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くだもの本来のおいしさを、     ずっと大切に。                パッケージデザインが語る「果汁グミ」の魅力|あの商品の裏側?!

濃縮果汁を使った果汁100(※生果汁換算比)のグミキャンデーとして、1988年に誕生した「果汁グミ」。“くだもの本来の果汁のおいしさ”を手軽に味わえるこの商品は、子どもから大人まで幅広い世代に親しまれ、フルーツグミの草分け的存在となりました。
 
たくさんの人に愛されてきた「果汁グミ」を語るうえで欠かせないのが、白い背景にみずみずしいフルーツを主役にしたパッケージデザインです。今ではすっかりなじみのあるデザインですが、その裏には長い試行錯誤の積み重ねがあったのだとか。
 
そこで今回は、「果汁グミ」のパッケージデザインを担当する株式会社 明治(以下、明治)の山路 桐子さんと、商品開発を担当する髙谷 倫弘さんに、パッケージデザイン制作の裏側を伺いました。発売から約37年、時代とともに少しずつ姿を変えてきたパッケージデザインの変遷と、その背景にある思いをひもときます。

“くだもの本来の果汁のおいしさ”をギュッとつめ込んだ、「果汁グミ」のものづくり

――そもそもの話になりますが、明治のロングセラー商品である「果汁グミ」はどんな商品なのでしょうか?

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【プロフィール】
髙谷 倫弘
株式会社 明治 グローバルカカオ事業本部 カカオ開発部 カカオニュービジネスG。2011年入社。研究所で「キシリッシュ(2023年3月末に販売終了)」をはじめとしたガムの開発に従事後、グループ会社で工場での現場管理を経験。2018年より現部署でグミやガム、キャンデーなどの商品開発を担当し、現在はグミの商品開発に携わる。2022年より「果汁グミ」を担当。

髙谷:くだもの本来の果汁のおいしさを楽しんでいただくことをモットーに開発している商品です。どの味でも果汁をたっぷりと使い、発売当初からの"果汁100"を守り続けてきました。
 
また、くだもの本来の姿も楽しんでもらえるように、グミの形はそれぞれのくだものをイメージしてデザインし、色も “着色料不使用”で果汁本来の色を生かして作っています。噛み心地については弾力があるのに歯切れがいい、絶妙な食感で設計しており、幅広い世代のお客さまに楽しんでいただけるように設計しています。

――2025年3月からのパッケージデザインは、白背景にみずみずしいフルーツが目立つ配置へとリニューアルされていますが、どんなこだわりが込められているんですか?
 
山路:前回のデザインでも表現していた、朝の農園で摘みたてのくだものの“新鮮さやナチュラルさ”、新鮮で生に近い味わいを特長とするくだものの“堂々とした印象や安心感”といった表現はそのまま引き継いでいます。

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【プロフィール】
山路 桐子
株式会社 明治 価値創造戦略本部 商品開発改革部 デザイン戦略G アートディレクター。2017年入社後、グループ会社で経理業務に6年間従事。うち約1年は、新規事業創発を目指すプログラム「mBD(meiji Business Development)」に参加。2023年4月より、現部署でパッケージデザイン開発を担当。社内での意見取りまとめから外部デザイン会社への依頼まで、デザイン業務の旗振り役を務める。2024年より「果汁グミ」のパッケージデザインを担当。

山路:それに加えて、くだものを全面に出すことで、新鮮なくだものから採れるみずみずしくて透明感がある、どこか優しい味わいの果汁がギュッとつまったイメージを強調しているんです。
 
みずみずしさを表現するために、2013年からはくだものの実際の写真を使用しているんですけど、今回の撮影では、くだものにつける水滴の量や位置、光のキラッとした反射具合まで細かく検証しました。チームメンバーがくだものを水で濡らした写真を撮ってきてくれたので、それを見ながらみずみずしさの具合を調整するなどもしています。
 
また、実際に一粒食べたときに感じるギュッとしたみずみずしさをイメージしてもらえたらいいなと思い、くだもののむき身や断面のイメージも添えました。
 
――今回のパッケージデザインへとリニューアルした理由を教えてください。

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山路:昨今、華やかなパッケージデザインが増えて、スーパーやコンビニのグミ売り場がすごく賑やかになりました。その影響を受け、相対的に存在感が少し弱まってきてしまった果汁グミの良さを改めてお伝えするためのリニューアルです。果汁グミが大事にしてきたメッセージをシンプルに、力強くお伝えすることを意識してデザイン開発に取り組んでいきました。
 
髙谷:リニューアル後は店頭での認知が高まって、SNS上でもお客さまから「果汁グミらしい」とか、「おいしそうに見える」といった評価をいただいています。売り上げも好調なので、パッケージデザインも評価されているかなと思います。

“ナチュラルなおいしさ”と“安全・安心”。変わらない価値を包み込むパッケージデザインの歩み

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――これまでの歩みを振り返るために、歴代のパッケージを並べてもらいましたが、共通して表現していることはありますか?
 
山路:本物のくだものに近いナチュラルさや新鮮さ、みずみずしさという「果汁グミらしさ」を大事にしています。そこで、ナチュラルな印象から離れてしまわないように、「くだものを搾る」といった加工を感じるような表現はしないようにしているんです。また、"果汁100"や“着色料不使用”にこだわることで安心感だけじゃなく、誠実さや純粋さも大事にしていますね。

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(左から)1988年発売当初のパッケージ、2001年のパッケージ、2007年頃のパッケージ

山路:その中で、2004年頃からは“より果汁感を感じてもらいたい”と、背景に白以外の色を初めてつけることにしたのです。

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髙谷:この頃から女性のお客さまがグミを食べる機会が増えてきたので、安心感だけじゃなくて、美容にうれしい成分としてコラーゲンを全面に訴求しようと、「噛むコラーゲン」というコピーもつけ始めました。この打ち出し方を始めたのは、果汁グミが先駆けだったんじゃないかなと。
 
発売当初は中高生をメインターゲットにしていたんですけど、年月を重ねるうちに訴求内容も広がり、より幅広い世代に親しまれる商品へと変わっていったんですよね。
 
――その後、2013年からのパッケージでは白背景にまた戻っていますね。

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(左から)2010年頃のパッケージ、2013年のパッケージ、2014年のパッケージ

山路:果汁系グミの競合商品が増え始めた中で、明治は“果汁の濃さ”や“果汁100による上質感”で差別化しようと、2008年頃からは高級感のあるデザインへといったん変えています。ただ、それだと違いが次第に見えづらくなったので、当時のチームメンバーが「果汁グミの本質って何だろう?」と話し合ったそうです。
 
そのとき、「“ナチュラル”なイメージがあるから、“安心”して三世代で“日常的に召し上がっていただけること”が果汁グミの良さだよね」という結論になったらしくて。そこで2011年のデザインリニューアル時に、ナチュラルさや安心感を体現しようと、清潔感を覚える白背景に、果汁がたっぷりと入っているくだものを主役にした現在のデザインコンセプトが完成しました。

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2018年のパッケージ。ひと口食べたときの果汁のみずみずしさを想像してもらえるように、フルーツグミでむき身を初めて登場させた

山路:またパッケージデザインでは、日常に溶け込む身近さ、やさしさも一貫して大事にしています。だから、味の表記は途中から「グレープ」じゃなくて「ぶどう」と日常的な呼び名にしたり、この「果汁グミ温州みかん」のように食卓で食べることを想像できるような写真を使ったりもしているんです。

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2022年発売の「果汁グミ温州みかん」。断面は手でむいたような自然な切り口を意識した

――よく見てみると、ロゴのデザインや配置も頻繁に変わっているんですね。
 
山路:そうなんです。競合商品でハード系グミが増えてきて、お客さまの中で「グミは噛む楽しさがある」という気持ちが醸成されていたので、果汁グミもその楽しさを伝えるために2022年からロゴを大幅にリニューアルしました。

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「かみごたえチャート」を掲載し始めた2022年のパッケージ。味だけじゃなく、食感でも選べる楽しさを提案

山路:新しいロゴでは文字の角や先端の形、文字の太さ等で、“弾力があるのに歯切れがいい、絶妙な食感の噛み心地”を表現して、すっと噛める心地よい食感がイメージできるようにしています。また、金のラインを加えた文字にはグラデーションをかけることで、今まで大事にしてきた“みずみずしくて透明感のある果汁の味わい”を表現し、くだもの本来のおいしさが伝わるように工夫しました。
 
そして、ロゴに込めたメッセージがより伝わるようにと中央にロゴを、その上部にみずみずしいくだものを配置しました。ただ、お客さまにロゴが広く浸透したことで、2025年からはくだものを主役にしたデザインに戻しています。

小さな物語を描いたパッケージデザインで、わくわくする気持ちを呼び起こす

――レギュラー商品とは違って、期間限定品は背景の描写にちからを入れているように感じますが、どんな意図があるのでしょうか?
 
髙谷:“本物のくだもの”を意識した商品づくりの中で調査を重ねていくと、くだものは家族の思い出と結びついた存在で、「親から用意してもらってうれしかったから、今度は自分の子どもにも用意してあげたい」と世代をつなぐ食べ物であることがわかりました。
 
発売から約37年経ち、多くの家庭で世代を超えて親しまれてきた「果汁グミ」も同じような存在だと考えたんです。そこで、山路さんに「期間限定品は、旬のくだものとの思い出をイメージできる背景に変えませんか?」とお願いして、世界観から検討してもらっています。

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2025年7月発売の「果汁グミすいか」(期間限定品)から背景を変更。縁側で、麦わら帽子を被った子どもたちがすいかを楽しむシーンを描いた

山路:期間限定品では、「果汁グミ」が大切にしてきたことをシンプルに、直球で力強く伝えることに加えて、味以外の部分でも楽しんでいただけるように、背景は“季節とくだものの物語”を感じるデザインにしたんです。

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2025年11月発売の「果汁グミゴールドキウイ」(期間限定品)は、収穫したてのゴールドキウイを頬張ったときの風味を想像できるように、キウイが実っている様子を背景に

山路:小さい頃って、絵本や紙芝居を読み聞かせてもらうことがありますよね。そのとき、「これから、どんなお話が始まるんだろう」とか、「この挿絵の動物たちは、こんな感じの声かな」と想像して自分の中で世界が広がったり、読み終わったあとは「次はどんなお話なんだろう?」とわくわくしたりしませんでしたか?
 
そんなふうにパッケージデザインを見たお客さまが思い思いに物語を想像してくださり、次のお話をわくわくしながら待つように、次の期間限定品を楽しみにしていただけたらいいな、という思いを込めてデザイン開発をしています。

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山路:このアイデアを思いついたのは、私自身も小さい頃に読み聞かせてもらった絵本や、寝る前に父が歌ってくれた歌謡曲から情景を想像してわくわくした記憶があるからだと思いますね。

日常の中で“心がキラッとする瞬間”を感じてもらいたい

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――山路さんは、今後のパッケージデザインをどのように進化させたいですか?
 
山路:今まで大切にしてきたことは守りつつも、それをより生かせるような新しいチャレンジをしていきたくて、そのひとつが今年12月発売の「果汁グミSpecialとちあいか」(期間限定品)です。

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栃木県産のいちご「とちあいか」を使った特別バージョン。研究所チームが見つけた果汁で試作したところ、味も香りも格段に良く、特別感のあるデザインとすることに

山路:試作品のサンプルを開けた瞬間、とちあいかのすごく深い香りに、思わず「わあっ」と驚きました。その香りを表現しようと、とちあいかの後ろにゴールドのラインを入れています。特別な一粒をじっくり味わい幸せで満たされていくお客さまを想像しながら、検討を進めました。
 
――最後に、今後もチャレンジを続けるパッケージデザインを通して、お客さまにどんな体験や感情を届けていきたいですか?
 
髙谷:くだものには子どもの頃の思い出などの価値もありますが、若者のくだもの離れも進んでいると聞きます。グミはコミュニケーションツールとしても使われますし、本物のくだものに近い果汁グミを通じて友達同士だけではなく、世代を超えたつながりも生んでもらえたらうれしいです。世代を超えて共感されるパッケージデザインは、今後も山路さんにお願いしたいなと思っています。

山路:ありがたい限りです。期間限定品のパッケージデザインでは、「あのとき、こんなことがあったな」と昔の思い出を懐かしく感じて心地よい気持ちになってもらう体験もお届けしたいですね。また、新しい味を見つけた瞬間、一人一人がきっと持っている純粋な気持ちが顔を出して、心がちょっとだけキラキラする体験もしていただけたらいいな、と思っています。

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