平成医療学園、国の科研費「経営資金に流用疑い」 元評議員が主張
柔道整復師などを養成する宝塚医療大学(兵庫県宝塚市)と6つの専門学校を全国で運営する学校法人「平成医療学園」(大阪市)の元評議員が24日、大阪市内で記者会見し、同学園が研究活動に対する国の助成金「科学研究費助成事業(科研費)」を経営資金に流用した疑いがあると明らかにした。
科研費は人文・社会科学や自然科学などあらゆる分野を対象に文部科学省が研究者に配分する助成金。研究者が応募し、日本学術振興会が審査して助成する。使途は補助金適正化法や政令などで定められ、目的外の使用はできない。不正が発覚した場合、法令に基づき返金や数年間の交付停止といった措置が取られる。
流用の疑いは同学園の元評議員で、同窓会会長の松本尚純氏(49)が記者会見で明らかにした。
松本氏によると、今年8〜11月、法人内の科研費用口座から運転資金用口座に延べ5400万円が送金されたとする記録を入手した。「運転資金に充てた疑いがある」としている。同氏は公表した理由について「学園のガバナンス体制に危機感を持っている」と話した。同氏は会見後、報道機関に送金記録のコピーも提供した。
同学園は取材に対し「月末払いの資金として8月末に3000万円を科研費口座から支出し、9月中旬に同額を戻した。また、給与資金として11月下旬に2400万円を科研費口座から支出し、12月中旬に戻した」と説明している。
同学園は2000年、柔道整復師や鍼灸師の業界団体「全国柔整鍼灸協同組合」が母体となり創設された。現在は宝塚医療大学と6つの専門学校の計7校を関西や関東などで運営する。事業報告書によると、学生数は25年5月時点で計約4200人。
松本氏は今年5月、入学時に存在しない自治組織の会費を不当に徴収されたとして、ほかの卒業生らとともに学園側に返還を求める訴訟を大阪地裁に起こした。訴訟資料によると、学園側は争う方針を示している。