性自認が男女どちらでもない「ノンバイナリー」の東京都内の40代当事者が31日、「長男」と記載された戸籍を「第1子」など性別を明らかにしない形に変更するよう求める家事審判を、本籍がある京都府の京都家裁に申し立てた。(三宅千智)
◆「男性女性という概念に翻弄されてきた」都内の40代
31日に都内で記者会見した申立人によると、男性として出生届が提出されたが、幼少時から女児との遊びを好んだ。ホルモンバランスの乱れなどで乳房が膨らむ「女性化乳房症」がみられ、身体的な性の発達が多様な性分化疾患の診断を受けた。婦人科系疾患を抱えるが、戸籍上は男性で、医療機関の理解が得られないこともあるという。「男性女性という概念に人生が翻弄(ほんろう)されてきた。人として尊重してほしい」と訴えた。
申立人の代理人でトランスジェンダーと公表している仲岡しゅん弁護士は「男女という二元的な分類から漏れる人もいる。戸籍上の性別とはいったい何なのか、これを機に考えてほしい」と話した。
戸籍法13条は、戸籍に記載しなければならない事項を「実父母との続柄」とし、性別の定めはない。申立人側は、性別に基づく記載は実務上の慣習で、法的根拠はないと主張している。
代理人によると、同様の審判は2例目。別の50代のノンバイナリー当事者が「長女」とある戸籍変更を申し立て、京都家裁が3月17日付で「戸籍に男女の別を記載することは必要かつ合理的」として却下した。この申立人は大阪高裁に即時抗告した。
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