脚本・森下佳子の大河べらぼうこぼれ話【7】 - 大河ドラマ「べらぼう」見どころ - 大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」 - NHK

大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」

横浜流星主演!痛快エンターテインメント #大河べらぼう

共有

脚本・森下佳子の大河べらぼうこぼれ話【7】

NHK公式【べらぼう】脚本を務めた森下佳子さんが、最終回を前に各話のこぼれ話を振り返ります。#大河べらぼう


べらぼう第48回「蔦重栄華乃夢噺」放送は12/14(日)。15分拡大版です。


 

皆様。お忙しい日々の中、『べらぼう』をご覧いただき、まこと、ありがた山にございます。もう少しで蔦重ともお別れ、ということで、思い出として、各話のこぼれ話など書き記すことになりました。本編を思い出すお供に、オンデマンド配信や年末に放映される予定の総集編のお供に、チョロリとお楽しみいただければと存じます。ただし内容はネタバレもございますので、踏みたくないお方はお避けくださいませ。かつ、これはあくまでも一台本書きのつぶやき、おばちゃんの戯言です。そこは割り切ってお読みいただけると助かります。森下佳子

 

第25回 灰の雨降る日本橋

浅間山が噴火!そして蔦重がついに日本橋に進出する回です。噴火の混乱は蔦重の日本橋進出に関わりがあるのでは?とは前から思っていて、比較的、当初のプランに近く仕上がった回です。ただ、考えていなかったのは「灰の降る中で」ということ。元々は「灰が降った後で」いいかなぁと思ってたんです。でも、「灰の降る中で」それが行われて、「降りやんで、日が差す」と同時に解決を迎えられたら、そりゃあもう作劇上は美しい……なので「多分、めちゃくちゃ手間かかるから無理だと思うんだけど。ま、一稿なので。とりあえず書きたいこと書いちゃいました」と、エクスキューズつけながら原稿を出したところ、「やりましょう!!こんなの誰も見たことないですから。監督も考えるって言ってます!」と。ホントにもう熱いチームでしょう。蔦重も「高いとこは平気です!」と6メーターの屋根に登ってお芝居してくれました。この回、蔦重の魅力も吉原の持つ良さも鶴屋さんが見せる日本橋の品格もよく表現されていて、私はホント好きですね。誰袖と意知の灰降る一夜のシーンも絵のような美しさ……。そうそう、この回で意知に渡る抜荷の地図の話は土山の蝦夷調査のための報告書類から。その中に「抜荷の地図は須原屋という書林を通じ」という一文を見つけた時はちょっと震えましたね。

📖降らせた灰はバケツ300杯!? 第25回制作秘話

📺NHKオンデマンドで(25)配信中!※別タブで開きます

 

第26回 三人の女

日本橋の蔦屋がオープン!そして、蔦重の産みの母・お津与さんがやってくるって回です。この回は蔦重を挟んでの歌麿とお貞さん、お津与さんの心情の整理がまず大変でした。一方で店の外側では飢饉による米不足も始まっている。この翌年から蔦重が出し始めた歳旦狂歌集というものの意味合い、そこに書かれた「千代女」という歌麿の署名、これがあったおかげでホン的には何とかまとまったというところでしょうか。この回、大変といえば、お貞さんが作った「品の系図」。「樹形図のような、ドラマのH Pにある人物紹介図のようなものを作りたい」と現場でスタッフが先生方にお伝えしたところ、「そんなもん作ってどうすんの??」と。でも、いざ作り出すと先生方にも火がつき、結果、大学の授業なんかでも使えるレベルの目録が完成。凄すぎです!そうそう、株仲間を一時無効とする案、蔦重発案というのは私のアレンジですが、この案そのものは実際にあったんですよ。流通が目詰まりすれば、別ルートをって、どこかで聞いたような話ですよね。「一昨年の米ならあるぞ」というセリフも現実世界にシンクロし、私たちもびっくり。

📖のべ650以上の作品を網羅!「品の系図」製作秘話

📺NHKオンデマンドで(26)配信中!※別タブで開きます

 

第27回 願わくば花の下にて春死なん

佐野による意知の刃傷事件。とうとうこの時が来てしまった!と、いう回です。佐野が刃傷に及んだ理由は、家系図を騙し取られたとか、佐野の名のついた神社を田沼に変えられたとか、手柄を横取りされたとか、賄賂を渡したのにとか、田沼の悪政から世を救うためだとか、乱心とか、まぁ色々色々言われておりまして、それを一通り知った私の感想は「これ全部でいいんじゃないか」というものでした。こういうことって理由は一つじゃないと思うんですよね。佐野を調べる中で私が一番驚いたのは姉が9人いたこと。末っ子長男、そこにかかる親の愛情と期待は大変なモノだっただろうし、娘を嫁に出すのは支度金がかかったから佐野家の台所はさぞ大変だっただろうなぁ、などと。その補助線が引けたことで佐野という人がグッと身近に感じられるようになりました。桜の下での佐野の笑顔、すごかったですね。無敵の人ってこんな笑顔をするのかなって、思いました。そして、忘れちゃならない意知。「とても誠実で良い人」でオランダの領事からもその才を惜しまれたそう。大きな欠点をもたないプリンス役ってすごく難しいんですよ。光と影が引き立てあっている回です。

📺NHKオンデマンドで(27)配信中!※別タブで開きます

 

第28回 佐野世直大明神

意知が斬られ、意次、蔦重がそれぞれ仇の打ち方を決める回。この回と次の回、ちょいと体を壊し、三谷さんに脚本を手伝ってもらいました。快く引き受けてくださり、とてもありがたかったです。上げていただいた原稿を見て、「Pってこんな気持ちで読むのかぁ」と、思ったのを覚えています。気持ちが見る方に近いんで、「ここはこんなにいらない」「ここはもっと欲しい」、そんなことが見えるんですよね。書く方はもう「あれ伝えなきゃ、これも入れなきゃ」で必死ですから。私にとっても良い勉強になりました。さて、この回で一番気にかかっていたのは、「意知が斬られた後も平然と出仕した」と意次が言われていたこと。掌中の珠を奪われ、平然なわけはない、その答えとなる意次を描きたいな、と、思っていました。そうして行き着いた先が江戸城の廊下での、対決シーンです。お二方の細やかなお芝居と演出の力もあり、グッと来る仕上がりになったと思います。この辺りからですかね、「三浦は一橋の間者説」なるものが出始めました。まったく考えてもみなかったもので、皆さんのご考察に「その手もあったか!」と思ったのを覚えております。

📺NHKオンデマンドで(28)配信中!※別タブで開きます

 

☟脚本・森下佳子の大河べらぼうこぼれ話【6】(第21回~第24回)はこちら

☞【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」関連番組 見逃し配信はNHK ONEで】

大河ドラマ「べらぼう」見どころ

大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
配信ページへ