12月17日水曜日、12月議会が閉会しました。
今回の議会は、開会日に多くの報道陣が集まり、今までにない緊張感の中始まった議会でした。
この間、みんなで大家さんで問題となっている、小菅地区の民間開発に関する報道が相次ぎ、11月1日には成田市議と市長が、開発業者である共生バンクと関わりがあったという報道がありました。
それをうけ、議会報告会でも市民の方から指摘があったことから、多くの注目が集まっていました。
12月3日に一般質問でこの問題を取りあげましたので、いままでの経緯も含め報告したいと思います。
この開発に係る市と市議会の決定等
まず、今回の開発で市が大きな決定をしたのは2回あります。
①地区計画決定と②開発許可(造成)です。
①地区計画決定
この小菅地区は、市街化調整区域にあり、さらに騒音下の地域でもあるため、開発にはさまざまな規制があります。建物等、できるものできないものとても細かいので、説明は難しいですが、地区計画を作る事で、この地区で開発がしやすくなったのは確かで、許可等をスムーズにすすめ、この大規模な開発を促進する役割を果たしているのが小菅地区の地区計画といえるでしょう。
市はこの地区計画について、宿泊施設や劇場、ショッピングモールなどの商業施設、流通業務施設、研究施設などの立地を可能とする土地利用計画になっていると答えています。(
2017年12月8日 共生バンクが地区計画等に関する申出書を提出
2017年12月26日 都市計画提案等の検討会議(市が小菅地区の地区計画策定にむけ、動き出すことを決定)
2018年1月15日 小菅地区地区計画原案の公告
2019年2月15日 小菅地区地区計画案の公告(法定手続き開始日)
2019年4月5日 小菅地区地区計画を決定
②開発許可
この地区45haの造成の開発行為を許可するもので、資金やスケジュール、工事業者などを審査します。
2019年7月16日 共生バンクが開発許可の申請
2019年10月29日 小菅地区の開発を許可
そして、市議会には関連議案が1回提出されています。
①地区計画の区域内に定めた建築物の制限に関する条例改定
2019年8月30日 議案提出
2019年9月26日 賛成多数で可決(日本共産党は反対しています)
開発許可の完了予定年月日が4度目の延長
成田市の許可した造成の開発行為は、当初2021年3月末まででしたが、その後3度、期限が延長され、2025年11月30日までになっていました。
この間、この完了予定日が変更されるのか注目されていましたが、
11月25日付で、工事完了予定年月日を2027年8月31日に変更する開発行為変更届出書が提出され、市は受理しました。
NAAと市の対応が違う?
一方で、開発用地の4割を貸していた成田空港株式会社(NAA)は、契約更新をせず、11月30日で打ち切ると発表しました。
9月議会の一般質問の際、市は「今後、事業者が工事の完了予定期日を延長しようとする場合には、NAAの同意が延長後の期日まで得られているかを確認する必要がある」としていましたが、NAAと市がことなった決定をしたことになります。
どうしてでしょうか?
この理由の1つは、開発許可の完了予定日の変更が、あくまで届け出制度なので、市は受理し、通常は審査を行うものではないというのが、流れのようです。
ただ、市としても受理した上で、工事を完了できるスケジュールなのか、完了させる資金があるか、NAAとどういう話をしているのかなどの報告を求めるとのことでした。
NAAは、資金面も含めた総合的な判断で工事完了させる能力が確認できないという理由で、契約終了を決めていますので、市も、資金面のチェックをするのであれば、同じような能力が確認できない判断になる可能性もあると思っています。
開発行為の取り消しはできる?
都市計画運用指針の開発許可後の進行管理等の中には、
「工事完了の意思があるとしながらも、客観的に見て、工事完了の意思ないし能力を欠いていると認められるものについては許可を取り消すこと」
となっています。
今回の開発許可は、この運用指針からも、許可権者による取消しを検討できるのではないかと質問しました。
市は、NAAが土地を貸さないことにより、4割の用地の開発ができない状況だが、開発許可の際にNAAが地権者として、開発に同意したことが有効かどうかを確認したいとのことで、「現状をもって直ちに工事完了の能力を欠いている状況にあるとは考えていない。開発事業者に報告を求めるところであり、それらも踏まえ適切に対応する。」
との答えでした。
NAAの用地が使えない、同意が有効でないとなれば、開発許可の区域を変更しなければいけなくなり、これは届け出ではなく審査が必要になります。
NAAの用地の中に道路や調整池がありますので、この用地なしにこの地区の開発を共生バンクが完了させることはかなり難しいのではないでしょうか。
地区計画策定の過程に条例違反!市が認める
先ほどもふれましたが、
この地区に、宿泊施設や劇場、ショッピングモールなどの商業施設、流通業務施設、研究施設などの立地を可能とする土地利用計画になっているのが、この小菅地区の地区計画です。
しかし、この地区計画の策定を進める最初の段階で条例違反があったことが発覚し、市が認めました。
同意者を人数ではなく筆数で数える
成田市地区計画等の案の作成手続に関する条例では、
地区計画等の原案についての申出をする場合は、公告の日の前日までに申出書により市長に申し出をする、その際、地権者等の3分の2の同意を得ているということ
が要件になっています。
この公告日の前日というのは、2018年1月14日。
この日までに、本来は土地所有者等の人数を基準に同意を数えなければいけませんでした。しかし、共生バンクは筆数を基準にした同意者調書を提出。
市も審査の中で、筆数を基準に数えていました。
その結果、3分の2以上の同意が得られているとして申出書を受理し、手続を進めたが、改めて人数を基準に数え直したら、その同意率は約44%で、3分の2に達していなかったというものです。
市は法定手続きを開始した2019年2月15日には3分の2に達していたといいますが、明らかに条例違反でした。
この条例違反の調査については、市が現在行なっています。しっかり調査し、報告するように求めています。
反対していた地権者も
実は、地区計画の策定に反対していた地権者もおり、2018年1月の公告後に、共生バンク等の会社から話があったときに、口頭で希望しない旨を伝えているという意見書も提出されていました。
2017年12月26日の都市計画提案等の検討会議で共生バンクは、計画に反対しているものがいるかと委員から聞かれ、「計画に反対という方はいない」と答えています。
しかし、その1ヶ月後に、この意見書が提出されていたのです。
この影響で、地区計画の策定は約1年遅れることになりますが、最終的にはすすめられました。
市が地区計画の策定を進め、NAAが同意しているのという事がこういった方の決定に影響がした可能性も否定できないのではないでしょうか。
そのような中で、そのきっかけとなる地区計画策定の入り口が、本当は入れない所だったのに、開いてしまったということは、この開発にとって、本当に大きな役割を果たしたと思います。
単純なミスとしては考えられないという方もいますが、なにかの力が働いていたとしたら大きな問題です。
市長と共生バンク代表との関係は
新聞やテレビ番組で、小泉市長が成田市議とともに共生バンクの代表らと計6回面会をしたと報じられました。
そのうち1回は、共生バンクのグループ会社が運営する三重県伊勢市のテーマパークへ、同社の手配したヘリコプターで出向いたとされています。
時系列で言うと、
2019年4月5日に小菅地区の地区計画を決定
5月10日に市長室で面会
7月16日に共生バンクが開発許可の申請を行い
8月27日に市長自ら三重県伊勢市に行き
8月30日、市議会開会日に地区計画に関する議案を提出
10月29日に小菅地区の開発を許可
その後4回、市庁舎内で面会したことになります。
この内容について、市長に質問しました。
市長は何をしに三重県伊勢市まで行ったのか
荒川「小泉市長はこれらの面会で誰と会い、何を話し、何をしに三重県まで行ったのか」
市長「市役所庁舎内での面会は、民間事業者の代表または代表のほか数名の方が同席し、事業内容や進捗状況などについて報告を受けたと記憶している。なお、5回のうち初回以外は副市長、担当部職員などが同席している。三重県伊勢市への訪問は、民間事業者のグループ会社が運営する施設を見学してほしいとのご案内があり、施設の運営状況などについて説明を受けるため訪れた。」
三重県伊勢市への訪問は開発許可の審査中
荒川「三重県伊勢市のテーマパークに行った際、市長は接待を受けたのではなくて、きちんと費用を共生バンクにお支払いしたのでしょうか。」
市長「往復の交通費と会食費の費用相当額をお支払いしております」
荒川「費用相当額というのは幾らで、誰に払ったのでしょうか。」
市長「金額は7万5,000円で、同行していただいた市議の方にお渡しをいたしました。」
荒川「この金額で三重県までのヘリの往復乗れるのかなと、私はちょっとびっくりをしているんですが、市長は払ったということです。」
荒川「訪問が、開発許可申請がされて許可を出すまでの間、いわば審査期間に行われていると。これは許可を出す人が、許可を求める人の手配でヘリに乗って行っていると、私はこの行為自体が普通では考えられないんじゃないかと思うんですが、市長はこの訪問が適切であったと考えますか。」
市長「この大規模事業の計画がある以上、やはり事前にどういった経営を事業者がしているんだろうということを確認、あるいは実際に行ってみる必要はあるなということと、あと、これは私個人として対応したわけでございますけれども、伊勢市へ行き、またそういった施設を見た感想等々は、担当職員はもとより、職員1人たりともそういった感想は話しておりませんので、開発許可の影響には全くこの訪問は影響がなかったと認識をしております。」
荒川「開発許可に影響があったかなかったかではなくて、行ったこと自体、その行為自体が、私は市長が適切であったと考えるのかどうか聞いています。」
市長「適切であったと思いますし、また、やはり判断を最終的に下す以上、そういった関連施設を見ておく必要はあるものと思っております。」
荒川「審査期間中に招待で行く、お金を払っていますけれども、これ私はなかなか普通では聞かないことだ」
市とみんなで大家さんは関係ない?投資家の責任?
荒川「今回、市が地区計画をつくって開発許可を出しているということが、安心材料として受け止められたとも言われています。この投資家の中には市民もいるかもしれません。
もちろん投資にはリスクがあり責任も伴いますが、国会で投資家保護が弱い、また不特法の穴が指摘されている中で、自己責任だけをことさら強調していいのか?と思います。
市長は記者会見で、「投資家の勉強不足だと思いますよ、はっきり言って」というふうに言い放ちました。いくら市が、市の許認可とみんなで大家さんは関係がないと言っても、共生バンクグループと成田市が一体だと見られているのが、今の現状だと思います。
そのような中で、みんなで大家さんの代表との関係性を指摘されている市長が、共生バンクのグループではなくて投資家の責任を強調する、この姿勢が成田市が一体だと見られている一つの要因になっているということを指摘をします。」
みなさんの「?」
市はなぜ、市とみんなで大家さんは関係ないと言うの?
市が許可を出したのは、造成工事の開発許可で、共生バンク株式会社に出しています。
みんなで大家さん(販売株式会社)、都市綜研インベストファンドは不動産特定共同事業法にもとづき、この開発用地を投資の商品として管理運営しています。所管は大阪府と東京都です。今問題が大きく取りあげられているのは、こちらの投資の方なので、成田市とは関係ないというのが市の立場です。
ただ、共生バンク、都市綜研インベストファンド、みんなで大家さんの代表は同じ方ですし、その方と市長や市議が関係があったのですから、一般の方からはなかなかそう見られないというのが現状だと思います。
市の造成工事の許可と、建物は関係ないの?
市は、許可を出したのはあくまで造成工事だと言っています。ですので、資金計画等も造成工事分しか確認していません(不動産特定共同事業法に基づく資金でないと確認)
しかし、地区計画は共生バンクからの提案をもとに、どんな建物が建てられるのか確認して、それが建てられる地区計画にしています。
また、開発行為の許可の申請書類の中には、予定建築物の用途、開発行為の目的、共生バンクが行なう事業として、ホテル、店舗、飲食店、事務所、旅館、展示場などなど記載されています。開発行為の審査対象ではなくても、この造成工事の先にこういった建物が建てられることが前提とされていたことは事実です。
また、県の農地法関連の審査は建物まで審査しています。
報じられた市議の関わりは
市議が倫理条例違反にあたるのではないかという記事をうけ、議長が聞き取りを行ないました。
議長としては、「開発事業者との金銭的取引は私人としての商取引である。市から議員からの働きかけをうけたという証言がない。ことから、倫理条例への抵触が判断できない。強制的な調査を行なう予定はない」とのことです。
非公開の会議の内容について、ここで書くことはできませんが、政友クラブが議長に申し出をしたように、報道されている議員から、他の議員に対しての正式な説明は未だに行なわれていません。
これから・・・
共生バンクからの報告がどういうものになるか
12月議会で市は、共生バンクに報告を求め、その結果をうけて対応するということを繰り返しました。私としても、この報告内容とそれに対する市の対応を確認しながら、法律や条例に基づきしっかりと対応を求めていきます
条例違反の調査
2017年の事になりますが、どういった経緯で条例違反となったのか市が調査を行っています。まずは、報告を求めます。内容によっては更なる調査の検討が必要になるかもしれません。
議員の関わりは議会として
議員の関わりについては、市民の皆さんの声をうけ、議会として対応をする必要があると思います。法律や議会基本条例、成田市議会議員倫理条例に基づき、引き続き対応します。
長くなりましたが以上が12月議会の報告です。
(小菅地区の民間開発部分のみ)
質問動画はこちら↓