【ブルーロック】の各キャラのエゴを解析してみた

 ブルーロックという作品をご存じだろうか。

 ストライカー適正のある300人の高校生サッカー選手を集め、彼らを特別に作られた施設『ブルーロック』にぶち込み、デスゲーム式に最強ストライカーを選出する漫画だ。
 これが純然なスポーツ漫画orサッカー漫画なのかは意見が割れる所かもしれないが、抜群に面白い事は間違いない。

 この漫画の特徴的なところは『ゴールを奪う』という目的を達成するための要素を、かなり鋭く分析し、その結果なんか知らんが自己啓発レベルのメンタル理論を展開し始めている点である。

 サッカーの戦術とか、ボール操作テクニックの感覚とか、んなことはどうでも良くて、選手単体として最強のストライカーとは、どんな定義を満たしどうやって目指すのか。そういう視点で突き詰めてあるのだ。

『エゴ』とは何か

 中でも作中で『エゴ』と呼ばれる概念がある。
 己が何を成したいか、その欲求の根源をこの作品ではそう呼ぶ。

 チームのことより、自身の欲求を最優先するエゴイストこそ、世界最強のストライカーという生き物になるのだという理屈のもと、各キャラクターはこのエゴを抱え、見つめ直し、再定義して突き進む。

 加えて人は『自分が成したいことを成すためなら全力を出せる』という概念も登場する。
 いわゆる挑戦的集中『FLOW』の鍵の一つだ。

 作中ではFLOWは、自我を忘却するほどの圧倒的な没入による、能動的な集中状態と説明される。

 当初は"自分のレベルに合った最適な挑戦"が最重要の要素として紹介されたが、その時にも「条件はいくつかあるが」とは言及されていた。
 その、その他の条件の一つが『自分のエゴと合致する』である。

 また作中で度々言及される、複数人の強みの掛け合わせて生まれる連動プレイである『化学反応』という現象。
 その最高形も、二人以上のFLOWとFLOWの掛け合わせで起きる、神がかったプレイの連鎖反応ことだと、後に主人公の潔と氷織との分析対話によって言語化された。

 そのこともあり、このエゴを自覚し、エゴに向かって正しく突き進むのは、作中でかなり重要なことなのである。 


 というわけで、このエゴについて、登場人物達がどんなエゴを抱えた選手なのかをちょっと分析してみたので、これをふと公開したいと思いました。
 前回まで書いてた『完璧な第一話』とかの記事の奴は、モチベが復活してないので続きはまた今度としたい。
 ま、記事自体、どうせ趣味だし。もう一年放置したし。許して欲しい。

 また、ここからはブルーロックの展開や登場人物について、原作の最新314話、及び外伝を含めたネタバレが存在するため、未読の人等は注意されたし。
 完全に本編バリバリ読んでて、名前を出せばその辺の大体話の流れが分かる人向けの文章になっている。

 それから今後、この考察が覆る情報が原作から飛び出す可能性も重々存在する。あくまで314話時点での考察的な分析に留まっている事を理解していただきたいと思う。

 あと完全に箇条書きなのであしからず。
 また、あくまでもエゴが解析出来た人物に限られるため、掘り下げがあった選手についても、必ずしも書いてないことは承知して欲しい。

各主要なキャラクターのエゴ

・絵心甚八

『自分の理論を証明する』がエゴと思われる。

 かつては恐らく自分で選手として理論を世界に証明しようとしていたが、何らかの理由により不可能に。
 だが核心のエゴが『世界一の理論の証明』であり、なおかつ自分の才能が『サッカーへの理解と解析』だったため、育成に回ってなおエゴに向き合っているのだと思われる。

・潔世一

『サッカーで勝利する』がエゴと思われる。

 根源的部分であり、時には自分の得点より試合の勝利を優先している。

 また第一話の最初の原体験として
『他人が自分の理想通りにゴールを決められない』
 という局面を味わっており、より完璧で不確定要素の無い方法として
『自分がゴールを決めることで絶対確定で得点する』
 という方針を基本に据えている。

 また"計算通りに勝つのが好きなタイプ"という自己分析もあり、
『絶対に勝てるサッカーを見つけ出して、そのまま確定勝利を収める』
 というのが、プレーとメンタルの両面での完全無欠の勝利だと感じているのだろう。

・蜂楽廻

『サッカーを楽しむ』がエゴと思われる。

 ボールと一体になる事の楽しさを原体験としながらも、普通の相手では楽しいサッカーが出来ないために怪物を作り出した。
 また相手や味方が強く、自分の想像力をいくらでも試せる状況に楽しさを感じる傾向がある。

 序盤の潔への依存は、いわゆる『味方が自分の想像力について来られる』という楽しさ。現在は『敵に自分の想像力を試せる』という楽しさを獲得したため、想像力の蓋を全く閉めずにじゃんじゃか好きにプレイしまくれて、ドンドコ強くなるわけである。

 また想像のコツもネオエゴリーグで、怪物の進化と、その怪物を超える事で、無限サイクルが完成した感じがある。

・千切豹馬

『俊足でぶち抜く』がエゴと思われる。

 実際一番FLOWするのは、脚を使って全員をぶち抜く瞬間。
 恐らくゴールも『自分の脚でぶち抜いた先のゴール』でなければあまり満足できない。
 そういう意味では、エゴをゴールに繋げられる『黄金式』の存在は、正にストライカーとして黄金の武器と言える。

 一度自覚すればメンタルの安定度も抜群な分、身体に不安定さがあるキャラ造形になったのだろう。

・國神錬介

 実は根源のエゴはイマイチ不確定である。

 スーパーヒーローの体現というのも正直漠然としているし、正々堂々も、別に試合中に正々堂々なマッチでFLOWに入るのかと言うと正直分からない。
 相手を真っ向から正々堂々封殺するためには、肉弾戦最強の存在になるというのは理に適っている。

 またネオエゴで潔への借りを返した場面も、正々堂々を体現するための行動であるならば、それなりにパフォーマンスは高まる。
 ただ別に士道に限らず、他の面子が卑怯なわけでもないので、本質的にどこに本人の正々堂々があるのかはよく分からない。

 絵心にはエゴは封印して当て馬になれと言われてるし、今後に期待である。

・凪誠士郎

『スーパープレーで状況を打破する』がエゴと思われる。

 一番本心が見抜きにくい奴だが、最終的に自分で見つけた『世界の中心の神様みたいな全能感を味わう』は、恐らく自分の超絶プレーで状況を打破すること、あらゆる困難を自分の不可能プレーが打ち砕き、空気が変わる瞬間に快感を感じるということだろう。

 エピ凪でも「今の俺凄くね?」という感情があったり、超絶プレーが登場するのが、基本的に目の前の壁を超えるためにどうにか手段を捻りだすことばかり。
 また1stでのレオの停滞、2ndでの潔の停滞時には、自発的に動き状況打破に動いていた点も根拠の一つ。

 が、初期では、本人の感覚で普通に出来るくらいのことで勝っていたため、凄いプレーで状況打破してる感を感じられず無気力化。

 またネオエゴのラストパスは、事実上レオに『状況の打破を任せた』という事になるため、それは凪のトップパフォーマンスではなく蜂楽に防がれた。
 逆にドイツVSイングランドで潔側へパスを出したレオは『打破すべき状況を与える』という事が出来ていたため凪はFLOWに入れたと言える。

・御影玲王

『欲しい物を手に入れる』がエゴと思われる。

 そしてその欲しい物がサッカーのワールドカップ優勝ってことで、その過程で凪を発見し、才能を見出し友情を育む中で、『それを凪と実現する』という要素も欲しくなったクチだろう。

 この自分のエゴを自覚していれば、凪を真正面からしっかり分析して、凪の覚醒を促し連れて行ってやれたのだろうが、そこが自覚的になりきれなかった故に、ネオエゴ終盤では凪の助け方を間違えたと言える。

 ただ熱くなる場面は、意外と凪関連というより逆境関連が多く、欲しいものへの道のりが険しいほどやりがいを感じるというタイプな感じがある。
 また他者の真似に特化しているのも『他人のしている好きなプレーを手に入れる』というエゴとの噛み合いが存在していると思われる。

・馬狼照英

『サッカーで敗北させる』がエゴと思われる。

 勝利を求める潔と、全く同じ結果を求めつつも対を成す、まさに悪役としての王に相応しいエゴと言える。

 そして潔が、完璧な理論で0から100までの完全無欠の勝利にゾクゾクするのに対し、こちらもプレーとメンタルの両面で、完全無欠の敗北感を相手に与えることを至上の喜びとしていると思われる。

 世界一の先に、最終的に自分の時代を築くとまで豪語しているが、これも『プレイヤー単位』から『コミュニティ単位』へ敗北させる対象を移している、割と正気で順当なエゴの進化だと言えるだろう。

・糸師凛

『全力を出すこと』がエゴと思われる。

 いわゆる破壊衝動や自滅衝動がエゴかのように書かれていたが、エゴの分析曰く破壊だけがエゴではないらしくそこからの逆算。

 相手の得意分野で勝負して真っ向から打ち負かすのも、つまり
『相手が一番強い状態なら、自分が全力を出せるかもしれない』
 というロジックだと思う。

 全力を出さなくてもクリアできてしまう不完全燃焼感がずっとあり、かつ冴時代には何が良かったかというと、恐らく、
『凛が全力を出して初めて決められるくらい難易度の高いパス』
 をしてくれていたから。だから人格が歪み切ることの無いまま、エゴを満たして上達できたのだろう。

 で、現状そんな最高の理解者は居ないので、もう最強の相手に自分の全てをぶつける命がけサッカーしか無いわけである。

 ただ2nd終了後など、相手が超格上(世界レベル)とかだと、全力を出す間もなくボールを持てず封殺されてしまって、逆に全力が出せてない感じもある。
 もしU20でにーちゃんが凛を相手にせずガンガンパスを回してたら、多分別の場所から崩して勝てたけど、FLOWに入りきれはしなかっただろう。

・士道龍聖

『ゴールすること』がエゴと思われる。

 本人は感覚的ながらそれを完璧に自覚しており、また自分の肉体もそれに全振りしたスペックを実現している。

 そしてサッカーはゴールこそが勝利に直結するため勝ちやすく、また他人のゴールに対しても、ゴールそのものへの希求から快感性が働くため、忌憚なく称賛できる。

 修行における『人生のやりたい事の全消化』はつまり、このゴールを求めるモチベーションだけを残し、それだけに人生を特化させることで、FLOWに入りやすい精神状態を作るためのものだろう。

・氷織羊

『自分が世界を変えたい』がエゴと思われる。

 作中ではパサー覚醒時に、世界の変化を演出したいと言っていたが、つまり『ゴールそのもの』よりも『ゴールを生み出す基点』を作るのがエゴ。

 潔の修行であった、試合の流れを変える瞬間があったが、その分岐点で、自分の意志が世界の命運を決定する瞬間を作りたいのだと思われる。

 作品的には、
 ストライカーが"破壊者"なら、パサーは"創造者"と言ったところか。

 なんか潔に付いて行けず不穏フラグが立ってるが、多分潔が常勝する存在だと世界を変えるもクソも無いので、FLOWに入れないのだろう。
 多分今後、負けの戦局を自分のプレーで覆すことへのエゴとかで、いくらでもプレーが良くなると思う。

・ミヒャエル・カイザー

『愛されたい』がエゴと思われる。

 ただこのエゴの難しい所は『愛されてしまうと、原動力が無くなる』という所。

 つまり愛されたいという欲求をサッカーという手段で叶え続けるために、このままでは愛されないという状況、つまり

『自分の勝利が実現しない不自由な状態』とか
『自分の愛を根こそぎ奪う、自分より強い存在が居る状態』
 を維持し続けなければ、エゴの成長へと辿り着かないのである。

 これがいわゆる『0のクソブツ』の状態。愛されてない物扱いの状態こそ、一番モチベが高くパフォーマンスが上がるのである。

 特筆すべきはネスとの関係性。

 ネスは当初、愛を注ぐという形でこのエゴを叶え続けていた。つまりカイザーの欲求を満たしつつ、カイザーの原動力を奪い続けていたことになる。
 一方ネオエゴで進化したネスは恐らく『進化するカイザーにパスを出し続け、進化しなければ愛されないという不自由感をカイザーに与え続ける』という役割に変わったと思われる。

・アレクシス・ネス

『感動を生みたい』がエゴと思われる。

 本人の言葉を引用すれば、それは『魔法を掛ける』と表現される。最初に感動したのが魔法だったからだ。

 自分の想像力を超えるカイザーの不可能破壊プレーに心底感動したため、カイザーにご執心し、感動しまくりたい人生だったわけだが、ネオエゴで自分を見つけ直したことで『自分は魔法を掛ける側になりたかった』と自覚。

 ちなみに感動というのは、常に前より凄い事に対して起きるものだ。
 同じ事の繰り返しでは慣れも飽きも生まれる。
 ネスは他者を感動させる側になるために、サッカーとカイザーに対して、常に進化を強制する存在、想像の外側のプレーを目指すのだろう。

・ノエル・ノア

『サッカーが強くなる』がエゴと思われる。

 実際、勝利自体は恐らく本人にとって重要ではなく『勝てない相手に勝利出来るようになる』という進化自体が最重要なのだろう。
 だがそれを繰り返し続けた結果、世界最強になってしまい、わざわざ自分が勝てない相手を自分で作り出すハメになった。

・クリス・プリンス

『世界一のサッカー選手である』がエゴと思われる。

 そのために世界一の肉体を目指し、世界一のパフォーマンスを目指し、相手を解析して常に成長と改善を望んでいる。

 しかもそれは世界一の称号を得ることではなく、自分の中の世界一の理想像を実現することが重きなので、おそらく実際に世界一の座についても満足しない。
 生涯一生この座であり続けて、かつ過去の歴史のサッカーを凌駕して、鮮烈に記憶に残し、的なエンドコンテンツを無限に見出し続ける可能性が高い。

 恐らく本人の理想像の中に『現在の自分を超える自分こそが真の世界一』という哲学でもあるのだろう。


おわりに

 以上が今回の記事である。
 もうただの羅列だったが、まあそういう何となく発信しておきたい情報、「自分のPCの中に眠っているだけなのはどうなん」って思う情報をメモする欄みたいに使うのが当初の発端だった気もするので、これで良い事にする。

 このアカウント、思い立って作ってから一瞬で放置したが、気が向いたらまた何か書きに来ると思う。

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