「CoCo壱、高い」のブーイングはなぜ起こる? チェーンストア研究家が気づいた、“贅沢していないのに割高”と思わせるものの「正体」
CoCo壱は確かに「最低限」では高くないのかもしれないが、「標準的に満足したい選択」をすると自然に高くなる。 重要なのは、消費者心理から見れば、CoCo壱でのトッピングは「贅沢したから高い」のではなく、「普通に満足しようとすると高い」という感覚を生み出してしまっているのではないか、ということ。要するに、「普通なのに割高」なのだ。 カレーとトッピングがよほどの「特別感」を生み出してくれるならば、ある程度の値段でも消費者は納得するだろう。しかし、そうではないところに、CoCo壱の問題がある。「なんとなく損をしている」気分になるのだ。
■「選択」という名の労働が顧客満足度を下げる もうひとつ、「なんとなく高い印象」を生み出しているのが「選択肢の多さ」だと思う。先ほどから述べている通り、CoCo壱のトッピングは店のウリで、あらかじめメニューをしっかり用意するのではなく、「客に選ばせる」設計の店になっている。トッピングだけでなく、ご飯の量や辛さなど、さまざまに選択肢が多いことがCoCo壱の価値のひとつである。 ただ、ここが難しいところで「選択肢の多さ」は弱みにもなりうる。
心理学者のバリー・シュワルツが「選択のパラドックス」と命名した現象はこれをよく表している。シュワルツの言ったことを私なりにまとめると「選択肢が多すぎると、決断に多くの時間と脳内での処理が必要になる。さらに、決断した後も『これでよかったのか』という後悔が残り、最終的に満足度がさがる」ということになる。客にとっては、「選択という名の労働」を強いられていることになり、満足度が下がる。 これはまさに、CoCo壱で我々が経験していることではないだろうか。
特に、CoCo壱はチェーン店でもあるから、客としては、なるべくめんどくさい手間を省いて楽に食べたいと思うだろう。本来、チェーン店は「考えなくていい」ことに価値があるはずなのだ。 にもかかわらず、すべての選択を自分でしなくてはいけないCoCo壱には、あまりいい印象が持たれないのではないか。それに、自分で選択した後、目にするのは、かなり高い値段。全体のイメージが下がるのも、納得なのである。 ■価格と満足度のバランスを見直す時期にきている