東大入試ですら「高1レベルの数学」

なお、留学生の試験は学部でも大学院でも日本人とは別枠で、EJU(日本留学試験)という、難易度が低いとの指摘もある試験を利用できる。西田氏が続ける。

「EJUは、頭の良さを問うタイプの試験ではなく、標準的な高校レベルの勉強で解ける素直な問題が大半です。公表されている過去問を見ても、配点の多い『日本語』は、問題量は多いものの高校基礎レベルの内容です。特に漢字圏の中国人にとっては、格段に有利な制度となっており、実際、国別受験者数の3分の2は中国です。数学は高1~2レベルの『コース1』と高3~受験レベルの『コース2』に分かれていますが、学部によっては、これを“自由選択”としている旧帝大も多い」

例えば、東大の学部でも、EJUを使えるが、文系は数学は「コース1」を利用するなど、難易度は高くない。

教室で試験を受ける学生
写真=iStock.com/sengchoy
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中国人留学生の「学閥」ができている

「さすがに東大であれば、EJUは満点に近い点数が必要になりますが、日本人が共通テストで満点に近い点を取る難易度と比べると、相当に容易であるのは間違いありません。あとはTOEFLか英検で高得点を取る必要はあります。こちらも逆に英語圏であれば、有利になります。

さらに東大の大学院の留学生は約5000人で、この10年で1.7倍です。日本人が大学院自体にいかなくなった影響で、学生集めに苦慮している面があり、倍率が2倍を切る文系の研究科は独自のルールにより、出身校のランクが見られる程度でほぼ面接だけで入れるところもあります。

特に東大留学生の6割以上を占める中国人には富裕層も多く、入学後、将来的な寄付金への期待値が極めて高いといえます。ですから、見方によっては入試時点で入りやすいと話す関係者も少なくありません。なお、彼らは日本人東大生の同窓ネットワークに食い込もうとするだけでなく、中国人独自の東大閥も形成しています。税も投入されている最高学府の研究成果の行方も気になります」