経済産業省は、太陽光発電所の建設工事前に、パネル支持物の構造の安全性を第三者機関に確認してもらうことを義務化する。太陽光の設置者に対応を課すために電気事業法の改正を検討していることが8日、分かった。工事不良によるパネルの飛散や設備の破損を防ぐ狙い。
経産省は年内に審議会で議論の取りまとめを目指す。風力発電設備ではすでに、工事計画届け出の前に構造安全の適切性を第三者機関に確認してもらうことを義務付けしている。太陽光も同様の仕組みにする。太陽光の新設は年1万件以上と多く、支持物に関する民間認証制度や規格を活用した標準化など環境整備を検討する。
太陽光支持物の構造強度に関する技術基準を定めた省令では、自重のほか、地震や風圧などの荷重に安定であることを求める。経産省は必要に応じて電気工作物を設置する事業場に民間専門機関とともに立ち入り検査を実施し、技術基準の適合性を確認したり指導したりする。だが、発電設備の出力にかかわらず支持物に関する事故が発生しており、安全対策の強度を高める。
太陽光の竣工後に不良を発見しても、作り直させるといった対応が難しい背景もある。工事前に設計などが適切かどうか確認する仕組みを強化し、発電所の事故を未然に防ぐ考えだ。
事故発生時の調査にメーカーの協力を得られるようにすることも制度で定める。事故の報告や立ち入り検査で協力を要請する。円滑な原因究明につなげる。製造者が外国法人の場合、輸入販売事業者に協力を求める。支持物のほか、太陽光パネルやパワーコンディショナーなど関連設備も対象だ。
製造者の協力では不具合機器の交換などでは対応してもらえる一方、原因究明では十分な情報を得られなかったという事例が経産省に報告されている。製造者と確実に連携するには法的根拠が必要と判断した。
高市早苗政権のもとで政府はメガソーラーの規律強化を進める。経産省は適切な建設によって事故を防ぎ、地域と共生できる太陽光の導入を拡大する方針だ。
電気新聞2025年12月9日
太陽光支持物の構造、安全性第三者確認へ/経産省検討
法改正で義務化