脚本・森下佳子の大河べらぼうこぼれ話【4】 - 大河ドラマ「べらぼう」見どころ - 大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」 - NHK

大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」

横浜流星主演!痛快エンターテインメント #大河べらぼう

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脚本・森下佳子の大河べらぼうこぼれ話【4】

NHK公式【べらぼう】脚本を務めた森下佳子さんが、最終回を前に各話のこぼれ話を振り返ります。#大河べらぼう


べらぼう第48回「蔦重栄華乃夢噺」放送は12/14(日)。15分拡大版です。


 

皆様。お忙しい日々の中、『べらぼう』をご覧いただき、まこと、ありがた山にございます。もう少しで蔦重ともお別れ、ということで、思い出として、各話のこぼれ話など書き記すことになりました。本編を思い出すお供に、オンデマンド配信や年末に放映される予定の総集編のお供に、チョロリとお楽しみいただければと存じます。ただし内容はネタバレもございますので、踏みたくないお方はお避けくださいませ。かつ、これはあくまでも一台本書きのつぶやき、おばちゃんの戯言です。そこは割り切ってお読みいただけると助かります。森下佳子

 

第13回 お江戸揺るがす座頭金

蔦重は波に乗るものの、鱗の旦那も検校も捕まっちゃう。逮捕者続出の回ですね。鱗の旦那の件、年月もそう経たずのうちの再犯は相当金に行き詰まっていたのだろうということで、二つの出来事を合わせ、このような展開に仕立てました。調べてみて驚いたんですが、この頃の検校率いる座頭たちの金貸しテクニックはすごく巧妙なんです。実は絶対返せないような返済日に設定したり、利息分だけ返させたり……それこそ今でも使われているテクじゃないかなぁ。取り立てにいたっても「お上に金貸しを許されている」と、権力をかさにきる一方で「哀れな盲の金を返さぬのか!」とか、自由自在に脅しまで繰り出してくる。とても褒められたことではないけど、生きるのにめちゃめちゃ頭使ってるのは確か。こんな人たちに何もせずとも代々禄をもらえるお武家様がかなうわけないよなぁとため息が出たのを覚えています。その最たる例が本編中にも出てくる森さんなわけですが……。ちなみに、森さんが西の丸の小姓だったこと、逐電したこと、それが検校への手入れの決定打となったこと、この辺りは全て史実です。

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第14回 蔦重瀬川夫婦道中

蔦重と瀬川が決定的に別れる回です。史実では瀬川は消息不明なので、蔦重と一緒になる手もあったのですが、蔦重はこれから有名人になるし、瀬川は面も割れてるし、そんな有名人同士のカップルなら記述は残っちゃうよなぁ、と、ここは夫婦にならない展開を選択しました。夫婦になる期待をされていた方、ごめんなさい……。さて、瀬川の心を決める理由の一つに「吉原者は市中に家をもってはいけない」というお達しが出たという話が出てきます。これは『譚海』という日記に残されていたエピソード。ここについて詳しく公式の文書を調べてもらうと、家をもってはいけないのは「市中」ではなく「見付けの内」だったり、今でいう「判決」が出て「判例」とはなったけれど「お触れ」としては出ていないとか、細かい違いを理解するのが大変でした。法律関係ってホントいつの世もややこしいです。ちなみに、源内先生が奉行所に「エレキテルの仕組みを弥七に盗まれた!」と訴え出ているコレは本邦初の知財関連訴訟とも言われているそうです。何から何まで早すぎる人だったんですよね。

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第15回 死を呼ぶ手袋

家基様が急死する回ですね。このいきなりの死については、当時からいろんな憶測がなされ、諸説紛々だったようです。そして、この年のうちに源内先生も……なんですよね。これも同様に真相はよく分からない一件、かつ、この合間に白眉毛様も急死。このあたりはもう……フィクションを展開する余地がだだっ広い!ってなことで、本編のブツの登場となりました。家基様の周囲は護衛もいるし、毒味も完璧なわけだから、そこをすり抜けて毒を盛るにはどうしたらいいか。それによって意次を窮地に陥れるにはどうしたら良いか。足りない頭を捻って絞り出したのが例のブツでございます。この回はこの辺りの展開も苦労したのですが、終盤の意次と白眉毛様のシーンも手離れが悪かったです。それぞれの持論を持つ政治家の対決、「米」から「金」に価値の基準が移る世の中で、その舵取りをした人たちの葛藤が端的に伝わるものになればいいな、と、こちらも足りない頭を抱えたのでありました。お二方のお力で茶室、痺れるシーンとなりました。そういえば、初めの頃に意次と白眉毛様の中の方に「俺たちずっと仲悪いの?」と聞かれたなぁ。仲良くなるの一瞬でしたね。すみません……。ちなみに素のお二人は仲良しで、前室でよくおしゃべりなさっていたそうです。

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第16回 さらば源内、見立は蓬莱(ほうらい)

源内先生が退場する回です。この回の撮影の時、予定していた打ち合わせが飛んだ記憶があります。「源内さんも監督も最後なので『やり切りたい』と言ってます!なので、今日の脚本の打ち合わせはなしとさせてください!」とのことでした。そんなに入れ込んでいただけるとはありがたいことなので、こちらとしては別に文句もないのですが。そう言われたからには否が応にも期待は高まります。一体どこまでやり切ってくださるのか……。そうして上がってきたのが本編の一連の源内狂乱のシーンです。私の感想は「やば」って感じでした。良い意味で。源内先生の挙動に「完全に我を失った人ってこうなるのか」とただただ見入り、監督のカット割りに舌を巻き……。まぁ、これは打ち合わせも飛ぶわなぁと納得したのでした。源内先生と意次の別れのシーン、蔦重と須原屋さんのシーンも良かったですね。こちらの方は自分に近しい職業だからですかね。本屋が出来ること、本というものの意味、自分で書いておきながらグッときました。ちなみに雪の中の蔦重のシーン。セットの建てこみの都合で早く撮りたいから「ここだけ先に書いてくれ」って言われました。この言葉、初めての連ドラ『平成夫婦茶碗』以来でした。

📺NHKオンデマンドで(16)配信中!※別タブで開きます

 

☟脚本・森下佳子の大河べらぼうこぼれ話【3】(第9回~第12回)はこちら

☞【大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」関連番組 見逃し配信はNHK ONEで】

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