大河ドラマ「べらぼう」の主人公は、吉原の貸本屋から始まり、「江戸のメディア王」となった“蔦重”こと蔦屋重三郎。主演を務める横浜流星さんに、蔦重の人物像や、初大河で主演という本作にかける思い、さらに田沼意次 役の渡辺 謙さんからかけられた言葉などを伺いました。
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誰かのために動く強い意志が魅力
蔦重は出版を通じて江戸の文化を華やかに彩り、人々の心や生活を豊かにしていった日本初の「出版王」「メディア王」。誰もが知る偉人ではありませんが、企画やプロデュース、営業まですべてを自身で担う多才さで成功し、現代に語り継がれています。
情が厚く、責任感があり、さまざまなことに果敢に挑戦して失敗してもへこたれない。そして何より、自分ではない誰かのために強い意志を持って動ける人間性が魅力で、だからこそ周囲の協力を得て、何倍もの力を生み出せたのだと思います。
吉原のため、女郎たちのため、絵師のため、そして世の中のため――。そういう思いを力に変えて行動できる人間は、強い。すごく情けないところもあるんですけど、みんなの「こうしたいな」を実現しようとする行動力がすさまじいので、いつも驚かされますし、リスペクトしています。
自分を持って生きられた時代
今回の舞台となっているのは江戸時代中期。260年続いた江戸時代のなかでも、大河ドラマでは初めて取り扱う時代です。
現代から見ると不自由ではあるけれど、今のように情報が錯綜していない分、流されずに自分をしっかり持って生きている人が多かったのかなと思います。蔦重として生きてみて、誰もが人との交流を大切にしているいい時代だと感じています。
ほとんどのことが携帯で足りてしまう現代ですが、直接会って話すとか、他人と交流することで何かを生み出すことを僕も大事にしたいです。
江戸ことばや所作を自然に見せられたら
かなり前に幕末の白虎隊を描いた舞台に出演したことはありますが、映像作品として時代劇に出演するのは、今回が初めて。所作が本当に難しくて苦戦しています。言葉も難しい。いわゆる江戸ことば「べらんめぇ口調」ですが、コテコテではないもののふだん使っている言葉ではないので、イントネーションや間合い、声のトーンとか、専門家の方の指導を受けながら、蔦重のキャラクターとして違和感がないよう、しっかりと落とし込んでいます。
時代劇だから…ということとは関係ありませんが、朝が弱くて…(笑)。監督から「明るく!」と言われているので高めのテンションで演じているつもりなのですが、朝の撮影時は「ちょっと暗いなぁ~」と…。まずは朝に強くなることが、今回のドラマ撮影での最大の課題かもしれません(笑)。
どんな作品も100%の力で!
大河ドラマに出るのは、俳優として一つの目標ではありました。今回、初出演で初主演、しかもNHKの作品自体が初。大河ドラマだからとか、主役だからというプレッシャーはないけれど、責任と覚悟を持って、100%の力でやっていくつもりです。それはどんな作品でも同じ。とはいえ、1年半、同じ人物を演じ続けるというのは、大河ドラマならでは。役者としてひとつの挑戦でもありますし、とてもぜいたくで幸せなことだと思っています。
以前、田沼意次役の渡辺謙さんと映画で親子役をした際に、ご自身が大河の主役をされたときのお話をうかがいました。ちょうど今の僕がクランクインしたときと同じ27歳だったそうで「とにかくまっすぐ全力でやればいい」と力強い言葉をいただいたので、その言葉を胸に今を生きています。
皆さんに愛される蔦重を作り上げたいという思いから、撮影放送が始まる半年近く前から作品と向き合ってきました。近い題材の作品を見て、蔦重が生まれ育った場所に足を運び、専門家から話を聞き、それらをすべて取り入れたうえで、大切に役作りしています。ただ森下先生が作った世界で蔦重として生きることがやっぱり一番なので、そこを大事にしながら自分にしか生きられない蔦重を生きていけたらと思います。
誰もが楽しめる江戸のビジネスストーリー
大河ドラマではおなじみの派手な合戦シーンこそありませんが、商いの戦いがスピーディーに展開するビジネスストーリー。町人である蔦重が主役なので、堅苦しさがなく、喜劇要素のあるエンタメ作品の感覚で作っているので、いい意味で大河ドラマらしくない作品だと思います。
長年、大河ドラマを見てくださっているファンの方々にとっては、初めて描かれる時代に新しさを感じていただけると思います。
僕自身、これまで時代劇に抱いていた堅いイメージを一切感じないので、歴史や時代劇になじみがない若い世代も気軽に楽しんでもらいたい。多くの方に届くとうれしいです。
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