全国の男子高校で広がる生理の授業 広島でも疑似体験「めっちゃきつい」
広島市西区の広島学院高3年生がこの秋、女性の生理について全3回の授業で学びを深めた。生理に苦しむ女性と接する機会が少ない男子生徒が、適切に配慮できる大人へ成長できるようサポートするため。全国の男子校で、同様の取り組みが広がっている。 【画像】生理用ナプキンを触って体験する男子生徒 広島学院高の3年約180人は初回、生理の基礎を養護教諭から学習。10月10日の2回目は、性の多様性やジェンダーについて考える広島大のサークル「SEI!!!」の指導で、生理用ナプキンの着用感を疑似体験した。 経血風の赤い液体を吸収させたナプキンに腕を置き続け、「ぬれた靴下をはいているみたい」などと不快感を訴えた。 29日の3回目では、外部講師の指導で特殊な装置を下腹部に着けて生理痛を疑似体験した。「めっちゃ痛い」「きつい」と顔を覆ったり、身をよじったり。体験後、「生理が受験と重なったらまずいのでは」「職場では生理痛で叫び声を上げられず、一人苦しんで大変」などと話し合った。 永久元さん(18)は「僕は持病の片頭痛の痛みにどうしても慣れないから、女性も生理痛に慣れないのでは。大学に進学して周囲の女性が生理で困っていたら、どうしてほしいか尋ねて対応したい」と話した。 日本財団が2021年に全国の17~19歳の千人(男女各500人)にした「女性の生理」に関する意識調査で、男性の61・0%が「男性にも生理に関する知識がもっと必要」と答えた。「学校の授業で教えるべき情報」を男性に尋ねたところ、最多の58・0%が「思春期の身体の変化や生理の仕組み」を選んだ。 こうした中、男子校で生理の授業をする動きが各地で出ている。出版社の宝島社(東京)は、男女共に生きやすい社会を目指し、22年から東京と横浜市の男子高計3校で順次実施した。 教壇に立った「大人のおしゃれ手帖(てちょう)」編集長の橘真子さんは「女性の不調を解決する製品はたくさん世の中に出た。ただ、男性の理解は進んでいるとは言いがたく、コミュニケーション不足から摩擦も起きている」とみる。生徒たちの真剣な様子に驚き、手応えを感じたという。 神戸市の灘高は21年度から生理教育を始めた。近くの大学の女子学生に来てもらい、少人数で生理のしんどさを直接聞く機会を設ける。担当する公民科の片田孫(そん)朝日(あさひ)教諭は「年の近い女子学生としっかり語り合う機会を設ければ、家族やパートナーたち周囲の女性に対して『生理のときに何を配慮してほしいか』とコミュニケーションを取りやすくなる」と話す。 広島学院高は灘高を例に生理の授業を取り入れた。養護教諭の立川紗也さんは、男性が生理の苦しさに想像力を働かせることで、ほかの痛みに苦しむ人にも気付けるようになるのでは、と見込む。外見から分かりにくいがメンタルが弱い、おなかに持病がある―。「さまざまな人のつらさにさりげなく配慮できるすてきな大人になってほしい」と期待している。
中国新聞社