OVAから見えた「女性ファン」と新しいアニメ史
こちらの「女性向けOVA」情報募集のポストに、たくさんの情報や経験談をありがとうございました。
【情報のお願い】今、アニメ業界が80~90年代に「OVAオリジナルビデオアニメーション」で「女性向け作品」を頑張っていた歴史を書いてるのですが、少女マンガ作品アニメ化など、いろいろあったはずなのに、資料が出てこなくて困っています。
— 渡辺由美子コミケ「OVA編女性ファンとアニメビジネス」同人誌/水東ソ23a (@watanabe_yumiko) December 22, 2025
参考資料や「買いました」情報あればぜひお願いします!
実は最近、自分が女性とアニメの歴史を書くことに意味があるか、わからなくなっていたのでした。「60~70年代少女アニメ編」はともかく、「70~80年代ロボットアニメ、少年マンガ原作作品編」も反応が意外と少なくて。
コミケ評論の男性のお客さんはむしろ少女マンガ系をお求めでした。
当時世代の女性に届かなかったのは残念ですが、いずれ機会もありましょう。今年の劇場アニメ『ベルサイユのばら』が羽ばたいたように。
そんなこともあって、今回、女性向けOVA情報経験談の募集で、反響が大きかったのは嬉しかったのです。この層の方が私のお客さんなんだ、と。
おそらく「80年代後半~90年代」、
そして電ファミさん記事で反響があった「00年代~現在まで」推し活含めたアニメ文化が刺さる層に向けるべきだと。
私は、お客さんからの喜びの声によって書くモチベーションを上げられるタイプなのだなと思いました。
■書くきっかけは製作委員会アニメの初期展開
ネット時代に入る前、アニメファンの歴史は「アニメ誌」が牽引していました。
だからアニメ誌に「その時期に女性ファンを捉えることが得意な方が在籍していたかどうか」が非常に重要で、それに気がついたのはライターとしてアニメ誌編集部に入ってからでした。アニメ誌の企画は、その時編集部にいるライターや編集さんの思いによって決まっていくのです。
私がアニメ誌編集部に入った時期は、女性のアニメファンと言えるライターは、私とあと2名くらいでした。数で言えば男性陣の十分の一だと思います。
折しも90年代後半は『エヴァンゲリオン』からは製作委員会+映像ソフト時代に突入。
女性向けアニメと言えども、「TVシリーズ作品」の場合は、このフォーマットに”間借り”する形での展開が多かったのでした。
この時期は、パッケージビデオの全盛期。私が創刊に協力した声優雑誌も、男性向け作品ソフトとタイアップした女性声優さんのイベントを大きく取り上げていました。
TVアニメやOVAなど若者向けについては、私が観測していた「製作委員会作品」については、男性向け作品の展開のほうが大きく見えて、もやもやとした不公平感が残り、それで今、女性アニメファンとアニメ業界の歴史を追うようになりました。
■追うほど見えた女性向け展開の豊穣さ
ところがどっこい。
実際に80年代、90年代の調査をすると、追えば追うほど「アニメ業界やメーカーがいかに女性ファンを大切にしてきたか」が判明したのです。
今回、OVAに関連した情報をいただいたことで、
「メーカーが女性ファンも顧客にしてきた」
「女性プロデューサーもコンテンツを制作・発売していた」ことが判明!
要は「アニメの歴史の記述がまだないだけ」だったのだなと。
「当時あったこと」と「記録に残っていること」の違いは、
「女性ファン」だけでなく、ほかのジャンルでも抱えていることだと思います。
私の心の澱はかなり浄化されていきました。
アニメ業界と、これまでのライターさんにとても感謝しております。
先達の書き手の方々が、『ヤマト』『ガンダム』『エヴァ』等を軸にすることで、「アニメの歴史」というレールを敷いてくださった。まずこれがとても大きなことです。
改めて、先達の方々に感謝です。
そして後続の私やほかの書き手の方も、そのレールに継ぎ足すことでファンの豊穣な文化を記述できるのです。ありがたい!
『ガンダム』『ヤマト』もありつつ、私は女性アニメファンとアニメ業界を軸にこれからも書いていきたいと思います。



>女性プロデューサーもコンテンツを制作・発売していた ここ気になりますよねー。この話になると、だいたい最初とされてるのは『アンジェリーク』シリーズを襟川恵子氏が陣頭指揮した、みたいなところが最初にされてますけど、もっと昔からあったのかなというのは知りたいところですね。