アメリカのインターネットメディア、"ポリティコ(POLITICO)"による、ウクライナとEUの事実上の敗北宣言記事
ヨーロッパはウクライナを見捨てている。(Europe is failing Ukraine)
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POLITICO Europeのオピニオン編集者兼外交問題コラムニスト、ジェイミー・デットマー(Jamie Dettmer)
「ウクライナ戦争は来年には終わる可能性が高いようだが、その条件はキエフにとって極めて不利なものになるだろう。」
なぜこのような予測が出たのか?
それは、EUが先週、ウクライナの債務返済能力の維持と戦争遂行資金確保のためのロシアの凍結資産(2100億ユーロ)を利用することに同意しなかったためだ。
ベルギーの決済銀行で凍結されているロシア資産を再利用するための「賠償融資ローン」案が否決されたことで、ウクライナは今後2年間の資金調達保証を失うことになった。
この提案が頓挫した理由は、ベルギーが融資について法的懸念を抱いたことと、マクロン仏大統領・メローニ伊首相・メルツ独首相がこの提案を支持することに消極的だったことによる。
欧州委員会のライエン委員長をはじめとするこの計画の支持者たちが、何週間も議論を重ね、期待を膨らませてきたにもかかわらず、結果はこうなった。
幸いにもEUは、EU予算を担保として資本市場から900億ユーロを共同で借り入れ、無利子で融資することに合意した後も、ウクライナにかなりの資金援助パッケージを提供し続ける予定だ。
これによりウクライナは来年早々に資金が枯渇する事態は回避できるものの、このパッケージは2年間にわたって分散して提供される予定であり、ウクライナの戦いを継続するには不十分だ。
国際通貨基金IMFの予測によれば、米国の財政支援減少により、ウクライナの今後2年間の財政赤字は1600億ドル近くに達する見込みだ。
端的に言えば、ウクライナは欧州からさらに多額の支援を必要とするが、EUがこれを調達することはますます困難になる。
それでも、先週資金調達に関する合意が成立すると、多くの欧州の指導者はかなり楽観的だった。フィンランドのストゥブ大統領は日曜日、「合意された支援策は依然としてロシアの凍結資産と結びついている」と述べた。この支援策では、戦争が終結したら、キエフが融資の返済にこの資産を使用することが想定されているからだ。
「ロシアの凍結資産は凍結されたままとなる。そしてEUは、この融資の返済に凍結資産を利用する権利を留保する」と、彼はXに投稿した。
さらに、その後に融資を追加し、ロシア資産に間接的に結びつけることも可能だという考えもある。確かにその通りかもしれないが、しかしこれは戦争終結に向けた合意の内容次第で全てが決まる以上、現時点では皮算用でしかない。
一方、ウクライナの財政が再び枯渇すれば、新たな融資を確保するのは容易ではないだろう。
ハンガリー、スロバキア、チェコの3カ国は、既に共同借入計画からの離脱を表明している。
フランスとドイツにとって重要な選挙年となる2027年に、さらに数十億ユーロ規模の支援パッケージが組まれるという発想そのものに難色を示す国が加わるのも決して不自然な話ではない。
トランプ大統領はまだホワイトハウスにいるため、追加資金をワシントンに期待することもできない。
にもかかわらず、ベルギーのデウェーフェル首相は、17時間近くの交渉を経て先週合意に達したこの協定を、「ウクライナの勝利、金融安定の勝利、そしてE の勝利」と表現した。
だが、ロシアのプーチン大統領はそうは考えないだろう。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、賠償金融資を支持するよう欧州各国首脳を説得する際にこう指摘した。
「われわれが少なくともあと数年は持ちこたえられると分かれば、プーチン大統領がこの戦争を長引かせる理由ははるかに弱まるだろう」と。
しかし現実はそうならなかった。先週金曜日の大失態が欧州指導者間の分裂を浮き彫りにした現在、プーチンが持ち帰る教訓は決してそれではない。むしろ、時間はプーチンの味方をしているという確信を強めただけだろう。
もう少し待てば、側近たちがトランプの協力的な特使スティーブ・ウィトコフと練り上げた28項目の計画が復活し、ウクライナと欧州を苦境に陥らせられる、と。
これはクレムリンにとって理想的な結末だ。
プーチン大統領は世論調査も読み解き、欧州の主要経済国においてこの戦争に対する有権者の不満が高まっていることも把握している。
例えば、先週発表されたPOLITICOの1万人を対象とした世論調査では、ドイツとフランスの回答者は、米国よりもウクライナへの資金援助継続にさらに消極的であることがわかった。
ドイツでは、45%がウクライナへの財政支援削減を支持すると回答したのに対し、財政支援の増額を望むと回答したのはわずか20%だった。フランスでは、37%が援助削減を希望し、増額を望むと回答したのはわずか24%だった。
先週の欧州理事会会合に先立ち、エストニアのクリステン・ミカル首相はPOLITICOに対して、「欧州の指導者たちは、自分たちが弱体であるというトランプ大統領の主張に反論する機会を与えられている」と語った。
ロシアの凍結資産を解放する協定に署名することで、欧州を「衰退しつつある国家の集団」とレッテルを貼ったトランプ大統領の主張にも反論できると述べていた。
しかし、彼らはそれを実現できなかった。
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