バラまくほど「結婚・出産コスト」が高騰

最後に、子育て支援もまた企図しない副作用を及ぼします。

日本だけでなく、少子化に悩む各国はどこも子育て支援政策を実施しています。具体的には生まれた子に対する児童手当等の給付、保育園・育休などの福祉サービスの充実化などです。

これらをまとめたものが、家族関係政府支出と言われるもので、「この予算を増大させれば少子化は解決する」などと言う有識者もいますが、日本に限らずどの国もこの予算を増やしても少子化は止められていません。それどころか予算を増やすほど出生率が下がるという逆効果にすらなっています。ちなみに、日本の場合、2007年対比で予算3倍増なのに出生数は3割減です。

なぜ子育て支援をしても効果がないか。それは、すでに子のいる夫婦に給付など経済的メリットを提供しても、それで「もう一人産もう」とはならないからです。むしろ今いる子にお金を投じるため、子育てコストが急騰します。いわば、政府が子育て支援でお金をバラマけばバラマくほど、結婚・出産のコストが高騰し、むしろそれはこれから結婚しようとする独身者に対して「超えられない壁」を作ってしまうばかりか、「独身は取られてばかり」と無用の分断と対立を生みます。

「良き支援」が招く最悪の結末

「控除から給付へ」などと掲げた政党がありましたが、むしろ今後は「給付から控除へ」の回帰や、無償化といいつつ税負担増のようなマヤカシの見直しが必要でしょう。

このように、乳幼児死亡率の改善や就学年数の増加といった、一見少子化とは関係なさそうな環境変化が結果としてさまざまな副作用をもたらし、出生率の低下にバタフライエフェクトを起こします。

「子どもが死ななくなる」「子どもの教育環境が整う」「子育てを支援する」ことは個別にみれば喜ばしいことで、これを推進していくことに誰も反対しません。が、個別最適が必ずしも全体最適にならないばかりか、子どものためにと思ってやったことの結末が、「そして、子どもはいなくなった」というバッドエンドになるのだとしたら、なんという救いのない物語を私たちは今無意識につむいでいるのでしょう。

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