2026年度予算案の一般会計の歳出(支出)総額が122・3兆円となった。25年度当初の115兆1978億円を上回り、2年連続で過去最大。高市政権の狙いは何か。

 今回閣議決定されたのは26年度政府案だ。連立している維新、それに国民も賛成する見込みなので、そのまま成立する可能性が高い。

 ただし、この予算案について高市カラーを見つけるのは難しい。歳出総額であるが、これはほとんど石破政権の時に決められている。実際、石破政権において、6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針2025」(骨太方針2025)で方向性が定められ、それに基づき8月末の各省からの概算要求が行われている。

 8月の経済財政諮問会議に提出された中期財政試算では、26年度予算の歳出は121・8兆円、歳入のうち税収等は91・3兆円、国債発行額は30・5兆円となっている。8月末の概算要求で歳出122・4兆円だ。

 今回閣議決定された政府案では、歳出122・3兆円、歳入のうち税収等92・7兆円、国債発行額29・6兆円となっている。

 こうしてみると、歳出は8月段階とほぼ変わりなく、歳入のうち税収等が微増したために、国債発行額が30兆円を割り込むこととなった。

 さはさりながら、8月の中期財政試算における国のプライマリー収支(基礎的財政収支)は2・0兆円のマイナスであったが、今回の政府案では1・6兆円のプラスになっている。来年1月に公表される国と地方を合わせたプライマリー収支がプラスになることが確実になった。

 国と地方を合わせたプライマリー収支の推移をみると、1991年度のプラス10・7兆円以来、35年ぶりにプラスだ。92年度以降バブル崩壊で悪化し99年度がマイナス30・1兆円となった後、小泉・安倍・福田政権では回復し、プラス目前となった。

 しかし、2008年のリーマン・ショックで再び悪化し、09年度にマイナス40・6兆円まで落ち込んだ。民主党政権では東日本大震災もあり、あまり回復しなかったものの安倍政権で回復基調になった。コロナショックの20年度はマイナス48・8兆円と猛烈に落ち込んだ。それでも、コロナ対策100兆円の効果もあり、ようやくデフレ脱却までこぎ着けて、プラス転換となった。

 安倍政権での100兆円コロナ対策をてこにして、プライマリー収支黒字化をするとは、高市首相はもっている。

(たかはし・よういち=嘉悦大教授)

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