「クールジャパンは致命的な失敗を犯した」世界的イスラーム法学の権威・中田考「高市政権によって、日本外交の無能ぶりが『見える化』した」
経済外交にも見える、日本外交の無能・無策ぶり
サウジアラビアやUAEの輸入相手国順位を見ると、2000年頃には日本は主要輸出国の一角であったが、2023年には中国、インド、EU諸国に押され上位から外れている。さらに日本の中東向け輸出は構造的に自動車へ偏重しており、2024年には中東向け輸出約4兆円のうち自動車が半分の約2兆円を占めた。サウジ向けでは約42億ドル、UAE向けでは約49億ドルが乗用車でありトヨタ車が例外的に高い競争力を維持しているが、自動車以外の機械、電機、消費財分野では中国製品が急速にシェアを拡大しており、日本の総合的プレゼンスは明確に後退している。 就任後一か月あまりで台湾有事存立危機事態の失言で“死文化(obsolete)”していた“敵国条項”を賦活させた、敗戦後最悪の歴史修正主義・極右排外主義的な高市政権の登場によって、日本外交の無能・無策ぶりが「見える化」[2]した。しかしそれは今に始まったことではない。 筆者は1986年から1994年にかけて、エジプトのカイロ大学でイスラーム政治哲学を専攻し博士号を取得し、在サウジアラビア日本国大使館で専門調査員として外交に関わり、アラブ諸国で暮らしていた。今から振り返ると当時は日本経済の絶頂期であり、アラブ・中東世界にも日本製品が溢れており、性能がよく何よりも故障が少ないことで信頼性が高く人気が高かった。しかし当時から「日本製品は目にしても日本人の顔は見えない」と言われていた。 [2] 拙稿、中田考「【高市早苗】新総理に待ち受ける冷徹な現実。「対中抑止の最前線に立つ地政学的緩衝国家」としての役割」2025年10月26日『ベストタイムズ』、中田考「【高市発言】中国が日本への猛抗議で持ち出した「敵国条項」とは?(前編)」2025年12月10日『ベストタイムズ』、 中田考「【高市発言】中国が日本への猛抗議で持ち出した「敵国条項」とは?(後編)」2025年12月18日『ベストタイムズ』参照。
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