「鋼のメンタル」斎藤元彦知事の〝素顔〟は? 「兵庫知事候補」時代を知る記者の感じたこと
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支持する人・しない人で「顔」を使い分け?
3度目に斎藤氏の柔和な表情を見たのは、失職後の2024年10月。私が街頭演説の予定を尋ねると、「どうやったかなあ。前の知事選と同じ場所でやろうと思ってるけど」と話すなど、優しい口調でした。 ところが、斎藤氏は知事選の序盤から「メディアの報道、政局にかたよった政治で、みなさんは判断するのか」などと既存メディア批判を始めます。 再選が決まった直後のインタビューで私が声をかけると、斎藤氏は「ああ」と言ったまま、無表情で宙を見つめていて、目が合いませんでした。 その後の記者会見でも1カ月ほど、斎藤氏と目が合うことはほとんどありませんでした。 斎藤氏は最近の記者会見で文書問題への対応を問われると、「適正、適法、適切」などと繰り返し、記者の質問に真っ正面から答えない姿勢が続いています。 県幹部の一人は「無表情で淡々と『適切』と繰り返す姿勢が、斎藤知事の支持者には『メディアに屈せず、頑張っている誠実な人』と映っているようだ」とみています。 斎藤氏は告発文書の作成者を元西播磨県民局長だと特定して、停職3カ月の懲戒処分としました。 県の第三者委は今年3月にこの告発者捜しを「違法」と認定しましたが、斎藤氏は第三者委のこの結論をいまも受け入れず、懲戒処分は撤回していません。 職員に対するパワハラは「認めていきたい」としましたが、自らの処分には触れていません。 パワハラを受けたと認定された複数の県幹部らは「知事から謝罪は受けていない」と取材に話しています。 一方、「斎藤知事は気さくな人。本当は話すとおもしろい人なんだけど」と語る県議もいます。実際、斎藤氏は出張先や県庁周辺で支持者らに接するとき、度々笑顔をみせています。 斎藤氏は、2024年秋の知事選の街頭演説で「耳の痛いことも聞く」と話していました。 でも現状では、自分を支持する人と支持しない人で自らの「顔」を使い分けているように見えます。そうだとしたら、県民の分断につながりかねません。 斎藤氏が、自身を批判する人たちを含め、すべての県民に広く心を開いて向き合うことが、文書問題の解決につながる一つの糸口になるのではないか――。私はそう感じています。
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