脚本・森下佳子の大河べらぼうこぼれ話【1】 - 大河ドラマ「べらぼう」見どころ - 大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」 - NHK

大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」

横浜流星主演!痛快エンターテインメント #大河べらぼう

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脚本・森下佳子の大河べらぼうこぼれ話【1】

NHK公式【べらぼう】脚本を務めた森下佳子さんが、最終回を前に各話のこぼれ話を振り返ります。#大河べらぼう


べらぼう第48回「蔦重栄華乃夢噺」放送は12/14(日)。15分拡大版です。


 

皆様。お忙しい日々の中、『べらぼう』をご覧いただき、まこと、ありがた山にございます。もう少しで蔦重ともお別れ、ということで、思い出として、各話のこぼれ話など書き記すことになりました。本編を思い出すお供に、オンデマンド配信や年末に放映される予定の総集編のお供に、チョロリとお楽しみいただければと存じます。ただし内容はネタバレもございますので、踏みたくないお方はお避けくださいませ。かつ、これはあくまでも一台本書きのつぶやき、おばちゃんの戯言です。そこは割り切ってお読みいただけると助かります。森下佳子

 

第1回 ありがた山の寒がらす

一話は本当に色々色々話し合って決めなきゃいけないことが多かったのだけど、一番もめたのはファーストシーン「お稲荷さん、どうするか問題」かも。このシーン初めは「お稲荷さんの像を背負って蔦重が逃げる」という形だったんですよ。でも、お稲荷さん、実は二体あったんですよね。で、
「どうします?もう一体は花の井たちが運びます?捨てていきます?」って話になったんです。そこから「いや、捨てていくのは良くないでしょう。大八車でまとめてとか」「いやぁ大八引いて走るのは無理です」となり、良い方法が見つからないもので、ついには「そもそも論」に突入したんです。
「そもそも像は石だから燃えないし、運ばなくていいのでは?」
「いや、そもそも像より祠に入っている御本尊の方が大事なのでは!蔦重は祠から御本尊をさっと取り出して、それを持って逃げればいいんじゃないか!」
……うーん、確かにそりゃ理屈はそうなんだろうけどさ。
「懐にちっちゃい御本尊しまって逃げる蔦重って、そりゃ賢いけど、インパクトなくない?子供はお稲荷さんの像を慕ってるわけだし、理屈じゃない気もするんだよね」
「それもそうか」と、いうことで、皆で再び「うーん」。その結果、本編のような流れになったのでした。

この回、出来上がった映像を見て一番驚いたのは、駿河屋の座敷から階段までの距離。私の頭の中では部屋を出たら割とすぐ階段があるイメージだったんですが、上がってきたセットのそれは倍以上。「はぁ、こりゃもう落とされる方も落とす方も大変だわ、お気の毒に」と、思ったのを覚えています。自分で書いといてね。

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第2回 吉原細見『嗚呼(ああ)御江戸』

松葉屋の名跡たる花魁名は「瀬川」、源内のかつての恋人は役者「瀬川」菊之丞、「瀬川」という名前の偶然の被りによって生まれたお話でした。歴史を扱う話はこういう偶然がとても楽しいです。これをフィクションで設定するのはこちらとしてはためらわれるんです。偶然同じ名前ってちょっと都合よすぎないかって。でも、そこが史実なら「この話は天のお告げ!」って風になるってもんでして……。この時、問題になったのは、花魁・瀬川(花の井)のいでたちでした。役者瀬川の舞台姿だとするとそれは「女装」、花魁・瀬川がするといつもと大して変わらないことになってしまう。とはいえ、まさか月代まで作って男装するわけにもいかないし、どうすべぇ、と。で、結果、本編のような扮装に収まりました。この回、源内先生の「凄さを表す広告コピー」を探すのもなかなか難航しました。有名な鰻のコピーは源内先生が書いたものとしては残っていなくて、他のものはこの時にはまだ書いていないものが多くて……。で、見つかったのが本編のブツ。見つかってよかった!!

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第3回 千客万来『一目千本』

蔦重が編集センスとビジネスセンスを大いに見せつける『一目千本』誕生の回。この回で思い出すのはなんと言っても、「天才華道家」騒動。この『一目千本』って、後になげ入れ花の見本帖、『手ことの清水』にリニューアルされるんです。で、そちらの方の序文では「この花は天才華道家・清水景澄の手によるもの」ってなっている。ちなみに書いているのは喜三二先生。そこまで絡んでくる人なら後々出さなきゃいけないかも、この花を活ける時にはこの清水さん出さなきゃいけないかなぁ、と、とりあえずネットで探し始めたわけです。でも、探せど探せどそんな人は出てこない。こりゃもう先生方にまで聞かなきゃ無理なやつかってことで、リサーチをお願いしたんです。で、待つこと、数日。結果は……「これ大嘘です!」と。まことしやかに書かれた天才華道家の話は蔦重と喜三二先生のでっちあげだったことが発覚。「いやぁ、これ考えるの蔦重も喜三二も楽しかったでしょうねぇ」と先生方。私たちは二人の仕掛けた悪戯にまんまと当時の人のごとく引っかかったってことです。250年以上の時を越えて。江戸のおふざけ文化、恐るべし!

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第4回 『雛(ひな)形若菜』の甘い罠(わな)

『雛形若菜初模様』が誕生し、蔦重は西村屋に、のちの定信は意次にはめられる回です。この回は、猫に救われた回でした。実は『雛形若菜初模様』の下絵がダメになっちゃうくだりがなかなかうまくいかなかったんですよね。風で飛ばされちゃうとか、間違って燃やしちゃうとか、色々考えたのだけど、どうにもなんか不自然になっちゃって。本屋の人たちは下絵は大事にするだろうし、「うっかり」が難しい。で、そこについてのいい案が見つけられないまま、打ち合わせで、「今回の忘八は何で遊ぶことにする?」って話になったんです。で、そこで監督から「猫自慢は?御江戸といえば猫ですよ」という意見が……。「猫か……猫!猫だ!!!」ってことで、下絵がダメになるのも猫のせい、という筋書きが生まれたのでした。お猫様様というわけです。ちなみに猫十二匹の撮影はもうホントに大変だったようで、駿河屋の親父様は猫を手なづけるために手に塗った餌的なものが効きすぎて、猫に手を噛まれたらしいです……。

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