ポケモン廃人、知らん地方に転移した。【完結】   作:タク@DMP

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断章Ⅱは次回で終わるくらい短いです。


断章Ⅱ:水晶の後継者
Act1:後継者探し


 ──リュウグウ亡き後、すいしょうのおやしろのキャプテンは不在となっていた。

 だがしかし、いつまでも御三家三社の一角を空白にしておくわけにはいかない。

 現在の御三家三社は、ポケモンライドの実力は突出しているもののバトルを専門としていないハズシと、就任したてのユイの二人だけ。

 一方、旧家二社と言えばめきめきと実力を付けてきているノオトと、元より序列三位の実力者(だったが最近目から生気が消え失せている)ヒメノ、そして頭脳明晰運動神経抜群の天才・キリの3人。 

 御三家三社の戦力は、かつてない程に落ち込んでしまっている。実力者だったショウブに加え、今年リュウグウも逝去したことが響いているのだ。

 また、町のまとめ役も居ないこの状況、セイランシティは一刻も早く新たなキャプテンの擁立を急いでいた。

 しかし問題はヌシのシャワーズである。

 キャプテンはヌシに選ばれなければ、認められないのだ。

 その方法は様々だが、このハードルがなかなか高い。

 リュウグウの死で最も塞ぎ込んでしまったのは彼女と言っても過言ではない。一時期はエサも食べずに瘦せ細ってしまっていたのだ。

 そして簡単にリュウグウ以外の人間を自らの傍に立つキャプテンに選ぶはずもない。

 オマケに、すいしょうのおやしろは5社で最も小さく、実質的に管理をしているのはリュウグウと、彼の身内くらいなもの。

 だが、シャワーズは頑固なもので、その身内の中からキャプテンを選びはしなかった。

 夫人曰く、

 

「まぁ……分かってはいたけどねえ……そう簡単に割り切れないわよねえ、シャワーズちゃんも……」

 

 と言っており、ある意味この結果に納得はしているようだった。

 とはいえ、このままずっとキャプテンの席を開けておくわけにもいかないので──

 

 

 

 

 ”セイランシティ・キャプテン・オーディション”

 

 

 

 

 ──町主催で開催されたのが、この選考会である。

 それを視察しに来ていたのはノオトとキリの二人。

 旧家二社としても、御三家三社のキャプテンが決まる──かもしれない瞬間は見逃せない。

 その一方で身内とも言えるユイとハズシと言えば、

 

 ──こんなんでキャプテンが決まったら世話無いわよ。あたしはパス。

 

 ──ごめんなさーい♡ 私教習の予定が入ってて♡

 

 と、言っておりハナからオーディションに期待などしていないようだった。

 とはいえ、シャワーズに気に入られるような人間など早々居はしないという意見には同意の二人ではあったが。

 

「そもそも、おかしいっしょ、ふざけてんスか? 何でオーディション形式?」

「生前リュウグウ殿は言っていた」

 

 

 

 ──ワシが死んだ後の後任? オーディションしたらええ。セイランの住民から我こそは! という者を募る。その中からシャワーズが気に入った者がキャプテンじゃ。

 

 ──いや、ワシも探しちょったよ? 本当じゃって。ただ……シャワーズがなかなかワシ以外の者を気に入らんのじゃ。こやつは赤ん坊の頃から世話をしちょるからの。

 

 ──とはいえ、キャプテンが空席になるのは避けねばならん、ワシもいつぽっくり逝くか分からんからの!

 

 

 

 この後継者問題はリュウグウも頭を悩ませていた。

 シャワーズは元々彼やその身内以外の人間には気を許さない性格。

 彼女自身は大人しい性格だが、親しい人間以外の前にはめったに姿を現さないのである。

 リュウグウの死後、その傾向は更に強まり。

 今も、何とかリュウグウの家内の傍らで丸まっているが、見慣れない人間ばかりの場所に連れて来られて非常に不機嫌そうだった。

 とはいえ、いつまでもキャプテンの後継者を決めないわけにはいかない。

 

「適当なのやらちゃんとしてるのやら……あの人らしいッスね」

「……リュウグウ殿はキャプテン歴も最長。その彼の後を継ぐのだ。此処に名乗り出た者は猛者揃いでござろう」

 

 

 

「エントリーナンバー1番!! 宴会芸やりまァァァーす!!」

 

【シャワーズのハイドロポンプ!】

 

【エントリーナンバー1番は倒れた!!】

 

 

 

 水ブレスによって場外へ吹き飛ばされた男を眺めながら──ノオトは頷いた。

 

「……確かに猛者だったッスね……」

「そうでござるな……」

 

 

 

 ──断章Ⅱ「水晶の後継者」

 

 

 

 ※※※

 

 

 

 ──セイランシティの誰も居ない港で、2人は今日の振り返りをしていた。

 しかし、開催されたオーディションの結果は散々たるものであったことは言うまでもない。

 

「結局、シャワーズに気に入られるようなトレーナーは現れず、ッスね」

「うむ……シャワーズにバトルを挑んで返り討ちにされる者、出てきた瞬間にハイドロポンプを浴びせられる者……やはりキャプテンの器を持つ者は早々現れやしないということでござるな」

 

 ──確かにキャプテンは今までリュウグウ氏以外に有り得ないとされてきた……だが今は違う!

 

【シャワーズの ハイドロポンプ!!】

 

 ──ヌシ様に認められるには力を示せば良いと聞いた。この私もかれこれ、かつてはジムリーダー志望でね。手合わせ願──

 

【シャワーズの ハイドロポンプ!!】

 

 ──シャワーズちゅわああん!! ウワサ通り可愛いでちゅね──

 

【シャワーズの むげんほうよう!!】

 

 ──俺の名前は──

 

【シャワーズの ハイドロポンプ!!】

 

 ──ま、まだ……何にも……言ってないのに……。

 

 今日のオーディションを思い返すノオト。

 確かにある意味では強豪揃いだった。全員シャワーズのハイドロポンプに吹き飛ばされていったが。

 中には本当にキャプテンが務まりそうな人もいたが、それも即ドロポンで退場。

 

「要するにアレ、気に入らねえから即消えろって事っしょ? 見掛けに違わぬ氷水の女王様ッスねえ、あのシャワーズ」

「リュウグウ殿が死んで以来……いや、テング団の襲撃以来シャワーズはずっとああだ。立ち直ったのが奇跡と言えるレベルでござる」

「結局の所、今のサイゴクにはキャプテンになれる人はいないって事ッスよね……」

「……こればかりは仕方がないでござる。今このサイゴクに居なくとも、いずれ生まれてくる可能性もあるし──今サイゴクの外に居る人間という可能性もあるでござろう」

「何言ってんスか。生まれて来る、って……随分気が長い話じゃねーッスか」

「ノオト殿とヒメノ殿がそうでござろう」

「あっ……そういやそうだったッスね」

 

 長年、よあけのおやしろのキャプテンが不在だったことをノオトは思い出す。

 その間、約10年以上。旧家二社のおやしろは、ひぐれのおやしろだけで持たせていたも同然だったのである。

 アケノヤイバのキャプテン選定基準は、一定以上の霊力を持つことであり、尚且つイッコンで最もそれが優れていること。霊能力者がイッコンでは減少しており、そもそもヒメノが生まれ、成長するまで基準に達する者が現れなかったのだ。

 そして、それまでアケノヤイバは然してキャプテンに人格を求めてこなかった。しかし、先代・アサザが年を取る度に横暴になっていった挙句、怖い者知らずに外来種を虐殺した挙句祟られて死んだので、同じ事例が起こらないように性格上バランスが取れたノオトを助役として選んだのである。その判断は正しかったとしか言いようがない。ヒメノの性格は先代のそれを色濃く残したものだったためである。

 

「……じゃあ最悪、今後10年くらいはキャプテン不在ってこともあり得るんスね……」

「そうでござるな……ポケモンも神ではない、感情面でキャプテンを選べないということもあり得るだろう」

「このタイミングでオーディションなんかしたのって悪手も良い所だったんじゃねーッスか?」

「いや、キャプテンになれる者が”居ない”事が分かるだけで十分でござる。居ないなら居ないで割り切って代役を立てて、それで凌げばいい」

 

 とはいえ、キャプテンの最大の長所はヌシとの信頼関係、そして一糸乱れぬ連携だ。キリもずっとこのままで良いとは考えてはいない。

 他のおやしろがサポートしてでも後継者を探さねばならないことは確かだ。

 キリの理想は五社全部の結束。旧家二社だけに戦力が偏っている今の状況は善しとはできない。

 

(とはいえ、現在は全てのキャプテンが多忙とも言える状況……拙者も先の件で周りの監視が厳しい……)

 

 ──キリ様の仕事量はしばらく、このミカヅキが厳しく管理いたします。

 

 ──と言うのは……。

 

 ──見れば見る程、わざわざキリ様がやらなくて良い仕事ばかり……こういうことは我々部下に任せれば良いのです!

 

(……まあ仕方ないのでござるが。また倒れてノオト殿が悲しむのは……拙者も困る)

 

「どうしたんスか、キリさん」

「……ノオト殿。仮面を取ってほしい」

「えっ」

「大丈夫。今なら……良い」

 

 甘えたいとき、彼にしか見せない表情を見せたいとき、キリは自らの仮面を取るようにノオトにねだるようになった。

 今は周囲に誰も居ない、と気配で分かる。こうして甘えられる数少ない機会だ。

 

「……人混みの中で少し疲れたでござる」

 

 仮面を外した彼女は、ノオトに寄りかかる。

 フローラルな香りにどぎまぎしながらも、ノオトはそれを受け入れた。

 そして自然に彼女は、ぱたり、と膝の上に倒れ込む。

 

「……膝を借りる。ノオト殿」

「へへっ、お安い御用ッスよ」

「……かたじけない。後は……髪をといてほしい」

「……髪……触って良いんスか?」

「この櫛を使ってほしい」

 

 そう言って彼女は、年季の入った櫛をノオトに手渡した。

 それを物珍しそうに手に取った彼は、自らの膝に寝転がるキリの髪に櫛をあてがう。

 夕陽に照らされて、サイゴク人からは懸け離れたブロンドの髪が輝く。

 

「きれーな色してるッスね」

「……? もうだいぶ使い込まれているでござるよ」

「いや、櫛も素敵なんスけど──きれーなのはキリさんの髪」

 

 頬が夕焼けに負けないくらい赤くなっていくのがノオトにも分かった。

 

「ッ……唐突に褒めるのをやめるでござる。それに、この髪は……亡くなった母からの授かりもの」

 

 ぽつりぽつり、と彼女は呟いた。

 

「母は、大の忍者ファンで、たまたま海外の任務に出向いていた父に一目惚れし、そのままサイゴクに着いてきた」

「随分トんでる人だったんスねえ……」

「……だがついぞ、拙者は母の顔を見る事が無かった。拙者を産んで……亡くなったらしい」

 

 病気だった、と彼女は続けた。母体と子供、どちらを助けるかと聞かれ──苦渋の思いで皆してキリを選んだのだと言う。

 

「拙者は……それに負い目を感じていた。それが拙者を過酷な修練に走らせた。だが……間違っていた。ノオト殿のおかげで、父上の言葉を思い出せてよかったと思ってる」

「言ってたッスね。父さんの分まで、って」

「ああ……だが、実際には違う。拙者を此処まで育て上げて来てくれた皆の分まで、だ。母上も含んで、な。その為に拙者は死ぬわけにはいかない」

 

 つん、とノオトの鼻先を指で押しながらキリは微笑む。

 

「……ノオト殿もその中に入っているでござるよ」

「へへっ。ま、トーゼンッスね! まあ、キリさんから言われるのはちょっと恐縮というか、なんつーか……照れるッスね!」

「……拙者もでござるよ」

 

 顔を逸らすと──彼女は続ける。

 

「この髪は任務で黒く染めることもあるが……拙者はそれでも、この色が好きだ。母との唯一の繋がりのように思えてならない」

「オレっちも好きッスけどね、まるで西洋人形みたいで可愛いじゃねーッスか」

「またすぐにそうやって軽率に……いや、もういい。素直に受け取っておく。……少し、眠い」

 

 気持ちが良かったのか、彼女は徐々に目が蕩けてくる。

 そのうち、くー、くー、と小さな寝息が聞こえてきた。

 あれだけ忍としての姿は勇ましいのに、こうしていると──まるで幼子のようだ。

 口ではああ言っているものの、とても嬉しそうにしていたのをノオトは忘れていない。

 

(あんまり可愛い可愛い言ったら、ウソみたいに思われちゃうかなあ)

 

 ノオトは苦笑しながら櫛を置いた。

 

(きれーな人、ってのは初めて会った時からずっと変わんねーんスけどねえ……)

 

 

 

「ちょっと良いだろうか?」

 

 

 

 意識の外から飛んできたその声に、パチリとキリは目を開けて、飛び上がる。

 ノオトも思わず身構えた。

 声を掛けられるまで、全くと言って良い程気配というものが感じられなかった。

 いざ振り返ってみると大きなカバンを背負った背の高い青年だったので、ノオトはすぐに構えを解く。

 白い髪の青年だった。何処となく冷たい雰囲気を身に纏っている。

 キリも、自らが今仮面を外していることを思い出し、ノオトの影に隠れてしまうのだった。

 

「えーと何の用スか?」

「船で此処に来たんだが……オーディションとやらはもう終わったのか?」

「えぇ? もうとっくに終わったッスよ」

「……間に合わなかったか。まあ良い」

「それに、結局皆シャワーズにハイドロポンプで吹き飛ばされて終わりだったッスからね。やめといて正解ッスよ」

 

 こくこく、とキリは頷き、ぎゅっとノオトの服を掴む。

 

「そうか。済まなかったな」

「……?」

「それにしても、ヌルいヤツが多いんだな。本当にキャプテンになりたいなら、ヌシの水技の一発や二発、受けに行けばいいだろうに」

「いや、ふっつーに鼻の骨折れるッスからね、あの火力」

 

 踵を返すと、青年はあっさりとその場を立ち去っていく。

 冷たい雰囲気に反して、話は分かりそうな──しかし、何とも不思議な空気を纏った青年だった。全くと言って良い程つかみどころがない。

 

「何だったんスかね? あの人……」

「……あの顔、何処かで見たことがあるような……」

「マジスか?」

「……確か……5年ほど前のおやしろまいり殿堂入りトレーナーの顔の中に似たようなのが居たような気がするでござるよ」

 

 

 

 ※※※

 

 

 

「……空気が冷えこんでいる。俺が来たことが分かっているんだろう」

 

 

 

 周囲には霜が降っていた。

 木々の葉は凍り付いていき、彼女の行き場のない怒りを表すように地面も凍結していく。

 おやしろへ続く道は”立ち入り禁止”のチェーンが張られている。

 だが、彼が鳥居をくぐるまでもなく、ヌシは自ら姿を現し、降りて来た。

 

 

 

「……プルルルルルィィ」

 

 

 

 しん、と空気が凍てつく音と共にそれは姿を現す。

 非常に殺気立った顔で、侵入者の顔を睨み付け、後ろ脚で地面を激しく蹴った。

 しかし、それに全く動じることなく青年は一歩、また一歩とシャワーズに近付いたので、

 

 

 

【シャワーズの ハイドロポンプ!!】

 

 

 

 ヌシは容赦なく彼に水の束をぶつけるのだった。

 常人なら吹き飛ばされ、下手をすれば大怪我も免れない最大出力。

 しかし、それを受け止めたのは、青年が自ら繰り出した手持ちポケモンだった。

 水の塊を熱で蒸発させ、全身から沸き立つ熱が周囲の氷を溶かしていく。

 

「……セキタンザン、ご苦労」

「シュポポポポーッ!!」

 

 

 

【セキタンザン(サイゴクのすがた) せきたんポケモン タイプ:炎/水】

 

 

 

 現れたのは、両肩から煙突の如き突起が生えた、鋼のボディを持つポケモン。

 しかし、体内の高熱によって表面は罅割れており、常に蒸気が噴き出している。

 

「特性・じょうききかん発動……これで、準備は整った」

「ぷるるるるーッ!」

「お前はいつもそうだ。俺の心を沸騰させてくれる」

 

 

 

【シャワーズの むげんほうよう!!】

 

 

 

 

 周囲を泡という泡が埋め尽くした。

 セキタンザンが自由に動けなくなるほどだ。

 しかし、それを全て体内から発する熱だけで彼は蒸発させてみせる。

 そして目にも止まらぬ勢いでシャワーズ目掛けて突貫するのだった。

 

「爆ぜろ……スーパーリミットブレイク……またの名を”SLブレイク”!!」

 

 

 

【セキタンザンの SLブレイク!!】

 

 

 

 まさに蒸気機関車の如き力強い突進。

 水ブレスをシャワーズに撃たせる間もなく、大きな水蒸気爆発と共に吹き飛ばしてしまう。

 しかし、吹き飛ばされたシャワーズもただでは転ばない。

 限界までチャージしていたそのブレスを、思いっきりセキタンザンにぶつけてみせるのだった。

 にらみ合う両者。まさに痛み分けだ。

 

「……まだやるか? シャワーズ」

「プルルルル……!!」

 

 殺気立った空気が漂う。

 シャワーズが、地面を蹴り、青年目掛けて飛び掛かる。

 

「ストップ、ストォォォーップッス!!」

「ああ、遅かったか!!」

「ヌシ様と喧嘩なんてとんでもねぇヤツッスよ!!」

 

 ──その瞬間、割り込むようにして、ノオトとキリがその場に駆け付ける。

 彼らが遠巻きから見ていたのは、オオワザを放つべく泡を周囲に展開している光景。

 そして、爆ぜるような爆発が起きる光景。

 おやしろからヌシのシャワーズが降りてきているのも問題だが、彼女と戦っているのは先ほど自分達の前に現れた青年。

 何としてでも止めねばならない、と意気込んでいた。しかし──

 

「喧嘩? とんでもない。じゃれ合いだ」

「プルルルー♪」

「あ、あれ……?」

 

 しかし、彼らが次の瞬間見ていたのは、ごろごろと喉を鳴らしながら青年に纏わりついているシャワーズだった。

 とてもではないが、先程オオワザを展開していた彼女と同一のポケモンとは思えない。

 しかも人嫌いなはずの彼女がべったりと甘えているのである。

 

「……あ、あんた、何者なんスか……!」

「あの人嫌いな”すいしょうのヌシ”が、一発で懐いた……!?」

「一発じゃあない、昔はそれはそれは手痛い仕打ちを受けたものだ。このお姫様に」

「じゃあリュウグウさんの知り合い……!? それならそうと最初に言っておくッスよ……」

「……? 何故初対面の君達にそれを言わねばならない」

「ド正論……」

「だが、おやしろの関係者だったなら謝る。勝手なことをして済まない」

 

 彼は頭を下げると──ノオト、そしてキリの前に進み出る。

 

 

 

「俺は()()()。リュウグウさんには昔、世話になってな」

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