ウォーキングよりも音楽よりも効果的…「6分でストレスを最大68%軽減する」ゴロゴロしながらできること
■メンタル不調時の脳内は“忙しい” よくメンタルが病んでいると言うと、「脳が怠けている」「甘えている」と思われがちですが、脳科学的にはそれは全くの誤解です。不安やうつを抱える人の脳はDMNを中心にむしろ過剰に活動しており、「働きすぎて疲弊している状態」にあるのです。 つまり、メンタル不調は脳が怠けているのではなく、むしろ過剰な活動によって消耗し、本来の能力を十分に発揮できなくなった状態であると理解することが重要です(詳しくは、拙著『「気の持ちよう」の脳科学』〈ちくまプリマー新書、2022〉にも記しています)。 情報があふれる現代社会だからこそ、意識的にこのDMNの暴走を鎮め、脳を休ませてあげる必要があります。そのための有効な手段の一つが、実は「読書」なのです。読書を通じてゆったりと深く物事を考える時間は、マインドワンダリングを適度に抑制し、脳の過活動を和らげるため、私たちの認知機能や脳の健康を守る上で不可欠なものなのです。 では、読書に集中しているとき、私たちの脳内では一体何が起きているのでしょうか。 ■読書が脳の「休息」になるしくみ 私たちが本の内容にぐっと集中すると、脳は巧みに運転を切り替えて、DMNの過活動を抑え、反芻思考の負のスパイラルから解放されます。 特に情報の理解や分析を目的とした読書を行う場合、注意は外部世界の問題解決に向いており、情報処理に集中するために「タスク陽性ネットワーク(TPN)」が優位になり、内部に向かう脳活動であるDMNの活動が一時的に低下します。 この脳の働き方の切り替えには、「サリエンス・ネットワーク(SN)」が重要な役割を担っています。SNは、外部に注意を向けるためにDMNを適切に抑制し、注意を調整する働きをしています。「今、大事なのはこっち!」と判断してくれるわけですね。 実際、難しい文章の理解が必要な場合など、集中力が求められる読書の際、DMNの活動が低下することが、脳画像(機能的MRI)により明らかになっています。このDMN活動の低下は、脳が内面的な思考を抑制して、より効率的に外部のタスクに集中できるようにする適応的なメカニズムだと解釈されています。 つまり、読書とは、脳の運転モードを切り替え、DMNの暴走(反芻思考)を止め、脳をクールダウンさせてくれるのです。これは、心を落ち着かせるマインドフルネス瞑想と非常によく似た効果と言えるでしょう。