を活かして反撃するとは……」
アーマーを斬り割かれたが、彼の動きは痛みを感じさせない。
「だが小生は自らの驕りを許せぬ……我が怒りを見よッ……!」
脚を大きく開き、拳を腰の位置で握りしめて腹に力を溜める。頭部パーツが大きく展開し、火のようなエネルギーが緑色に灯る。髪パーツもエネルギーを帯びてうねり始めた。連動して一部のアーマーは吹き飛び、全身に刻まれた白いラインも露わになる。
「ついに始まってしまったわね……」
オメガを発動していても苦戦していただけにこれは厳しい状況だ。関節に与えたダメージも、オーバードライブによって相殺されてしまうだろう。打つ手が、無い。こうしている間にも飛空艇は落下し、システムの稼働限界が迫り、時は刻一刻と失われていく。
「3手だ……この姿を見せた以上、落下までに3手で仕留める……」
「なら、全力でその誓いを破ってみせるわ……!」
(いよいよね……ここを捌けるかどうか……)
なんと、ベラーガはそれまで握っていたカイザーナックルを手放して収納し、素手の拳で足を大きく開き、右手を奥に、左手を前にした構えを取る。力を入れた右手は顔付近で開いた状態で、その掌には反転したZ字の文様が浮かんでいる。
「あれは……ゼロナックル?! そんなものまで復元を……」
シエルの驚きは当然だ。セルヴォが開発したゼロナックルはゼロの腕部に直接備わったもので、武器ではあるが腕の機能に近い。
なぜそれが解析され、復元されているのかは定かではないが、『紅き英雄』がラグナロク作戦阻止のため何度も転送時にサイバースペースを経由した事で、誰かに情報を取得された可能性もある。
「壱の剛拳……必殺の零掌拳……!」
シエルが驚く間にベラーガの髪がうねった瞬間、地面を叩くと同時に高速で接近をし始めた。4本の髪を利用して加速したのだ。
「なっ……!」
そのままシエルの目の前に達すると同時に逆Zの文様が輝く掌底が撃ち込まれる。とっさにセイバーで防御したシエルだが、それがよくなかった。
「その武器ごと頂いていくッ!」
セイバーはベラーガの掌に吸い込まれるように手から離れ、彼はデッキの遠くへと武器を投げ、そのまま床に突き刺さった。
「しまった! ナックルによるシージング……!」
シエルは武器を奪われたと同時に腹に蹴りを食らって空中に吹き飛んでいた。おそらく技が直撃していれば体は貫かれ、防御しても武器を使えば奪われてしまう。おそらく武器を手放すように誘導されたのだろう。そもそも回避以外の選択肢は無かったのだ。
「ぬるいわッ! 隙だらけよ!」
ベラーガは両手を開き、左手を上に、右手を下にして正面で構え、両手の逆Zの文様が輝くと腰を落として体を左側に捻る。すると胸元で構えた両手の間に円が渦を描きながら翠緑に輝き始める。
「弐の破拳……滅殺の波動撃……!」
掛け声と共に、腰を右側へ回転させながら、両手をすり合わせるように前方へ押し出す。その瞬間、両掌の間から翠緑の閃光が生まれ、うねるように疾走する。
空中に投げ出されたシエルはここまでを想定して相手が技を組み立てていることに戦慄した。3手というのは理由あっての事なのだろう。そしてこのままでは直撃は免れない。デッキの上は遮蔽物も無く、逃げ込む場所もない。みるみる翠緑の輝きは迫ってくる。
瞬間、彼女の意識はある会話の記憶を辿っていた。
◆SCENE6
光に包まれたその瞬間、シエルの脳裏にはSWブロックでのグレイシスとの会話が浮かんでいた。
「これは私の見解になるわ。『彼』の戦闘能力の裏付けとして、ボディだけでなく制御するプログラム、即ち人格データにまで遡って考えたのだけど、その意思決定の速度が鍵だと考えたの」
「それは興味深い考察ですね。シエルさん、是非続きを……」
「ええ、『彼』の意思決定の速度は恐らく封印されていた月日……100年単位をもってしても現代のレプリロイドが超えられない領域だったのではないかと私は考えたわ」
「後で判った事だけど私が封印を解く前の妖精戦争の時代からコピーボディで活動していたのにも拘わらず、オリジナルすら凌駕する性能を発揮した根拠として『悩まない』事が挙げられるわ……」
シエルの大胆な考察にグレイシスが半ば驚き気味で応答した。
「つまり『悩まない』事で敵の反応を常に上回っていたと……?」
「そう、レプリロイドの特性の一つとして『悩む』事が挙げられるけど彼の特性はその真逆。思考のプロセスを簡潔にすることであらゆる個体より常に一歩先を行っている事こそが、武器やボディを越超えて彼の性能を裏付けするファクターではないかしら……?」
「なるほど……その理屈だと原理的に彼の強さに信憑性がもてますね。もちろんその超反応に追随できるボディと兵装が必要ではありますが……我々人間からしたら根幹のプログラムの設計思想で時代を超えて大局まで左右するというのは理解はできても驚きです」
ソフトウェアの処理速度が機械の性能を左右することは珍しくない。だが、グレイシスの言う通り対応したハードウェアが必要だ。
「そうね、私も元々人間だったからこそわかるわ。このボディにだってまだ心がついていけていないの。でも、オメガやハザードのようにプログラムがサポートすれば今まで出来なかった事も行うことが可能になったわ」
★⇒
「ええ、ある意味シエルさんの人格を乗っ取る形でオメガやハザードのプログラムが作用している訳ですが、これは『紅き英雄』の思考領域、判断能力を強制されているとも取れますね」
「確かにモデルBの想定スペックは『紅き英雄』のものを基準としていたから、その性能をトレースできてもおかしくないわ」
「そうなると、この先は『意思決定の速度』が重要ね――――」
このようにシエルは『紅き英雄』に関する議論を締め括った。
◆SCENE7
「直撃したか……? これで少しでも仲間に報いればよいが……」
空中には何もなく、デッキにもシエルがいた痕跡も存在していなかった。しかし、何かおかしい。とても近くから気配がする。
「ッ?! 貴様! いつの間に……!」
ベラーガが気配の先に目を向けると、紅く迸る眼光を放つシエルが闇の中で佇んでいた。その漆黒の姿は見るものを威圧する。
「その姿は……貴様の発するZ-FACTORが高ぶっているわけだ」
彼女は技が放たれると同時に禁断の力を行使する選択をしたのだ。その発動の衝撃で敵の攻撃を相殺し、超加速で難を逃れた。
「……間一髪ね。もうあと1手しかないわよ?」
「ふっ、そうか……久々だな、3手まで立っていられた相手は」
意外にも彼は苦笑した。自身への怒りを力に変えてきたこれまでの彼とは対照的だが、元々は正反対な性格だったのかもしれない。
「終の緋拳……」
彼は構えを解き、『無』の状態となる。
「瞬獄の阿修羅ッ……!」
瞬間、彼の姿は消え、夜のはずの世界は一瞬白く染まった。
そしてシエルの全身を打撃の嵐が襲う。これまでと違い、両腕だけでなく、4本の髪もサブアームとして計6本の腕が打撃を行っていた。。更に打撃の後には逆Zの文様が浮かび上がっていく。
<シエルさん! 返事をしてください……!>
グレイシスが通信で叫ぶも返事はなく、シエルに背を向けて仁王立ちしたベラーガの背中には逆Z字のエンブレムが禍々しく光輝く。
「悪く思うな、これで決まりだ……」
しかし、シエルは微動だにせず、ハザードが提示する『最適解』を選び続けることで打撃の嵐をその場から動かずに捌ききっていた。
その身を破壊衝動に抗うことなく委ねている。今の状況ではベラーガを『破壊』し、更には落下する飛空艇をどうにかするしかない。まずは目の前の敵を『排除』することが最優先された。
「グレイシス……私は、もう、悩まないッ……!」
3度目の攻撃を捌かれたベラーガは驚愕していた。今までこの技を繰り出す相手すら殆んど存在しなかったからだ。その秘技を破られた衝撃は大きい。しかし、シエルの漆黒に染まった姿を見てグリオサの仇を取りたいという気持ちの方が大きくなっていた。
「まだだ……! この手足が動く限り『死合い』は終わらんッ!」
思わず攻撃を繰り出す。しかし、シエルは上体を反らしてすんでのところで攻撃をかわし、エネルギーを帯びた鋭利な爪による斬撃を彼の左腕に撃ち込んでいた。
「……ッ!」
二の腕から斬り飛ばされた左腕が宙を舞う。その瞬間、シエルはデッキの上に突き刺さったセイバーの元へ駆け抜けた。
「まだまだァ……!」
シエルを追い掛けるように繰り出した右の拳も彼女が再び手にしたセイバーによって宙を舞う。何が起きているのか。これまで研鑽を重ねた自慢の拳は一瞬にして無慈悲に斬り裂かれてしまった。
「この程度ッ……!」
シエルは無防備になったベラーガの上半身に向けて、刃を逆さに握ったセイバーと、左手の指から生えた爪で目にも止まらない連撃を繰り出し続けた。サブアームの髪で防御するも一瞬で斬り裂かれ、彼は圧倒的な攻撃にたじろいでいたが、戦意は失っていなかった。まだ両足がある。
「まだいけるッ……!」
脚部に力を溜めると、爆発的な加速でシエルに接近し、回転しながら蹴りを放つ。だが、蹴りは右足、左足と繰り出す度に脛部分からシエルのセイバーで斬り飛ばされていった。
「バカッ……な……」
何が起こったのか理解が追い付く前に四肢を失った体が宙を舞う。彼は、もはや挽回が叶わぬことを悟りながらせめてもの抵抗で目の前の敵を睨み付けようとする。しかし、目の前には今まさにセイバーにエネルギーを込めて真横に振り放つシエルの姿があった。
「これは、救世の光……」
同胞にとどめを刺したものと同じ斬撃が彼を襲う。その威力と狙いは容赦がなく、『最適解』を選んだハザードの選択により、ベラーガはついに首から上も宙に舞うこととなる。
そして、頭が地面に落ちると同時に、剣圧で露出したリバースメタルも破壊される。変身が解除されていくことを感じながら彼の意識は闇に落ちていった。
◆SCENE8
その拳士は、何よりも『仲間』という存在を重んじていた。
一人では到底成し得ないことも、仲間と力を合わせれば実現できると信じていたし、何より自らの思想や信念を共有し、継承してゆける事にこそ大きな意味があると考えていた。
そのきっかけは『紅き英雄』の過去を偶然知った時にまで遡る。それは、イレギュラー大戦よりもさらに以前……レプリロイドによる最初の大反乱の折に起きた、2人の英雄の逸話である。
当時『蒼き英雄』は敵の要塞の中で、1人のイレギュラーに窮地に立たされていた。その戦いの中で『紅き英雄』は身を挺して彼を庇い、自爆することで命を落としたという。
だが最期の瞬間『紅き英雄』は、己の武器を『蒼き英雄』に託し、言葉ではなく意志をその拳に込めた。『蒼き英雄』はその想いを胸に、最後まで戦い抜き生還したとされている。
今となっては、そんな英雄たちでさえ追い詰められることがあったのかと、どこか信じがたい想いもある。けれど、彼の心を強く揺さぶったのは、美談として語られる以上に、『想いが継がれ、果たされた』という事実だった。
仲間を信じ、命を託す。そしてその想いが、確かに次へと繋がっていく。裏切りが相次いだあの時代において、なお絆を貫いた2人の英雄の生き様は、彼にとって何よりも美しく、尊く映ったのだ。
──その信念を胸に、彼もまた、戦いの渦中に身を投じていた。
そんな彼も妖精戦争の最中、『厄災』と呼ばれる危険なイレギュラーの討伐任務に参加する事となる。標的は、異常なほど巨大なボディを持ち、レプリロイドを捕食する『レプリイーター』という極めて危険な存在だった。
鍛え上げた拳を掲げ、彼は果敢に前線へと繰り出した。だが敵は想定を遥かに上回る強さを見せた。捕食を繰り返すことで性能を増し、更には仲間たちまでもが取り込まれ、そのたびに敵は更なる力を得ていった。結果、戦列は乱れ、作戦も崩壊する。
混乱の中、彼は偶然合流した生き残りの鞭使いのハンターと連携を組み、戦線を維持していた。
しかし、撤退の空気が流れ始めたその時、敵は突如として彼らの前に姿を現した。退路が絶たれたことを悟り、絶望が胸をよぎる。
それでも彼は、迷わず決断した。迫る触手を前に、自分の命よりも仲間の生存を選んだのだ。ここで自分が食い止めれば、きっと誰かがこの想いを受け継ぎ、イレギュラーを処分してくれるだろうと。
そう信じ、彼はその場に仁王立ちとなり、迫る敵を足止めすることを選んだ。圧倒的な力に晒されながらも、一歩も退かず、仲間たちの脱出のために時間を稼ぎ続けた。
やがて、仲間の脱出が果たされる兆しが見えてきた頃、彼の体はすでに限界を迎えていた。無数の攻撃を浴びた装甲は破損し、体内にはウイルスが侵入していた。
このままでは、ウイルスによって自我を失い、今度は自分が『敵』となってしまう。そうなれば、守りたかった仲間たちの未来を、自らの手で壊すことになる……。
消えゆく意識の中、彼が最後に選択したのは『自壊』だった。
不甲斐なさと悔しさを胸に、己の存在を自ら終わらせる事。それが、彼に残された唯一の意志の証だった。発見された時、彼は両膝をつき、その拳で自身の動力炉を破壊し、その後、自らの手で頭部を引きちぎっていた。
まさに『修羅場』という言葉がふさわしいその光景に、後から到着した捜索隊の誰もが息を呑み、言葉を失う。
そして、彼の意志を継いだかのように『厄災』を討ち果たした『紅き英雄』もまた、最期を見届けるようにその場に佇んでいた。
その後、秘密裏に収容されたボディとAIはウェクトに修復され、ゼロ・リバースの一員としてその悔恨の念は再び世に放たれた。
目覚めた先で、『紅き英雄』にまつわる歴史が抹消されていることを知ると、彼は民衆と、彼らが築いた歴史の破廉恥さに憤怒した。
◆SCENE9
消え行く意識の中でベラーガが見た走馬灯と同じ光景を、シエルは彼の武器を確保した後、それを通して眺めていた。見えたのは仲間思いの拳士の悲しい末路だった。
「ウイルスに抵抗するためとはいえ、自ら命を絶つなんて……」
ちなみにハザードは攻撃対象を失った事で自然に解除された。前回発動時にグリオサを倒した時と同様の現象だ。
そしてグレイシスと語った『紅き英雄』への考察を思い出す。
シエルは『紅き英雄』について、技術的なアプローチでの分析を人前で滅多にしたことがなかった。当人を前にして憚られるのはもちろん、彼が失踪してからもそれを語るのはどこか野暮なことに感じたからだ。だからといって、何のロジックもなく彼の性能を再現するのは不可能である。
ある種の『悪・即・斬』のような決定力の速さと、目標を捉える確実さは彼の性能を裏付ける決定的なファクターであると彼女は感づいていた。その反応速度と攻撃性能に対応できるボディさえ担保できればこの理論は実証できるのだ。しかし、それは彼女にとってはある種の禁忌に触れる領域でもあった。
それは、『彼を代替できる技術』を生み出したことになる。この事実に彼女は自覚的であり、悪用されるような事態があれば許しがたいことであった。しかし、同等かそれ以上の技術で生み出されたであろうロゼが目の前に現れたことで躊躇が出来なくなったのだ。
このまま野放しにすると『彼』の兵器としての側面のみが世界に溢れ返る結果になりかねない。それは『彼』の兵器以外の多様な顔を知っている彼女だからこそ、阻止したかった。しかも、既に守護騎士やゼットルーパーのようなものが量産されている。『彼』がかつて扱っていたとされる複製品の『光る救世の武具』も同様だ。
これではネオ・アルカディアの二の舞かそれ以下で、英雄の権威と力の安売りのような真似はもう御免だ。そもそも自ら『蒼き英雄』の複製体を生み出した身としては耳の痛い話ではあるのだが、願うことなら今回はここで負の連鎖を絶ち斬りたいのだ。
<……エルさん! 聞こえていますか? 落下を早く止めてください!>
グレイシスからの通信が響く。
「聞こえているわ。ひとまず飛空艇の制御室へ向かうつもりよ」
気持ちを切り替え、急いでデッキに散らばったベラーガの身体を集めて制御室へ向かう。今は無理でもいつかは復元できるだろう。ついでにリバースメタルの破片もサンプルとして回収しておいた。
制御室へ到着すると、ベラーガの身体を安置し、備え付けの端末を起動する。ここからどうにか航行プログラムにアクセスできないかと考えたのだ。
「端末は起動できたけど……アクセスが通るかどうか……」
しかし、アクセスは拒否される。どうやらベラーガが管理権限を保持しているためか、彼の稼動が停止した今、外部からの命令を受け付けない状態となっていた。
「やはりダメね。こうなると直接端末の内部にアクセスして、プログラムを操作するしか無さそうね……」
<シエルさん、まさかまた電脳空間へアクセスを……?>
「ええ。今はこれしか浮かばないわ。最悪落下は阻止できなくても転送空間経由で別の地点へ移動できるかもしれない……」
シエルは一か八か、端末の電脳空間へアクセスを決行することにした。彼女を待ち受ける運命をまだ誰も知らない。
そして、『紅きレクイエム』はまだ続く―――――――
【第6章:堕ちる修羅 完】
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note限定 あとがきコーナー
本作を企画し、執筆させて頂きました。Hi-GO!です。
記事をご購入頂いて最後まで読んで頂き、まことにありがとうございます。
ここからはnote限定のあとがきコーナーになります。
冊子版には編集後記というものがあるのですが、そちらは内容そのものより、書籍の編纂まわりの事情を書きましたのでこちらではもう少し内容に沿ったものを書きたいと思います。
◆2025/08/09……あとがきコーナーにハザード・シエルの解説を追加
◆2025/08/10……ハザード解説に追記を追加
紙面の編集後記でも書きましたが、今回の6章は大幅に変更した5章と違い、本来の決闘形式の既定路線に戻した形になります。しかし、既に派手な展開をやってしまった後なので、何かひねりたくなってしまうのが人間のサガです。
という訳で、今回はほぼボス戦にフォーカスし、それも墜落する飛空艇の上という絶体絶命なシチュエーションを設定し、ここからどう挽回するかという課題も設けることに。(ゼロ1の工場でのファントム戦を思い出します。)
更に、元々ヴァルハラの飛空艇を絵的に出したいという欲もあったので、それが結実する形となりました。
※実際は冒頭のシエルとグレイシスの会話パートが収録文の上限の半分以上を占めてしまったという……ゼロについての説明や、ネオ・アルカディアについて触れるとどうしても文章量が増してしまいますね。
それでは恒例のボス解説から。
今回のボスはロゼ直属の守護騎士『リバースナイツ』所属、
『剛拳騎ベラーガ・ザ・ナックラー』です。
割と見たまんまで語る余地があるかというとこの時点では格闘タイプで、Kナックルを用いる拳闘士という感じです。デザインは補欠さんにお任せしました。ある意味ゼニムの派生として分かりやすいバリエーションになったのではないでしょうか。
初期稿を見れば解りますが、あまり大きな変更もなく、最初からイメージがほぼ固まっていたことが窺えます。
モチーフになったガーベラの花言葉は『神秘の愛、前向き、限りなき挑戦』など、前のめりのイメージが強いですね。デザインに入る前の、テキスト段階でのアイデアとしてはTブレイカーを用いる予定もありました。
し・か・し
私の方でシナリオを数稿書き終えた事で、ベラーガというキャラクターの輪郭が定まっていきました。結論から言えばその時点ではまだ存在しないOD形態のウェイトが大きくなりました。
また、どんな格闘技を使わせるかという所で、まずはゼロのKナックルを始めとしたゲーム内での使用技をリストアップしました。
そうする内に、ある種の頂が見えてまいりまして、ズバリ、『瞬獄殺』を使いたい……となりました。(残念ながらシナリオ上はかわされました)
プレイアブルとしてのゼロでは実装が難しいでしょうが、敵としてなら成立するのがこの技でしょう。となると、背中に何を描くかがキモになります。
と、いう訳で、試行錯誤の上、完成したのがこちらです。
そう、背中には『逆Z字』を背負って頂くことになりました。(ゼロ・リバースのマークでもあります)豪鬼は『天』ですが、やはりゼロに連なるものならこれかなと。
これを踏まえた瞬獄殺の演出を挿絵でもしたいということで、割と挿絵ありきのデザイン画でもあります。
そして、Kナックルをどう強化しようかという課題があったのですが、何度やっても良い案に繋がらず、であれば捨ててしまおうと(物理)
そして、元々入れたかった逆ゼロナックルを実装した形になります。そのせいで通常形態とOD形態での変化が凄まじいキャラクターになってしまったと思います。とはいえ、あまりに極まりすぎると強すぎて誰も倒せないバランスになりかねないので、『3手』などの縛りは入れました。(そもそも通常形態でも部位OD出来るので強い……)
服はどの程度脱がそうか試行錯誤していましたが(普通に脱がして白パンツだとちょっとダサい)、補欠さんのメモ書きを見てミュトスっぽいニュアンスを入れればよいのだと気づき、何とかまとまった次第です。本人的には意識していなかったそうですが、白いラインが包帯やバンテージ的なニュアンスを表していて格闘キャラっぽさの補強にも繋がったと思います。
最後は過去デザインについてですね。これは補欠さんが原案を出してくれていたので、そこをベースに調整しました。レプリロイドより人間っぽい『生』さがどこか発生してしまっていて、とりあえず頭部にヘッドギアを足すことで帳尻が取れました。ジャケットがはだけているのもZXっぽくて気に入っています。武器が原作の、Kナックルに近いのも意図的です。
◆追記:ハザードについて(2025/08/09)
せっかくなので、ハザード・シエルについても語っておきたいです。
こちらは黒ゼロをベースとした、特撮における暴走フォームの立ち位置です。(X5の覚醒ゼロやゼロ3のオメガをイメージしています)
色んな所で語っていますが、元々登場予定は無く、5章の展開変更に伴い、急遽ねじ込んだ形になります。そのため、物語にとってもメタ的にイレギュラーな存在であり、まさに作り手にとっても予測不能な存在です。
以下イメージソースのにレシピ的なものを掲載します。
▼暴走モチーフ
ハザードフォーム【仮面ライダービルド】
プリミティブドラゴン【仮面ライダーセイバー】
ガンダムバルバトス (ルプス&レクス)
【機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ】
ヴェルトール・イド【ゼノギアス】
▼未来予測要素
ゼロシステム(エピオンシステム)【新機動戦記ガンダムW】
モナドのビジョン(未来視)【ゼノブレイド】
シャイニングアサルトホッパー【仮面ライダーゼロワン 】
▼超加速イメージ
ファイズアクセル【仮面ライダーファイズ】
スカルマン【スカルマン THE SKULL MAN】
ガヴ マスターフォーム【仮面ライダーガヴ】
ダブルオーライザー【機動戦士ガンダム00】
F91【機動戦士ガンダムF91】
ライトニングサイクス【ゾイド -ZOIDS】
列挙すると近年のものが多いですが、時代を感じさせるものもありますね。本作は往年のロックマンはもちろん、近年のトレンド同様にサブカルチャーからの引用で埋め尽くされています。もちろん、キャラクターや演出に沿うものを選択しているつもりです。
自分の好きなもの、というより数ある引き出しの中で適切かつ、自分を熱くさせてくれたモチーフを選んでいる感じですね。好きでも合わないものは無理に組み合わせようと思いません。
ただ基本的にガンダムと石ノ森という二つの軸があって、そもそもそれらのエッセンス融合した作品がロックマンゼロなのだと私は認識しています。その文脈を現代で踏襲しているに過ぎないですね。
ちなみに、必殺技(オーバーブレイク)は幻夢零のイメージです。
リバースナイツの変身アイテムであるロゼット・ストーンを破壊できます。(仮面ライダーにおけるメモリブレイクやリミットブレイクのイメージ)
忍者部隊の要素も出したいので剣は逆手持ちにしています。ここはプリミティブドラゴンの荒々しいイメージも加わっています。今後機会があれば超加速による分身なども検討しています。
ところで、暴走フォームと位置付けるのはよいのですが、『なぜ暴走しているのか?』という課題が残ります。その理屈付けが未来予測による行動の強制と最適化となります。傍から見ると暴走しているように見えますが、実際は原理原則に従って動いているだけなんですね。
要するに6章でも述べたゼロという人物の強さを分析して機能化した感じですね。『判断が速い=未来予測が最適かつ的確』としました。つまり、『悩まない』ということです。
ただし『対象を破壊すること』に原則特化しているという条件付きです。
▼ゼロという名とその本質
ゼロというキャラクターを深堀するきっかけになった事として、とある開発の方に『なぜゼロという名前なのか考えたことがあるか?』と質問された事は本作には大きなウェイトを占めています。
ゼロの本質は『対象破壊』『有を無にすること』で、故に『ゼロ』となるのでしょう。『破壊と創造』でいえば『破壊』の側です。
実際作品を通しても、彼は破壊によってしか世界や人物にアプローチできていません。庇護対象であるアイリスであっても例外ではないわけです。
そして、その破壊によって対象のそれまで積み上げた可能性を絶ち、まだ存在しない新たな可能性が開く余地を残す訳です。
基本的には開花する前の花の芽を摘むような行為な訳です。それによって別の可能性という名の花が咲けるという構図ですね。ここにはエックスの可能性の開花も含まれるのでしょう。
特にゼロ4のラストは上記を踏襲した内容になっているのが窺えますね。
▼追記(2025/08/10)
対比としてエックス要素についての言及がなかったので捕捉です。
エックスとその量産型であるレプリロイドは『悩む』機能を持っています。戦闘においてゼロの『悩まない』性質は理論的には判断速度を常に上回ることになるので、メタ的にレプリロイドには有効です。
仮に同じ性能のレプリロイドと対峙したとしても、その一瞬の判断の速さでゼロには勝てないでしょう。
一方で破壊は出来ても創造が出来ないのがゼロです。そういった積み上げる社会的な営みは悩み、選択するエックスやレプリロイド達に相応しいでしょう。そのお陰でネオ・アルカディアも成立しましたし、別の未来では『ヘブン』も作られたのかもしれません。
この観点においてゼロは役目を終えた後の世界には居場所はなく、不要なのかもしれませんね。封印しては引っ張り出される『暴力装置』が、最終的な社会との接点であり、役割なのでしょう。
結局長くなってしまいましたが、この機会でまとめておかねば他の機会が作れない可能性もあると思い、一旦記述しています。そういう意味ではそろそろ前半の内容をまとめた画集を出しても良いかなと考えています。
それではまた本編第7章のあとがきでお会いしましょう!
Hi-GO!
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