任期付き研究者、1割が「無期雇用」直前に契約終了 文部科学省
文部科学省は26日、任期付きの研究者らの雇用状況に関する調査結果を発表した。2024年度中に有期雇用の契約期間が通算10年を迎え、無期雇用に転換できる特例の対象者6903人のうち、1割程度の710人が定年退職以外の理由で雇用契約を終了していた。無期雇用の権利が発生する直前に契約を打ち切る「雇い止め」が含まれる可能性がある。
労働契約法の特例で、任期付きの研究者や大学教員は有期雇用が通算10年を超えると、無期雇用に転換できる権利が発生する。しかし大学や研究機関側がその前に契約を打ち切ることも多く、訴訟となる事例もある。
調査は国公私立大や研究開発法人など861機関を対象に、25年5月1日時点での雇用契約の状況を確認した。758機関から回答があった。これらの機関に所属する特例対象者にもアンケートを実施した。
定年退職以外の理由で雇用契約を終えた710人のうち、次の雇用先が決まっているのは200人だった。求職中は31人、就職状況を把握できていない人は455人いた。一方で特例の対象者6903人のうち、5953人は雇用契約が維持された。このうち598人が無期契約を結び、5355人が有期契約を継続して無期雇用の転換権を得た。転換権を行使したのは472人だった。
研究者に無期雇用への転換を希望しない理由を複数回答で尋ねると「契約期間だけなくなっても意味がないから」が27.4%、「定年が近いから」が23.2%、「辞めにくくなるから」が19.7%で上位を占めた。
文科省は26日、全国の大学や研究機関に、無期転換の制度の周知徹底や転換権が発生する前の雇い止めは望ましくないとする通知を出した。