飯豊まりえいいとよまりえ
俳優
1998年、千葉県出身。2008年、小学生向けファッション誌「ニコ☆プチ」でモデルデビュー。「ニコラ」「Seventeen」を経て「Oggi」専属モデルを務める。12年に俳優デビューし、翌年、特撮番組『獣電戦隊キョウリュウジャー』、『学校のカイダン』に出演。15年放送の連続テレビ小説『まれ』で注目を集める。主な出演作にドラマ『花のち晴れ~花男next season~』、映画『いなくなれ、群青』『惡の華』など。情報バラエティ番組『にじいろジーン』にレギュラー出演するなど幅広く活躍している。
- 出身地
- 千葉県
私が演じる愛は和彦(宮沢氷魚)の恋人で、70年代当時にはまだ多くなかった女性新聞記者をしています。会社の仕組みが男性優位だった時代ですから、大きな仕事をなかなか任せてもらえなかったり、女性は結婚して家庭に入ることが大事だという考え方が一般的で、ちょっと悔しい気持ちを抱えながらも笑顔でやり過ごしている。優しい女性なので何かあっても機転を利かせて摩擦やトラブルを避けていけるような器用さがあると感じます。
そういう意味では現実的なところがあり、本当は好きなファッションを楽しみたいと思いつつも、職場ではカッチリとした服を身につけ、プライベートで流行のおしゃれを取り入れています。社会の風潮をきちんと把握して、周囲に馴染むこともできる女性ですね。
恋人の和彦はウソがつけないところ、夢を叶える強い志を持っているところも魅力的です。海外留学を経験しているからか、女性はこうあるべきという固定観念がない人。当時には珍しいタイプかもしれません。女性もちゃんと意見を言っていいよと対等に接してくれるので、そういう部分も愛にとっては好ましいのかなと思います。
しっかり者の愛ですが、ヒロインの暢子(のぶこ/黒島結菜)と出会って、少しずつ変化していきます。暢子は自分の夢を叶えるために働く、女の子がこうありたいと憧れるような女性ですが、愛もまた仕事で自立しようと努力する芯の通ったキャラクターなので、ふたりに共通するカッコいい姿は、見る方の背中を押してくれるのではないでしょうか。
暢子とは生まれた環境も育った環境も違うけれど、感覚的に気があうし、自分にないものを持っている点に憧れていると思いますね。これまで聞いた話のなかで幼なじみだと分かってはいるけれど、和彦が自分といるときよりも、暢子といるときの方がカッコ良く見えることがあるので、私も演じていて切なくなります。愛は暢子に敵対心や嫉妬(しっと)を感じることはありませんが、やっぱり和彦と暢子の関係は気になるところ。3人が今後どんなふうに変化していくのか、“ちむどんどん”しながらご覧いただけたらいいですね。
荒木飛呂彦さん原作の漫画「ジョジョの奇妙な冒険」シリーズから派生した「岸辺露伴は動かない」の実写化。原作は誰もが知っている人気漫画ですし、私自身も読ませていただいてファンになったので、出演させていただけて光栄です。
私が演じたのは主人公の漫画家、岸辺露伴(高橋一生)の担当編集者、京香。原作では「富豪村」のお話にのみ登場するのですが、ドラマ版では役を膨らませてオリジナルキャラクターとして描かれています。3話通して登場するちょっと特別な感じの役回りをさせていただき、露伴先生と最強のコンビになれたなと思っています。
京香はもともとファッション誌の編集がしたかったのですが、露伴先生の担当になって、その不思議なところが気になり出します。それに事故で記憶を失った恋人の太郎くん(中村倫也)のために、露伴先生を使おう!とも思っていて…。そういう探究心や欲深い面が演じていて面白かったですね。また、露伴先生がさりげなく京香をサポートしてくれる点もステキでした。
“動かない”露伴先生と、ちょこまかと動き回る京香のバディ感も面白いです。京香は露伴先生に何を言われても動じない鋼のメンタルを持っている点がいいですよね。2人のやりとりを見ていると、露伴先生の書斎にずかずかと上がり込んで、最後は追い出されるという(笑)、映像でもご紹介しているようなシーンがお約束のワンパックな感じで、永遠に見ていたいなと思わされます。
見どころはたくさんあるのですが、原作とそっくりの衣装やメイクにしていただいている点に注目してもらえたらうれしいです。自然と役のスイッチが入りましたし、衣装、とってもかわいいですよね! また、第1話の「富豪村」は、一究(柴崎楓雅)とのマナー試験の場面が心理戦でドキドキさせられますが、私と一生さんの長い説明ゼリフを長回しで撮影しているので、ぜひ見ていただきたいです。
この作品では、何と言っても高橋一生さんをはじめとする皆さんと共演させていただけたことが、すごく大きな経験になりました。高橋さんと第3話で片平真依を演じた瀧内公美さんには、夜遅くまで読み合わせをしていただきました。「セリフを覚えるんじゃなくて、なぜこのセリフをこの人に対してしゃべるのか、必然的にでるようになるまで理解しなくちゃダメだ」とアドバイスいただき、私自身、演技への取り組み方が変わりました。そういう意味では役柄上でも、お芝居を離れてもかわいがっていただきました。いつか、恩返しができるようにと思っています。
1978年に大ヒットを記録した映画『柳生一族の陰謀』の令和版。徳川秀忠が急死して、三代将軍の座をめぐって家光(岡山天音)、忠長兄弟に後継者争いが勃発。そのなかで主人公の柳生宗矩(吉田鋼太郎)が陰謀をめぐらすストーリーでした。私が演じたのは宗矩の養女、茜。柳生新陰流の使い手でした。
アクションシーンがふんだんに描かれた作品で、茜にも殺陣のシーンがたくさんありました。台本を読んだとき、その強さに「私で本当に大丈夫かな」と不安にもなるほどでした。殺陣のおけいこも大変でしたが、練習のときは恥ずかしさから笑ってしまって…。「不安になるよ。本番ではちゃんと切り替わる巫女タイプだね」と先生から言われていました(笑)。
『週休4日でお願いします』で共演した岡山天音さんが徳川家光役でご出演されていて、再会できて嬉しかったですね。また、主演の吉田さんはもちろん、柳生十兵衛役の溝端淳平さんとのご一緒させていただき、俳優としての姿勢や、現場への向き合い方など、勉強することがたくさんありました。
映像でご紹介しているのは茜のラストシーン。ずっと十兵衛兄さんに抱かれてお芝居をしていたので、演じる溝端さんの呼吸や言葉の振動が伝わってきて、鳥肌が立ちました。ほかのシーンでも溝端さんの十兵衛が目の前にいると場の雰囲気が変わるので、そういった化学変化のようなこともたくさん起きていた現場だったと感じます。
残酷さもありましたが、それ以上にカッコ良くて、何よりもストーリー展開のおもしろさに引き込まれる作品です。私自身、切なさを感じられる役が大好きなので、茜を演じられてうれしかったです。難しいですが、また殺陣に挑戦できる機会もあるといいですね。
このドラマを撮影した時期は、何作も掛け持ちしてお仕事をしていて、心身ともに疲れていたんですよ。そんな時にいただいたのが『週休4日でお願いします』というタイトルの作品で、まさに私のためにやってきたような気がしました(笑)。
私が演じたのは主人公・直人(岡山天音)が働く弁当屋のパート従業員・青木華。「週休4日」を条件にパートをしているのですが、あるとき直人にその理由をたずねられるんです。そのとき、華が言ったのが「食べるために働いているのに、食べる時間がないっておかしいですよね」というセリフでした。過去に正社員で働いていたころ、激務でまともに食事も採れなかった経験からたどり着いた答えなのですが、その理由にとても納得させられて、すごく心に刺さりましたね。
華はこけしが好きで、ドラマのさまざまなシーンにこけしが登場するのですが、私もこの番組を通してこけしの見方が変わりました。また、主人公を演じた岡山天音さんは大好きな俳優さんなのですが、ホント、こけしみたいで癒やされました(笑)。二人が気持ちを確かめあうシーンで手を叩く合図。そのやりとりもほのぼのしていて「作戦はいろいろあります。伝え方とか、やり方っていうのはいくらでもあります」という華のセリフが印象的でした。手を叩いていると慰められるような感じがしたのを覚えています。
人と人との距離感も心地良くて、近づきすぎず寄り添っている感じも私の理想でした。日々頑張っている自分を少し肯定してくれつつ、立ち止まって見つめ直す時間があってもいいんだよと慰めてくれているような。1人じゃないと感じさせてもらえる点もあったかさを感じて好きでした。私自身、華をもう一人の自分という感覚で演じていました。ぜひ、忙しい方に見ていただきたいドラマです。
あまり出番は多くなかったのですが、とても印象深い作品です。1964年の東京パラリンピックを成功に導き、障害者自立のための施設を設立した医師・中村裕(向井理)さんの人生を描いたドラマで、私は障害者の就労施設「太陽の家」の事務員、岸本茜を演じました。
演じるにあたっては、実際に「太陽の家」に行かせていただき、そこにいらっしゃる多くの方とお話させていただきました。私が演じた茜は、車いす生活をしている土山アキラ(志尊淳)と健常者と障害者の垣根を超えて結婚するのですが、2人のモデルになった方々ともお会いできたんです。「出来ないことに目を向けるのではなく、出来ることに目を向けていこう」という言葉が印象的で、みなさんの姿勢に胸が熱くなった思い出があります。
アキラを演じた志尊淳さんとは、この何年か前に別の作品で共演したことがありました。3か月ほど泊まり込みで撮影をしていたので、気心の知れたお兄ちゃんという感じで、その分、ナチュラルにお芝居ができたと思っています。映像でご紹介している2人のシーンも、とても自然に見えていたので安心しました(笑)。
何気なく見えるこのシーンですが、茜が車いすを押しているのでも、寄り添って歩いているのでもなく、自分の歩調で歩いているところに優しさがあると監督からうかがいました。茜は車いすのアキラを特別視するのではなく、自然体で接しているんですよね。私自身、ALS患者の方にお会いしてお話させていただいた際に、健常者も障害者も心は変わらないんだということに気がつかされ、人の心を見ることが大切だと思ったので、とても共感できました。
パラリンピックや障害者の自立をテーマにしていたこともあり、この作品をきっかけにパラリンピックや障害者スポーツに興味を持つようになりました。今年は障害者バスケットボールを描いた『アニ×パラ〜あなたのヒーローは誰ですか〜episode11』に声優で参加させていただく機会もあり、積極的にパラリンピックに関わらせていただけたらと思っています。
改めて映像を見返すと恥ずかしいですね。懐かしいなぁ。『まれ』は初めてオーディションを受けた作品で、本当にこの作品の一部になりたいと思っていたので、終盤のレギュラー出演者に選んでいただけてうれしかったです。演じたのはまれ(土屋太鳳)のケーキ店「プチ・ソルシエール」の常連客で、のちにアルバイトとして採用される女の子。将来はパティシエになりたいと思っているのですが、夢に向かって真っ直ぐな紗那の姿に、まれは修業時代の自分を重ねるんです。
パティシエを目指してまれに弟子入りを志願するという設定だったので、プロの方に教わりながらお菓子づくりの練習もしました。実は撮影が終わると、撮影に使ったケーキをいただけたのですが、それが楽しみで(笑)。実家に持って帰ったら「『まれ』で見たケーキだ!」とすごく喜んでくれました。
連続テレビ小説の現場は特殊で、事前にリハーサルがあったり、多くのカメラで撮影したりと、慣れないことがたくさんありました。でも、歴史ある連続テレビ小説に出演させていただいたことは、私にとって特別な経験だったと思っています。街を歩いていて役名で声をかけられることが増えましたし、ドラマが終わってからも「見てたよ」と言っていただけることが多くて。実際にこの番組をさかいに、続けて出演作が決まったりもして、見ていただける機会が増えたんだなと実感しました。そういう意味ではターニングポイントとなった作品といえますね。
また、まれを演じた土屋太鳳さんは、世代は近いのですが、私にとってはとても大きな目指すべき存在。今でも、また太鳳さんと共演できるように頑張らなきゃと思っています。太鳳さんが主演されていたドラマ『チア☆ダン』で一瞬だけ共演が叶いましたが、今度はもっと長くご一緒できたらうれしいです。










