猫駆除だぜ通風性
このネタ分かるか分からないかで年代バレますよね
あたちようちえんじだからわかんにゃい!!
「あ!! もしかしてツチノコさんっスか!!?」
「んー? えー……初対面だよね?」
「今から水晶巣崖に挑戦するんですよね!? 同行してもイイっスか!?」
「邪魔しないからいいですよね?」
「あー……タンク、タンク、魔法職、ヒーラー………」
「何か問題でも?」
「ここに木の枝があります、すぐ折れてしまうような木の枝な? で、それを守るように多少頑丈な木の枝が前にいます」
「?」
「じゃあ問題です、今からこの二本の木の枝にダンプカーが突っ込んでいきます。どうなるでしょうか?」
「折れる?」
「ていうか潰れる?」
「どっちも正解、ついでに言えばこの問題の木の枝を「後衛」と「タンク」にすればもっと分かりやすいだろう?」
「え……」
「組む組まない以前の問題だ、タンクは無理。天地がひっくり返ってもタンクは無理」
「……で、でも、ツチノコさんは耐久なさそうっスけど普通に攻略してますよね?」
「全部気合で避けてるんだよ、このエリアじゃ空中ジャンプと「完全な」ヘイト切り、あと最速で走って最速で採取するAGIとDEXが必須技能だからもし本気で挑むなら……そうだな、最低でも忍者か飛行手段が必須」
「ええ……」
「そっちの魔法職、空飛べる?」
「このゲームって飛行魔法あるんですか?」
「いや知らんけど飛べないなら無理、逆に聞くけどどうやって攻略してると思ったの?」
「え、えーと……なんかこう、大人しくさせる方法があるのかなって。じゃなきゃソロで狩りまくるとか無理でしょ?」
「あー……そういう勘違いされてたのか。俺は言うほど討伐してない」
「え?」
「あいつら、損害度外視で突っ込んでくるから蠍同士の衝突で身体が砕けて素材が落ちるんだよ」
「じゃあつまり……」
「気合で避けて、拾って……あとはまぁ、死んで離脱」
「…………」
◆
犠牲者になるかもしれなかった四人を救えて何より。タンクは無理だよタンクは、このエリアに関してはジョゼットでも無理だろう。大質量の殺到はタンクの天敵と言っていい、俺はタンク事情にそんな詳しくないのでもしかしたら何か凄いスキルや魔法があるのかもしれないが少なくとも新大陸からの出戻りではなさそうなプレイヤーでは無理ゲーが過ぎる。
まぁ討伐してないってのはちょっとフかしたがな、消耗した蠍にとどめ刺すとかしてるから討伐数もそこそこあったりする……言うと面倒そうだから一般論で誤魔化したが。
「さてサイナ、何故俺がベヒーモス攻略をぶん投げてここに来たかわかるか?」
「不明:オルケストラ攻略の手がかりを得るよりも優先される理由は薄いかと」
「いやそこはどうでもいい、水晶群蠍のエクゾーディナリーってだけでもオルケストラより優先する理由たり得るからな」
ミレィに先を越された時点でオルケストラが消失しないことが確定したので、ぶっちゃけると優先度はもうそこまで高くない。
「では作戦内容を説明する! ゼロから情報を集めて"皇金世代"を討伐する……以上だ!!」
「…………」
「そう呆れた顔をするな、この戦いの中でお前の葛藤に終止符を打ってやるからよ」
では早速突撃。
……
10秒後
……
「だぁぁぁあ!!?」
挟撃! 多重包囲! 状況に応じた戦力投入!! 控えめに言って地獄だぜぇぇぇっ!!
普段とは全く違う動きだ、確かに規律が取れているしこれまで水晶群蠍の攻略法として用いていた「同士討ちを誘発しての突破」が完全に使えなくなっている。
横一列に並んだブルドーザーの如く俺を追い詰める水晶群蠍の一団を跳び越えるも、その後ろに備えていた第二波が尻尾による刺突で着地する瞬間の俺を狙う。
だがここで早速相対的立体運動が輝いた。俺の心臓を狙った攻撃に対して発動した半オート回避によってステップを入れ、巨大な体躯故に出来る並んだ個体の間に出来た隙間を潜り抜けてさらに先へ。
「サイナ! 生きてるかーっ!!」
「報告:問題無……訂正:第三波を確認」
「構わんっ! 進め進め進めーっ!!」
ここに来る前に泡食って八層に上がってきたキョージュ経由で【ライブラリ】から"皇金世代"の情報はある程度貰ってある。だからこそ分かる、ここに通い詰めてきた事で蓄積した水晶群蠍の情報が確信のある仮説を構築した。
「見つけた! アレだろ……! サイナっ! あのトサカを破壊するぞ!!」
「了解:」
あくまでもスキルに頼る必要のある俺と違ってサイナはブースターでほぼ飛行に近い跳躍機動が出来る、いざとなったらインベントリアに強制的に突っ込めばいいし。まぁ、それは本当に最後の最後ってところだがな……
「カラクリのタネはてめーだろ中継点!!」
水晶巣崖に現れた統率個体、それによって水晶群蠍は規律を手に入れた……そこまでは分かる、だがそれならそれで違和感がある。
まず最初に水晶群蠍の動きだ……僅かにラグはあるがこちらの動きに対応した動きは確かに脅威だが、じゃあそれどうやってるんだ? という話になる。
だってそうだろう、どんな戦略ゲーだって画面盤面を一切何も見ずに勝つのは不可能だ。仮に"皇金世代"が天才的軍師思考ができたとしても他の水晶群蠍に囲まれてロクに姿の見えない俺の動きをどうやって把握している?
そして聞き取りの結果、得た情報の中にあった「変な形をした水晶群蠍」の情報……将軍なのかどうかは知らないが、このエリアにアタックしてきた中でそんな一目見て「変」な個体は存在しない。これまでの水晶巣崖における異常とは即ちエルダーであり、偏食個体の事を指していた。
であれば答えは一つ、先程から攻撃に参加せずこちらの様子を伺っていた「待機組」の中でも背中から「♯」みたいな水晶を生やしたお前!! お前が「眼」であり「中継点」なんだろう。
傑剣への憧刃と傑剣への憧焉終刃を構え、不自然に通常個体達に庇われている中継個体に肉薄。いまさら2、3匹の蠍で俺が止められるとでも? 跳躍、立ち塞がる蠍の背中を足場に強靭な力で支えられた尻尾を柱代わりにして♯個体の前に躍り出る。
「破壊ィ!!」
三回斬りつけただけだが、やけにあっさりと「♯」が砕け散る。だがその崩壊によって変わった状況は想像以上だ。
「報告:近辺の水晶群蠍が不自然な静止状態」
「指示待ちか? 下手につつくと普通に殴られそうだ、次行くぞ! サイナ、上から確認しろ……この水晶巣崖に出現してる内、大体何割の動きが止まった!?」
未だ疑問は晴れていない、と言いたげなサイナが一際高く跳躍していくのを眺めながらカスダメで削れたHPの回復を試みる……おっ、初手成功とは運がいい。
「確認:全体の二割五分」
「素直に25%と言えばいいものを……成る程、あと三体か」
丁度いい、ここらで少し「教育」しますか。熱血教師サンラクの夜空授業は少々情熱的だ……頼むぜ教材、ウチのサイナに道徳の授業をする為にちょっと協力してくれ。
ジュビロ式