【独自】ついに大阪に「EVバスの墓場」が出現か?不具合多発でリコールも出た『万博EVバス』の行方

万博終了直後には大阪シティバス港営業所の駐車場に大量のEVバスが並んでいた。9月には国交省の総点検命令が出された
万博終了直後には大阪シティバス港営業所の駐車場に大量のEVバスが並んでいた。9月には国交省の総点検命令が出された

複数の関係者が明かした懸念

山積みの課題にEVMJはどのように対応していくのか。本サイトは同社に「名門大洋フェリーからの取引停止の実態」「大阪メトロへの保管代の請求の有無」「対策済みブレーキホースでの不具合の状況」について質問状を送った。

まず「名門大洋フェリーからの取引停止の実態」については、以下のような返答があった。

「名門大洋フェリーにつきましては、’23年12月28日に(名門大洋フェリーから)出ているインフォメーションの通り、弊社のみならずEV車両全般の引き受けを一時休止されております。その為、現在では車両搬送時には他フェリー会社を使用して車両搬送を行っております。また、車両輸送の発着港につきましては、現時点で取引停止の宣告を受けたことはございません」

たしかに名門大洋フェリーは’24年1月1日からEV車両の“無人”航送は引き受けを停止しているが、“有人”の搬送は対象外だ。EVMJが大阪メトロに納車した『愛中和E1乗合』というEVバスでフェリーの出航を遅延させたのは’25年3月のことで“有人”による航送だった。3月7日には、「名門大洋フェリーがEVMJ要因の遅延、キャンセル等が多く乗船させたくないと主張している」「フェリー会社へ謝罪、お願いが必要になる」といった内容が、メールにて社内共有されていることも把握している。

また「大阪メトロへの保管代の請求の有無」については、

「弊社からの公式ステートメントではなく、これを否定させて頂きます。また、費用に関しては、お客様との兼ね合い、取引条件もありますので、回答を差し控えさせて頂きます」

とした。しかし、筆者は12月某日にEVMJから大阪メトロ宛に発行された請求書を入手している。その項目には『泉大津駐車場費用(2ヵ月) 600坪(11/1~12/31)』と書かれており、金額も概ね一致している。

最後の「対策済みブレーキホースでの不具合の状況」については、以下のように返答があった。

「リコールに関して現在、各事業者様と協議を進めながら交換作業対応を進めさせて頂いております。現時点で実施させて頂いている中で不具合が見つかったという報告は上がっておりません」

こちらについても、取材に応じた複数のEVMJ関係者より、

「WISDOM社から送られてきたブレーキホースの2割近くに欠陥があり、とてもじゃないがリコール用の交換部品として安心して使えない」

との供述を得ている。なお、EVバスの所有元である大阪メトロは保管された大型バスを12月末に別の場所に移送する予定だという。EVMJに送り返しての再点検をしないといい、今後、同バスに関しては使用を完全停止する決断をした模様だ。会社の存続が危ぶまれているEVMJのバスを今後、購入する会社が出てくるとは思えない。

場所は変われど「EVバスの墓場」が誕生する日は意外と早いかもしれない。

  • PHOTOosaka-subway.com提供

加藤 久美子

自動車生活ジャーナリスト

山口県下関市生まれ。大学卒業後は日刊自動車新聞社に入社。その後、フリーへ。『くるまのニュース』『AUTOCAR JAPAN』『ベストカー』などの自動車メディアへの寄稿も多く、年間約300本の自動車関連記事を執筆している。

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