ローマ字変換の功罪
親指シフトユーザーとして日頃ローマ字変換について思うところを記したい。大学時代にPCが出現、文字を入力するのに最初はローマ字変換だった。4年次の卒研の時の担当助教授は当時からワープロで論文を打っていたが、珍しくJISかな変換だった。なぜJISかな変換なのか聞いてみたら「だって入力するキーの数が少なくて済むじゃない」とのことだった。当時何でも影響されやすい私はこれに感化され、あっさりとJISかな変換に宗旨変えした。
就職し仕事場でOASYSとの出会いがあり、1週間で親指シフト使いとなった。今思い返せば青春の真っ只中、スポンジのように何でも吸収できた時代だった。
それから親指シフトとの付き合いは40年を超えたがつくづく親指シフトで良かったと思う。会社生活の中で約5年間はアメリカに住んでいだ。PCは現地調達のものにDOS/Vで日本語化していたが、程なくWindowsが発売されWindowsでもソフトウェアドライバをインストールして親指シフトが使えるようになった。
今日、大多数の人はローマ字変換を使っているが、私はとローマ字変換を使うことにとても違和感を感じる。それは、思考の過程に必要の無いローマ字の単語を頭の中に登場させ入力する作業を強いられるということ。これは、外来語のカタカナ表記では壊滅的な思考のシーケンスで生じる。
例えば、「テーブル」と入力する時、ローマ字入力の場合、te-buruと打つがこれは文章を作成していく上で何の意味も無く、こんなことを覚える必要は全く無い。却って本来のスペルを覚える弊害になる。
「ローンチ」はro-ntiと打つが実際の言葉はlaunchであり、そこにはRとLの正しい区別はない。私はそんな滅茶苦茶な言葉の濫用をしたくない。日本人が英語が下手なのはローマ字変換を使っているからではないかと疑っている。
少なくとも親指シフトの場合は思考の過程ではカタカナはカタカナのまま脳内に生じカタカナのまま入力される。途中過程のローマ字は弊害を生みこそすれ知って得することは何もない。
しかし多くの人がそれでもローマ字変換を使用しているのは、覚えるのが簡単で入力速度が速いからであろう。入力者の年齢や能力の差はあるとしても、速度の面でローマ字変換は親指シフトよりも速く打てるのは、大勢の意見であると思う。しかしその代償としてローマ字変換は親指シフトよりも多くのストロークを要する。会社の会議などでノートパソコンしか無く、やむを得ずローマ字変換をしなければならない時、とても疲れる。10分ともたない。
私が親指シフトを続けるのは、思考の内容が直接文字として指先から出力されるという気持ち良さであると思う。私の場合、思考と文字出力はほぼリアルタイムに進行する。一言で言えば、文字入力が「気持ちいい」のだ。これがローマ字入力の場合、ローマ字の綴りが脳内に浮かび、その時、これから何を論理的に語りたいかの弊害になると感じる。
まあ、人はそれぞれだからローマ字変換を使っている人をとやかく批判することもない。
キー配列の問題
ローマ字変換かどうかと同様に、議論されるのはキー配列がANSI(US)配列かJIS配列かの問題である。ANSIでは@マークはShiftキーを押しながら数字の2キーを押すが、JISではPキーの右隣にあり、Shiftキーを押す必要はない。
私は前述したとおり、アメリカに滞在していた時、ANSIキーボードで親指シフトを叩いていたことから、これが身についてしまった。今でもキーボードを自作するときは必ずANSI配列に設定する。
私が自作するキーボードを見て、なぜ親指シフトなのか、なぜANSI配列なのか疑問を持たれる方もいると思うので、その理由と背景を書き記した。



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