ポケモン廃人、知らん学園に入学した。【完結】   作:タク@DMP

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第79話:暴走

 辺りに、もう戦えそうな生徒はいない。第一陣は退けたと見て良い、とイクサは考える。

 このままアジュガとレモンと合流し、村を脱出したいところ。その前に──

 

「村長さん、村長さん、大丈夫ですか!?」

「う、うーむ……」

 

 先程、ヨノワールの”あやしいひかり”を受けた村長にイクサは駆け寄る。

 他の村人たちも呻きながら何かをぶつぶつ呟いていた。

 

「……な、なにをやっとるんじゃ……早く逃げんか……」

「ダメですよ、お世話になったのにこのまま放っておけません」

「──バッカもん……ワシらは簡単にくたばったりせんわい。それよりも早く、アジュガの所に──」

 

 

 

「あらあら、散々たる有様ですわ。まさか、たった1人相手に、全員やられたんですの?」

 

 

 

 上空から声が聞こえて来る。

 周囲には、ハルクジラの降らせた雪を上書きする勢いで氷柱が生えていく。

 ハルクジラを上回る冷気、そして霊気を漏れ出させる水晶髑髏が不気味に笑う。

 そして、その肩に掴まる美麗な銀髪をたなびかせる少女が不敵に笑みを浮かべる。

 もうやってきたのか、とイクサの額に嫌な汗がつぅと流れた。

 

「また会いましたわね、転校生。この人数を相手に、大立ち回り。敵ながら褒めて差し上げますわ」

「……マイヅル副会長……」

 

 イクサは、ハルクジラの前で倒れている駄犬を指差した。

 

「……やったの……貴女の所の秘書です……」

「……は?」

「いや、だからキルスコア一番稼いでたの、そこの彼女なんです……ハカドッグの”おはかまいり”の威力を上げる為に味方を巻き込んで、ついでに生徒会のメンツも……」

 

 沈黙がその場に横たわる。招集した覚えのない駄犬が、横たわっている。

 

(……おかしいですわね? 何で居ますのコイツ、確かフリーザー寮の出口の前でふんじばって転がしていたはず……)

 

「……タイムマシンがあったら……こいつに催眠かけた過去の自分をぶんなぐってやりたいですわね」

「あ、やっぱ正気じゃなかったんですね!? 良かったぁ、素面でこれだったらどうしようかと──じゃあ全部あんたが悪いんじゃないですか! 首輪まで付けて!」

「聞いて下さいまし、転校生。そこの彼女がおかしくなったのは──まあ半分くらいは私の所為ですけど、もう半分くらいはそこの彼女に変態と狂人の素質があったからとしか言いようがありませんの」

「何言ってんだアンタ」

「洗脳したらおかしくなったんですの!! 私を勝手にご主人様と呼びだし、自分から首輪まで付けて……今日は寮に括りつけていたはずなのに……抜け出してきましたわね」

「なんでこうなるまで放っておいたんですか!?」

「私は……こんなモンスター生み出す予定は無かったんですの! だから、私は関せずということで」

「通らないよ!? さっさと解きましょう、今ならまだ遅くないです!!」

「もう遅いですわ……手遅れですの。多分催眠解いた瞬間私が刺される未来しか見えないし、既に痴態を数多くの人間に見られているし……我が身が可愛いので放っておくことにしますわ!

 

(ダ、ダメだ……紛うことなきカスだ……怒るべきなんだろうけど、もうそういう次元じゃない……)

 

 

 ブロロロロロ、とエンジン音が聞こえて来る。

 更に──何処からともなく大の字の炎がイテツムクロを狙って飛ぶ。水晶骸骨はその身のこなしで躱してみせるが、それが一瞬の隙となった。 

 扉の開いた車が、横付けした瞬間、イクサはデジーを負ぶったまま後部座席に乗り込み、ハルクジラにボールビームを当てて回収。

 速やかに車は離脱するのだった。

 

「……成程、逃走手段を用意していたわけですの。でも、逃がしませんわよ」

 

 そして、マイヅルは周囲を見渡す。

 

 

 

「……ついでにイテツムクロの能力で村人たちの記憶操作をしておきましょう。少々派手に暴れ回り過ぎましたわね……主に、この駄犬が」

 

 

 

 もう二度と、人間相手に洗脳は使わないと決めたマイヅルであった。なまじ知性がある分、うっかり制御できなかった時の被害があまりにも大きすぎる。

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 乗り込むと、すぐに運転席のアジュガが問いかけた。

 

「大丈夫だったか!?」

「敵の大多数は蹴散らせたけど、デジーがポケモンの技を喰らって、目を覚まさないんです……ッ! 息はあるんですけど……ッ!」

「……村長たちはどうだ? 何かされてなかったか?」

「”あやしいひかり”を食らったみたいで……意識は戻ってましたけど」

「なら大丈夫だろうなッ! うむッ!」

「でも良いんですかね、村をそのままにして」

「彼らと話し合って決めた事だッ! 修行に取り組んでくれた君達を守ると言ってくれたッ!」

「それにマイヅルの奴、村人に構ってる暇はないでしょうよ。狙いはあくまでも私達でしょうから」

 

 助手席に座るレモンの言葉の通り──リアガラスからは水晶髑髏が追いかけて来るのが見える。

 

「ヤバいです、イテツムクロが!! このままじゃ僕ら、車諸共凍らされるんじゃないですか!?」

「心配は要らんッ! 無策で奴らを引き付けた訳ではないッ!! 先ず、この車の直上ではガブリアスが飛行しているッ!!」

「でも氷4倍ですよねッ!?」

「安心しろ、既に少女からウインディのオーカードを拝借しているッ!」

 

 ガブリアスの身体は炎の鎧に包まれている。不意に後ろから”れいとうビーム”が飛んできても全く問題は無い、とアジュガは語る。

 それでも、オーデータポケモン相手に真っ向から戦うのは危険極まりない。相手もオーライズを使う事が出来る上に、結局ゴースト技は半減できていないのである。

 

 

 

「故にガブリアスには、このまま車を守ってもらい、さばくのヌシに任せるとしようッ!」

 

 

 

 ぼごごごごご、と砂漠の地面から何かが潜るような音が聞こえて来る。

 

「感じるかッ! この震動がッ!」

「え? 車の揺れ──じゃないですよね?」

「ぬしポケモンの縄張りは……この、()()()()西()()()()()()ッ!! ()()が現れれば即座に駆け付けるッ!! 地中を潜ってッ!!」

 

 それは唐突に、突然に、そして当然のようにイテツムクロの直下から現れた。

 

 

 

「ギャシーギャァァァァァーッッッ!!」

 

【ドラピオン(オシアスのすがた) すなさそりポケモン タイプ:地面/毒】

 

 

 

「先ずはお前に任せるッ! 食い止めろドラピオンッ!」

「ドラピオン!?」

 

 砂漠から這い出てきたのは、全長5メートルはあろうかという巨大なドラピオンであった。

 腕と尻尾が伸び、巨大な牙が生えた蠍の怪物。

 その身体は深紅の甲殻に覆われており、身体には骸骨のような紋様が刻まれている。

 爪は砂地に潜行するために捻じれており、地面に潜るために進化したことが遠目でも分かった。

 

「あれがオシアス砂漠のぬしポケモン……!! あれなら、イテツムクロとも同等にやり合える!」

「いや、ドラピオンのタイプは地面タイプッ! 真っ向から撃ち合えば、負けるのはドラピオンだッ!!」

「ええ!? そんなに自信満々に言われてもッ!?」

「しかし、この戦い……イテツムクロを倒す必要は無いッ!」

 

 ──イテツムクロの目から放たれた冷凍ビームを、赤い装甲で受け流すように弾くと、流れるようにドラピオンはその爪をイテツムクロに突き立てた。

 

 

 

【ドラピオンの フェイタルクロー!!】

 

 

 

 

 特殊な毒液が分泌された爪が、氷の外殻を砕く。

 どくん、どくん、と尻尾が脈打ち、イテツムクロの身体に紫色の液体が流し込まれていく。

 それはオーデータポケモンすらも狂わせ、イテツムクロは急激に失速し、砂漠の上に落っこちるのだった。

 砂漠に飛び降りたマイヅルは、沈黙したイテツムクロを見やると「ねむり状態」であると判断する。

 

「んぐっ……ッ!? やはりぬしポケモン最強格は伊達ではありませんわ……ッ!! 多重装甲(フィルター)で”れいとうビーム”を弾いて、イテツムクロを一方的に眠らせるとは……ッ!」

 

 フェイタルクローは、相手を毒、麻痺、眠りのいずれかの状態異常にする凶悪な技だ。

 効果がいまひとつだろうが、一撃で倒せなかろうが関係ない。

 眠らせてしまえば、無抵抗。ポケモンバトルの鉄則の1つである。

 ドラピオンは、そのまま無防備なマイヅルに近付きながら、凶悪な尻尾と爪を容赦なく振り上げる。

 

(やれやれ、ねむり状態を治している場合ではないですわね……良いでしょう。私にもプライドがありますわ)

 

 イテツムクロを引っ込め──マイヅルはもう1つのボールに手を掛けた。

 

 

 

「私の舞は死の舞踏……素敵なパーティを始めましょう。Shall we dance(よろしくってよ)?」

 

 

 

 ※※※

 

 

 

「なんか、追ってきませんね?」

「ドラピオンの”フェイタルクロー”で眠らせてしまえば、時間は稼げるからなッ!」

「にしたって大人しい気がするなあ、あのマイヅル副会長がこれで終わるわけがない気がするんだけど……」

「そうね。油断はしないでいきましょう──」

 

 

 

 ずごごごごごごご……。

 

 

 

 何処からともなく揺れるような音が聞こえてくる。

 さっき、ドラピオンが潜行してきたときと同様の音だ。

 

「あれ? 戻ってきたんですかね?」

「早いなあ、倒したのかな」

「いや、まさか。そんなはずは──うわッ!?」

 

 車内が大きく揺れた。

 車はいとも容易く、大きな力で持ち上げられ──砂漠の上に押し倒される。

 イクサ達は座席を掴み、衝撃に耐える。

 そして、上向いた扉から外へと脱出し、言葉を失った。

 下手人は、味方だと思っていたドラピオンだったのである。その目は既に正気ではなくなっている。

 

 

 

「ギャシーギャァァァァァーッッッ!!」

 

 

 

 咆哮が砂嵐を巻き起こす。

 車から這い出たイクサ達は、狂暴性を自分達に向けるドラピオンに困惑を隠せない。

 

 

 

「オーッホッホッホッホ!! ポケモンの舞を極限まで極めさせたことはあるかしら? 無いわよねえ?」

 

 

 

 高笑いが聞こえてくる。

 暴れ回るドラピオンをガブリアスが押さえつける傍ら、マイヅルは優雅にステップを踏みながらオドリドリ共々現れた。

 

「”魅惑のフラフラダンス”……野生ポケモンが相手なら、簡単に操ることができますわッ!! ぬしポケモンも所詮、畜生というわけですわ、オッホホホホ!!」

「うむッ! 一本取られたッ! 最強の味方が最強の敵になってしまうとはッ! 敵ながら天晴ッ!」

「マイヅルの奴、この数日の間に、更にオドリドリを鍛えていたのね……前はあんなこと出来なかったもの」

「感心してる場合じゃないでしょォ!?」

「……安心しろッ! ドラピオンの事は俺がよく分かっているッ! 責任を持って俺が抑え込むッ!」

 

 飛ぶガブリアスは、ドラピオンの頭部を蹴ると、砂漠に押さえ込む。

 激闘が横で巻き起こる中、イクサは改めてマイヅルに向かい合った。

 

「──人間もポケモンも無理矢理操るんだからね、恐れ入ったよ。何一つ自分達で言う事聞かせられないの?」

「逃亡者に何を言われても響きませんわッ! オッホホホホ! 何一つ自分達で運命を決められない貴方達の方が哀れに見えますわ!」

 

 オドリドリの身体と、オージュエルが輝く。

 両者の目に紫色の炎が灯った。

 

「……でも、貴方達は操ってやりませんわ。徹底的に絶望させてやると決めていますの。二度とアトムに逆らえないように……ね!」

「パモ様、頼むよ……ッ!!」

 

 舞鳥はギガオーライズを果たし、優美なる舞姫となって砂漠に降り立つ。

 パーモットは、その迫力、そして体内に濃縮されたオーラとオシアス磁気を前に気圧されてしまう。

 

「タイプで有利なポケモンを繰り出しても無駄ですわッ!! また同じ轍を踏むつもりですの!?」

「……イクサ君」

 

 デジーは気絶しており、レモンが負ぶっている。

 戦えるのはもう、自分しかいない。

 熱を帯びたオージュエルを取り外し、後ろにいる彼女に目配せした。

 

「……使うのね」

「はい。今の僕には、これしか思いつかないので」

 

 レモンは黒化した村長のオージュエルをイクサに手渡す。

 それを見たマイヅルは目を見開いた。自分達が使っているオージュエルと同様のものを、彼は持っている。

 

「──貴方、それを一体何処で……!」

「こっちのセリフなんだよね」

 

 オージュエルを交換し、彼はパーモットのカードを取り出した。

 正直、怖い。しかし──それでも、戦うしかない。今あるもの、使えるものを使って。

 

(正直使いたくない気持ちもある。だけど──)

 

 イクサの目に一瞬、黒い炎が灯った。

 

(こいつらに、僕のポケモンはもう奪わせない)

 

「お前達に奪われたもの全部……返して貰う」

「ぱもーぱもぱもっ!!」

「……ごめんね、パモ様。苦しいと思うけど……僕も耐えるから」

 

 オージュエルが輝く。

 翳したカードが分解され、パーモットに纏わりつき、一度反発して離れるが──今度はそれが剣のように固まって突き刺さっていく。

 

「ぐぅうっ……!?」

 

 黒い靄がイクサとパーモットを包み込む。

 意識が剥がれ落ちそうになる。胸が苦しい。

 内側から、鍵を掛けた部屋から何かが這いずり出てくる。

 その正体に頭を焼かれながらも──イクサは、内なる強欲の化身に飲み込まれ、

 

 

 

 ──解放しろ。俺を解放しろ。

 

 

 

 後ろから殴られたかのように、意識を刈り取られる。

 その瞬間、パーモットの身体は黒い稲光に包まれるのだった。

 

「ぼ、暴走!? オ、オホホホホ!! 驚かせないでほしいですわねッ!! そのような中途半端なギガオーライズで私に勝てるとでも、お思いになって!?」

「ッ……イクサ君、パモ様」

 

 彼から返事は無い。

 目から炎を揺らめかせたまま、ずっと”敵”を見つめているだけ。しかし──即座にパーモットの拳が、オドリドリを撃つ。

 雷でも落としたかのようだった。

 砂嵐が巻き起こった。

 紙一重で躱したものの、紫電がその羽根を焼き、オドリドリは少なからずダメージを受けたようだった。

 

「なッ……速い……!! でも……荒いですわねッ!!」

 

 これまでを超越する速度。そして、電圧。

 だが、それを振り回すだけではオドリドリに当てる事は叶わない。

 

「どんなに強い攻撃も、当たらなければどうということはありませんわッ!!」

「ッ……!!」

 

 オドリドリの周囲に霊瘴が纏われていく。 

 来る。オオワザの姿勢だ。

 

 

 

「一撃で決めてやりますわ──”さんぜんせかいの”──」

 

 

 

 ──ズドォンッ!!

 

 

 

 黒い稲光が、オドリドリを撃ち貫く。

 オドリドリのギガオーライズは一瞬で解除され、黒焦げになって地面に倒れていた。

 

「はっ……? い、ウソでしょ……?」

 

 距離は離れていた。

 それどころか、拳を降り抜いて地面に叩きつけた後。

 物理的に、切り返せる位置ではなかったはずだ。

 文字通り、黒い稲光となったそれは、オドリドリを一瞬で撃ち抜いたのである。

 

(これは、電光化……!? ハタタカガチと同じ……!? それとも、只の高速移動……!?)

 

(そしてさっきの一撃目は只の牽制……!? こちらの出方を伺っていただけ──!?)

 

 よろよろ、と起き上がるオドリドリ。

 しかし、それを確実に仕留めるように、何度も何度もパーモットは腕を叩きつける。

 そうして、焦げた匂いが漂って来た頃には、もうオドリドリは起き上がることができなくなっていた。

 

「戻りなさい、オドリドリ!! こ、ここまで、とは……!? こうなったら……イテツムクロ!!」

 

 眠りは”なんでもなおし”でとっくに治療済みだ。

 そして、ダメージも”フェイタルクロー”が掠った程度。

 まだイテツムクロは健在どころか、全快同然なのである。

 

(出力は前回よりも上がってる……ッ!! まだ追いつけますわ!!」)

 

 さっきと同様、黒い稲光の如くぶつかっていくパーモット。

 しかし、イテツムクロはオーデータポケモンの中でも屈指の素早さを誇る。

 煙のように姿を消してしまい、全くと言っていい程居場所を掴めない。

 それどころか、いきなり大量に増殖し、取り囲んでパーモットを”れいとうビーム”で撃ち抜く。

 

「イクサ君、正気に戻って!! イテツムクロは、無暗に攻撃してたら絶対に勝てない!!」

「ヴゥ……!!」

 

 ぐりん、とイクサの首がレモンの方を向いた。

 その目は虚ろ。目の前の彼女を欲望を満たす為のモノとしか見ていない。

 戦うパーモットを放り、ゆらり、ゆらり、と炎のようにイクサはレモンに近付いていく。

 

「ダメ、ダメよ、イクサ君……正気を保って……!!」

「ッ……ヴゥ……!!」

 

 拳を握り締める。

 ポケモンが居ない。デジーは気絶している。

 アジュガも、向こうでドラピオンを抑えつけている。

 頼れる者は誰も居ない。

 

「……大丈夫、大丈夫」

 

 レモンは、デジーを砂の上に寝かせ、構えを取った。

 

(やれることを、やるしか……ッ!!)

 

 地面を思いっきり蹴る。

 一瞬でイクサに間合いを詰める。

 普段は、相手をその足で、拳で撃退するための身のこなし。

 だが、今は──黒い感情に囚われた彼に近付くため。

 深淵で眠り「彼」に手を伸ばす為。

 しかし、イクサは、あっさりとレモンの肩を掴むと、地面に押し倒してしまうのだった。

 

「がはっ……!?」

 

 上手く息が出来ない。

 起き上がる事も出来ない。

 力は万力のように強く、抵抗することが出来ない。

 

 

「レ、モ、ン、さん──!!」

 

(……バカね。そんなに欲しそうな顔しなくても……こっちからくれて、やるわよ……あなたには……沢山、貰ったもの……)

 

 誰に付いていくかなど、とっくに決めている。

 レモンはイクサの後頭部を手で押さえつけると──思いっきり、自分の顔に近付けた。

 

 

 

「んぅっ……!?」

 

 

 

 己の全てを賭け、託すため。

 少女は、己の騎士に口づけするのだった。

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