南海電鉄の車両は、少し前まで首都圏の東急車輛に発注製造してきました。
現在量産中の8300系より、近畿車輛で製造することになっています。

工場から南海電鉄への搬入は、基本的に国鉄・JRの甲種輸送で行われます。東急車輛で竣工した南海車両は、東海道本線を西へ下り、京都駅でスイッチバックおよび牽引機をDD51に付け替え、 奈良線・関西本線・阪和貨物線・阪和線を南下、和歌山駅で再びスイッチバックののち、紀勢本線末端区間を辿り、和歌山市駅構内の南海車両基地に渡るという経路でした。京都や奈良で南海の車両を拝める、唯一のチャンスでもありました。関空特急ラピート(50000系)も、このルートで搬入されました。奈良線も紀勢本線末端区間も電化区間なのにDD51に牽引されるのは、和歌山市駅構内のJR・南海渡り線が「非電化」のため。

阪和貨物線は2004年営業停止・廃線になり、百済貨物駅(大阪市平野区)から関西本線・和歌山線経由で搬入されるようになります。そして近畿車輛に発注先を変更後、徳庵から片町線・おおさか東線経由で吹田貨物駅に立ち寄り、梅田貨物線~大阪環状線~関西本線~和歌山線経由での搬入ルートを採用。先日デビューしたばかりの高野線用8300系は、深夜時間帯に和歌山線を通過したようです(和歌山線に夜行列車が運転されたことはなかったはずだが)。和歌山線経由だと、橋本から南海高野線に入れたらよさそうにも思えるが・・・。

国鉄時代だったら、片町線~城東貨物線(おおさか東線)~関西本線~和歌山線という搬入ルートになるでしょう。実際、近鉄南大阪線用の車両は、このルートを使い、吉野口で近鉄線に渡っていました。ちなみに近畿車輛製の京阪京津線80形も、台車を履き替えながら、吉野口~橿原神宮前~丹波橋~三条~錦織車庫(京阪と近鉄京都線が相互乗り入れ中だったのでレールが繋がっていた)という、伝説の大回りルートで搬送されたことがあります(このルートは最初だけで、以降片町駅で京阪に引き渡すという形になる)。