「乱暴で稚拙」、山口大の学費値上げで保護者が怒りの会見【山口】
山口大の学費値上げに対して、保護者からも反対の声が上がった。同大に進学するという高校生の保護者らが23日、県庁で会見し、不透明なプロセスへの不信感を募らせ、「やり方が乱暴で稚拙。子どもの人生を何だと思っているのか」などと怒りをあらわにした。
同大は来年度の入学者から、現行の学費を20%増額することを決定。国の運営費交付金の減少や物価高騰、施設の老朽化に伴う多額の更新費用を背景に、教育環境の充実を図るためとしている。教職員や学生からは、値上げ決定までの過程が不十分だとして反発の声が上がっている。
会見した保護者の子どもは、一般入試に先行して9月に実施された総合型選抜を受験。同1日に出願後、1次試験を受け、合格後の28、29日に2次試験に臨んだという。
大学が学費値上げをホームページに掲載したのは25日で、試験期間のさなかだった。保護者によると、8月のオープンキャンパス以降、受験を終えて合否を待つ間も大学から直接の説明はなく、10月末の値上げ決定を報道で知ったという。
11月に合格通知と共に大学から値上げの正式な連絡を受けたが、電気料金の上昇や物価高などの理由が文言で示されているだけだったとし「自分たちから情報を探しに行かなければ何も分からない。値上げをするなら、財政状況を数字で示すべきだ。少なくとも同じ選抜方式で受験した保護者には、直接説明すべきではないか」と訴えた。
大学への不信感は強く、会見を開くことで子どもが不利益を被るのではないかという不安もあったという。それでも同じ思いを抱える保護者が多いことを知り、この日の会見に臨んだとも明かした。
知人の中には、値上げを理由に受験を取りやめた家庭もあるという。「不合格だった生徒の保護者から『むしろ落ちてよかった』という声も聞いた。そう言わせてしまう大学とは何なのか」と語気を強めた。
保護者の子どもは、同大のある教授の授業を受けたいという目標を持ち「選抜がだめなら一般入試で」と勉強に励んでいたという。「その姿を見ていると、行かせられないとは言えない。増額分は残業や副業で賄うしかない」と胸の内を語った。
会見には、学費値上げに反対する学生有志の会の中村悠璃代表(人文学部4年)も同席した。中村代表は、国の補正予算で山口大への支援が決まり、10月末から局面が変わったとして「今からでも学生、教職員、保護者の声を聞き、学費値上げを撤回してほしい」と訴えた。