AIでプログラミングが「楽しくなった」人たちと、少し違和感を抱く自分
最近、SNSを眺めていたり、オンライン・オフライン問わず交流をするような機会で、多くの人がAIの登場をポジティブに受け止めている声を聞く。「開発速度が格段に上がった」「今まで以上にたくさんのものが作れるようになった」「プログラミングがより楽しくなった」。確かにそれは素晴らしいことだと思う。でも、その一方で、なんとなくモヤモヤした気持ちを抱えている自分がいる。
私がソフトウェアエンジニアとして一番達成感を感じるのは、複雑な問題を解決できた時だ。OSSの難しいissueかもしれないし、本番環境で突然発生した謎のエラーかもしれないし、パフォーマンスが劣化した原因を突き止めることかもしれない。なぜこの問題が起きるのか、どこに原因があるのか、仮説を立てて検証を重ねて、ついに問題の本質を突き止めた時の興奮。そして、既存のコードと調和する美しい解決策を思いついた時の満足感。私にとって、プログラミングはパズルのようなものなのかもしれない。
AIによるコーディング支援を否定するつもりはない。APIの使い方を調べ直したり、linterの指摘に従って機械的に修正したり、ちょっとした便利スクリプトを生成したり、新たな知識を得る際の先生役になってもらったり。そういう作業や調べものの部分では、AIの助けは確実に私の生産性を向上させてくれる。調べればすぐに思い出せるような些細なことは、AIに任せて本当に考えるべき部分に集中できる。
でも、謎解きの楽しみまでAIに委ねてしまうのは、どうしても抵抗がある。どのように原因箇所を絞り込んでいくか、最小再現構成を作れないか、どのような仮説を立てれば謎のバグの発生を説明できるか、その仮説が正しいことを検証するにはどのような手順を踏めば良いか。この思考プロセスこそが、私にとってのエンジニアリングの醍醐味なのだ。
正直に言うと、AIに大部分を任せてしまうと、なんだか「自分がやった」という実感が薄れてしまう。問題を解決できたのは確かだけれど、それは本当に自分の力だったのだろうか、という疑問が残る。きっと、自分の頭で考え抜いて解決策に辿り着いたという、その過程そのものに価値を感じているのだと思う。
周りを見渡すと、AIを活用して圧倒的な速度でアウトプットを出し、高速でPDCAを回している人たちがいる。その姿を見ていると、自分もこの速度感についていけないと、ソフトウェアエンジニアとしてやっていけないのではないかという焦りを感じることがある。
でも、考えてみれば、エンジニアリングの価値って、アウトプットの量や速度だけで測れるものなのだろうか。もちろん、ビジネスの現場では効率性は重要だ。でも、複雑なシステムの中から問題の本質を見抜く洞察力や、美しい解決策を生み出す創造性、そして何より「なぜだろう?」と考え続ける知的好奇心は、人間ならではの価値なのではないだろうか。
AIが台頭する時代だからこそ、この「考える楽しさ」を大切にするエンジニアがいてもいいのではないかと思う。全員が同じ方向を向く必要はない。効率性や生産性を重視する人もいれば、プロセスそのものに価値を見出す人もいる。どちらも正しくて、どちらも必要なのだと思う。
この文章を読んでくれた人の中に、もし私と同じような違和感を抱いている人がいたら、個人的には嬉しい。そして、AIによってプログラミングが楽しくなったという人には、こういう人もいるんだなと思ってもらえれば十分だ。
技術は進歩し続ける。AIもさらに進化していくだろう。でも、人間の知的好奇心や創造性の価値が失われることはないと信じている。
この記事はAIにbrainstormの相手になってもらい、対話を重ねながら書いた。



コメント
7最後、皮肉が利いててよいね。
この表題につられて読む層は開発系のエンジニアだと思うけど、概ねの主張に同意。
自分で書いたプログラムじゃないのはあんまり、作品に組み込みたくない。
それに加えて、AIに書いてもらったコード、複雑なのはそれなりの確率で間違ってるから当てにならない。
まぁ、手直して動くように書き換えればいいんだけど。
個人的には自身の書いたコードを喰わせて、改良点の余地があるか否かなど、チェックに使ってます。
AI活用で効率化が進む中、考えるプロセスを飛ばした“勢い任せのプロダクト”がプログラミングとして流通している現状に危機感を覚えています。
私自身、AIを使いながらも要件定義の妥当性検証や、幾何学アルゴリズム設計のような複雑な工程を深く考え、実装・レビューまで通しています。
業界見積もりとの差分可視化や、開発期間の大幅短縮など具体的な効果も得られました。
そこにこそ、プロフェッショナルが生み出せる価値があると実感します。考えることの意義、共感しました。
AIでのプログラミングがなぜここまで楽しいのか考えていたので意見の違いに驚きました。
私がプログラミングで楽しいと思っている所は
「アルゴリズムを考えるところ(コーディングの前段階)」
だというのを最近自覚し、
よく言われる「パズルみたい」な部分というのはこの部分を指してるんだろうな〜と考えました。
一方、機能の実装に伴うどう調べればいいかから考える必要のある調べ物や誤字脱字によるエラー、うっかりミスなどが頻発する「実際のコーディング」は面白さよりも面倒臭さが目立つ印象でした。
そこにAIの登場で、自分の考えたアルゴリズムを実装したプログラムを面倒臭い作業なしで作ってくれるのが楽しいと言うのが私の感じていることです。
つまり私の場合、
アルゴリズムを考えるのはパズル的で楽しく、
実際のコーディングは面倒臭さい作業てんこ盛りと考えてるのでAIが特に便利に思えるんだなと自己分析して考えてました。
記事を拝読いたしました!また読ませて頂きます🙇♂️