御坊市のシンボルの一つでありながら廃線の危機に直面している紀州鉄道を存続させたいと、日高地方の住民有志13人が発起人となって、ファンクラブを設立する。来年1月19日に御坊市内(場所未定)でファンミーティングを開き、多くの仲間を募ってアイデアを出し合い、自分たちに出来ることから実行していく。紀州鉄道存続へ向けては御坊市が専門組織を立ち上げる予定で、官民で支援の輪が広がっている。
1928年(昭和3)、御坊臨港鉄道として設立、31年に開業。現在は全5駅で延長2・7㌔、高校生の通学など地域住民に使われているほか、日本一短いローカル私鉄として鉄道ファンから愛され、御坊のシンボルとなっている。ただ、経営は厳しく、年間約5000万円の赤字が続くことなどから「鉄道事業を2026年中に廃止する方向」と報道されるなど、廃線の危機に陥っている。
御坊市は国、県、紀州鉄道などと専門組織を立ち上げる方針で、ほかにもふるさと線を守る東日本連絡会が「未来につなぐ会」を企画。今度は地域住民が立ち上がり、ファンクラブを設立することにした。
発起人は、今年のおんぱく(御坊日高博覧会)で一日限りの特急列車運行イベントを企画・実行した御坊臨港倶楽部や、おんぱくを運営する「NAVEL(ネイヴル)」(谷口光代表)のメンバー、紀州鉄道関係者ら。22日には発起人13人が初めて集まり、来年1月19日にファンミーティングを開いて多くの仲間を集めてクラブを結成することを決めた。紀州鉄道の現状や課題を共有し、収益を上げる取り組みとしてヘッドマークの作製や一日駅長、車内プロレス貸し切り列車などアイデアも出し合った。ファンミーティングの開催場所は現在公共機関に打診中。
発起人メンバーは「名前や代表、今後の活動をその時にみんなで決めたい。まずは存続してほしい人の署名を集めることを考えている。人が集まればアイデアもたくさん出る。単に提案するのではなく、自分たちでできることを実行していくクラブにしていきたい」と話している。紀州鉄道の大串昌広鉄道部長は「官民、地域一体となった取り組みが必要なので、ファンクラブ設立は本当にありがたい」と感謝している。