脚本・森下佳子の大河べらぼうこぼれ話【12】 - 大河ドラマ「べらぼう」見どころ - 大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」 - NHK

大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」

横浜流星主演!痛快エンターテインメント #大河べらぼう

共有

脚本・森下佳子の大河べらぼうこぼれ話【12】

NHK公式【べらぼう】脚本を務めた森下佳子さんが、最終回を前に各話のこぼれ話を振り返ります。#大河べらぼう


べらぼう最終回「蔦重栄華乃夢噺」放送は12/14(日)。15分拡大版です。


 

皆様。お忙しい日々の中、『べらぼう』をご覧いただき、まこと、ありがた山にございます。もう少しで蔦重ともお別れ、ということで、思い出として、各話のこぼれ話など書き記すことになりました。本編を思い出すお供に、オンデマンド配信や年末に放映される予定の総集編のお供に、チョロリとお楽しみいただければと存じます。ただし内容はネタバレもございますので、踏みたくないお方はお避けくださいませ。かつ、これはあくまでも一台本書きのつぶやき、おばちゃんの戯言です。そこは割り切ってお読みいただけると助かります。森下佳子

 

第39回 白河の清きに住みかね身上半減

ついにこの回、蔦重、身上半減!の回です。この回で忘れられないのは「身上半減」が一体どういう刑だったのか示す資料はないということ。文字面から、まぁ、財産半分持ってかれんだろうなってことは分かるんですが、詳細は不明。しかも、前例もなく、どうも「この時に初めて出てきた処分なんじゃないか」とのこと。つまり、蔦重のために作られたオーダーメイドの刑ってことです。ならば!と、とびきり定信らしい几帳面な「半分」とさせていただきました。この回、一番苦労したのはお白州で蔦重と定信が対峙する場面。初めは「あんたの政は誰も幸せにしていない!」ということを割合ストレートに定信に言っていたのですが、「蔦重ももういい年のおじさんだから、さとすような感じが欲しい」と監督から。「さとすって?」「寅さんが説教するような」と。「……監督、私に山田洋次御大になれ、と?そりゃハードル高すぎですよ!」と、四苦八苦しながらもトライして、ようやくOKが出たのがあのシーンです。お貞さんと栗山先生の応酬もなかなか苦労しましたかね。私儒学なんてほとんどなんも分かってないもんで……。このシーン、撮影時には栗山先生がすごく細かく原文などを調べてきてくださり、色々アドバイスくださったそう。栗山先生、マジで先生じゃないですか。逆に割とスルッと出てきたのは蔦重が身上半減を逆手に取るところ。ここは「まぁ、俺ならこうしますぜ」って蔦重が勝手に動いてくれた感がありました。

📺NHKオンデマンドで(39)配信中!※別タブで開きます

 

第40回 尽きせぬは欲の泉

蔦重が身上半減から立ち直っていく回。この時、蔦重は実際に大車輪のごとき動き方をしています。古い本の板を買い集めて仕立て直したり、『ゆきかひふり』などの書物も出したり、そして新人抜擢で馬琴と北斎を組ませたり。後にゴールデンコンビとなる二人を最初に組ませたのは蔦重。コレを知った時結構胸熱でした。そして、一連の目玉はなんと言っても歌麿の「美人大首絵」。初手に出されたのが「ポッピンを吹く娘」で有名な「婦人相学十躰」シリーズです。このシリーズはホントにすごい。歌麿の描く美人という型の中で一人一人の個性を細かく描き分けている。表情や仕草まで描写が行き届いているから、描かれた女の人たちを見飽きないんですよね。ベタな解釈でお恥ずかしいですが、それってやっぱり歌麿がその対象に愛を持って描いているからだと思うんですよ。石燕先生が導いた写生、そして歌麿に愛を教えたお清さんあってこその境地だなぁ、と。んじゃ蔦重何もしてねぇのかってなりそうなんですが、蔦重、めちゃめちゃこの絵を支えてます。まず、摺や彫りがとても美しい。肉筆じゃありませんから、ここがダメだとどんないい絵だって台無しになっちゃう。雲母摺もここからです。それから何と言っても高い企画性。皆に見てもらうためには売れるものじゃなきゃいけない。板元としての愛を注ぎ尽くしてますよね。

📺NHKオンデマンドで(40)配信中!※別タブで開きます

 

第41回 歌麿筆美人大首絵

須原屋さんも捕まってしまいました。その事実は年表で知ってはいたのですが、刑罰が蔦重と同じ「身上半減」だってのは聞いてびっくり!ヤンチャな本屋を罰するにはちょうどいいって認識されたんですかねぇ。本編では蔦重のよきアドバイザーとして描いてきましたが、この須原屋さんも進取の気性に溢れたおもしれー本屋さんなんですよ。ご興味のある方は調べてみるのもオススメです。さて、この回はお津与さんとのさよなら回です。お津与さんという人は「蔦重を捨てた」人。でも、墓碑銘から蔦重はこの母親を尊敬していた節がうかがえるそうです。「捨てた、でも、尊敬しちゃう」このアンビバレントな要素を元に作り上げたのが、ドラマのお津与さんです。図々しいのに憎めない、軽そうに見えて実はすごく愛情深く、周りをよくみている実は賢明な人。中の方のおかげでとても素敵なババアになったと思います。お津与さんが蔦重の髪を結うシーン、「髪結さんが最後に口でピッと糸を切るやつ、あれ私ホントにやりたい」ということで、中の方、練習して臨んでくださったそうです。こういうの嬉しいなぁ。そうそう、ババア呼び、ごめんなさい。蔦重とお津与さんの最後はどうしてもああしたくて……。

📺NHKオンデマンドで(41)配信中!※別タブで開きます

 

 

☟脚本・森下佳子の大河べらぼうこぼれ話【11】(第36回~第38回)はこちら

☞【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」関連番組 見逃し配信はNHK ONEで】

大河ドラマ「べらぼう」見どころ

大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
配信ページへ