それで、一緒に飲みに行ったときの話に戻るけど、お酒が出てくると、すぐに掛け声がかかる。
「イッキ! イッキ!」
ビール、日本酒、ウイスキー…。もう、ずっと「イッキ! イッキ!」ってやる。帰ろうとしたら「ナニィ?」って絡まれる。さすがに途中で逃げたが、彼らは朝まで飲んでいたと思う。それで私は名付けたんだ。彼らのことを「イッキ、イッキ、ブラザーズ」と。
私と対照的に日本になじめなかったのが、同じ1983年に阪急に入団したバンプ(ウィルス、注3)だったなぁ。あるとき「見ろ」のサインが出ると、バンプは怒ってバットを肩に担いだまま、微動だにしなかった。三振してベンチに戻ったら、上田さんが血相を変えてバンプのところへ歩み寄って、怒っている。バンプは無視して、ダッグアウトからクラブハウスへ続く階段を降りていった。上田さんがそれを追いかけ、コーチ、選手も追いかけた。
私も行こうとしたんだけれど、次は私の打順だった。主審が「ミスターブーマー、早く」とせかす。でも何かあったら、俺が仲裁に入らなきゃいけない。ダッグアウトと主審の顔を交互に見ながら「チョット、マッテクダサイ」って必死に時間を稼ごうとしたけど、見に行けなかった。裏は、修羅場だったらしい。