〈橘川武郎・国際大学長インタビュー〉②全3回
東京電力柏崎刈羽原発の再稼働が決まった。
長年、国のエネルギー政策の方向性を示す「エネルギー基本計画」の委員として政策提言をしてきた経験をもち、原発の推進派でも反対派でもない「中立派」を自任する橘川武郎・国際大学長(エネルギー産業論)は今回の再稼働をどう見たのか。
3回に分けたインタビューの②では、原発を巡る議論のあり方について問題提起した。(聞き手・砂本紅年)
①なぜ柏崎刈羽の再稼働は難航したのか 「中立派」の橘川武郎・国際大学長が挙げる3つの「特殊要因」
②国の議論を支配する「原発脳」… エネルギー基本計画の元委員・橘川武郎さんが「時代遅れ」の現実を斬る(この記事)
③「使い勝手が悪く、扱いにくい電源」になった原発 再エネはどうすれば? 橘川武郎さんの未来への提言
◆知事選で重要な質問は「再稼働の賛否」じゃない
柏崎刈羽原発は、1月中ともいわれる再稼働がもう止められない状況にありますが、6月9日に花角英世知事の2期目の任期が満了となります。
よって5月か6月に県知事選があるわけで、私はこれこそが再稼働の民意を問う「真の正念場」だと思っています。
知事選は、3選を目指す花角知事と、原発再稼働反対派の立てる候補者の一騎打ちとなる可能性もあります。
反対派、たとえば立憲民主党推薦の候補者が勝った場合、すぐには原発を止められませんが、13カ月に1回の定期検査がありますので、1回目の定検時に原発を事実上停止する権限が知事にはあります。これまで同様のケースはたくさんありました。
11月に公表された県民の意識調査の結果は、再稼働に対してイエスとノーが拮抗しています。再稼働に肯定的な回答は50.6%、否定的な回答は47.1%と再稼働にイエスの方がわずかに多い。
ところが現状で「再稼働の条件は整っているか」という質問に対しては約6割が否定的でした。今度の知事選で重要なのはこちらの質問です。知事選の行方が分からないと思うのは、再稼働について総論で「イエス」と言っていても、「今か」と問われると「ノー」と言う人が多いからです。
◆原子力政策が定まらない最大の理由
新潟県民は反原発というより「反東京」です。東京電力というよそ者が何か危ないものを作って、一部の地域には経済的な利益があるけれども県全体ではメリットがない、それでいいのか、という意識が根強い。
知事選は、立憲民主の立てる候補者によってはいい勝負になると思います。ただ、中央の政局の影響もあり、本当に立憲民主が反原発を前面に押し出して選挙戦に臨むかは不明です。
そもそも日本の原子力政策が漂流している最大の理由は、政...
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いとっちょ 3 時間前
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雷鳥 6 時間前
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