新型「特急しなの」のデザイン発表、乗り心地など向上 製造は2社で
JR東海は23日、中央線の特急「しなの」の新型車両「385系」の量産先行車の外装や内装のデザインなどを発表した。乗り心地や車内の快適性が現行の383系に比べて向上したほか、同社の在来線車両としては約30年ぶりに川崎重工業系のメーカーが製造に参加する。来年春ごろに完成し、走行試験を経て量産車は2029年度ごろの導入を計画している。
量産先行車は8両編成で、外観は「アルプスを翔ける爽風」がテーマ。流線形の両先頭車は大きな窓で展望が楽しめる。車体を傾かせて遠心力を小さくすることで高速でカーブを通過できる「振り子式」の車両という点は383系と同じだが、振り子を制御するセンサー類を刷新するなどして乗り心地の向上を図っている。
グリーン車の座席は北アルプスの朝焼けや長野県花のリンドウをイメージした配色とし、383系より座席を1列少ない横3列にしてシートの幅を拡大。リクライニングしても後ろの座席を圧迫しない「バックシェル式」の座席を採用し、壁の装飾には岐阜県の伝統工芸品の美濃焼もあしらう。普通車の座席は木曽の森林をイメージした緑色になっている。グリーン車と普通車の全座席にコンセントも設置する。
製造はJR東海子会社の日本車両製造が主に担当するが、7、8号車の車体は川重子会社の川崎車両が製造する。台車や振り子装置の製造などには関与しないという。JR東海によると、同社の車両を川重系が製造するのは在来線では1996年の383系以来、新幹線を含めても2009年のN700系以来という。
JR東海の丹羽俊介社長は23日の会見で、川重系の参加について「車両の開発では複数社を競合させる。総合的な判断だ」と説明。385系については「沿線の風景と調和が取れたデザイン。景観を楽しみながら利用いただきたい」と本格導入に期待を寄せた。