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吹き荒ぶタイフーンアクション

センター試験の皆さん、勉強も大事かもしれませんが適度に息抜きもしましょうね

あとちゃんと寝ましょう、朝起きてエナドリを飲めば君も立派な暴徒だ(真顔)

特殊状態【殺害宣告】。要するに死ぬまでヘイトが固定され……ただでさえキル意識の塊だった魔人が更なる「特化」を行う状態であるらしい。


「くおぉぉお……アクセ解禁!!」


切り落とされた腕の付け根、その断面から出てきたのはぶっちゃけると触手だ。それも蛸足とかそういうR18系じゃなくてワイヤーをさらに()り紐の如く束ねて綱にしたかのような殺意増し増しの触手だ、女の子が捕まったら喘ぎ声が出る前に断末魔が出るタイプな。

それが四本、そして脇腹から伸びたそれを残った二本の腕で掴んで操っている魔人の動きはさらに最適化が進んでいる。少なくともオルスロット君もなんちゃって魔法剣士君も鞭の技能があったとは思えない、つまり自前のテクニックで触手を操作しているわけで……いやこの際どうでも良いわ。


問題はキリング触手の先端から生えてる「爪」が予想以上に対処困難であることと、向こうが中距離戦闘にシフトしたことで俺の攻撃が届かなくなったこと、そしてただでさえ頑丈なスーパーアーマーが今や完全耐性と言って良い完全体スーパーアーマーになったことだ。

完全体スーパーアーマーの別名を知っているか? 実質無敵モードというのだクソッタレが。


「サンラク君頑張れ〜」


「他人事だからってぇぇえええええ!!!」


なんなんだあの触手先端の「爪」は!! クソ硬いから破壊できないし! スーパーアーマー効果が先端まで行き届いてるから弾けないし! 俺が避けたせいで代わりに捕まったRPAのプレイヤーがほぼ即死級の握りつぶしで死にかけたってことは俺が食らったら確定即死だし!!

なんかクソ度合いが上がってないか!? 耐久だと信じて俺が逃げつつ、他の面子が攻撃を続けているがペンシルゴンの聖槍による連続攻撃ですら一向に怯む様子も倒れる様子もない。俺だけじゃない、他のプレイヤー達も「あれこれ無敵状態じゃ……」という雰囲気が漂い始めている。


「破壊属性もだめだー! 欠片も効いてる気がしねー!!」


「あー……これ最悪サンラク君が死ぬまで無敵状態なんじゃ……」


「こうなったら三日三晩でも戦い続けてやらぁよ!!」


自己犠牲などまっぴらゴメンだ、犠牲というものは相手に強いてこそ完全勝利……! 心なしかオルスロットフェイスが喜んでる顔なのがムカつくな。だが唯一いい報せがあるとすれば無敵状態であっても魔人君の速度は俺の速度に追いつけるものではないということだ。

触手の先端はまるで意思があるように俺を狙ってくるが、ホーミング性能はそこまでじゃないし「爪」のサイズもサッカーボールサイズだ。反復横跳びしつつ二段ジャンプして空中加速してから回転してヘイトを置き去りにして回転して回転して回転してジャンプして加速して回転して………


「ツチノコさーん、酔わないのー?」


「慣れーーーーっ!!」


兇嵐帝痕(イデア=ガトレオ)(スペリオル)の強制回転モーションは使い方次第で即死独楽になることもあれば回避にもなり得る、踏み出した足が軸になることで回転モーションになるならばその軸足で動く分には回転を維持したまま動くことができる。小学生の頃よりもさらに前……それこそ幼稚園の頃に遊んでたけんけんぱみたいな感じというか、割と経験したことのない動きを要求されるが実現する動きも新感覚だ。


「戦いの中でますます気持ち悪くなってるよサンラク君……」


「なんかこう、球体の中で360度全天周囲で暴れまわる独楽みたいな」


「ジャイロ回転する跳弾スーパーボールじゃないかしら」


「なんで制御できてるんだ……?」


シラフじゃ流石に制御できないよ、だが俺には体感速度を遅延する真界観測眼(クォンタムゲイズ)星幽界導線(アストラルライン)のスキルがある。こいつらを使うことであえて攻撃という手段を使うことで最適なルートを辿っているのだ。あと練習の成果の一つというか、両足同時に踏み込むと回転が止まることが判明したので色々使いやすくなった……(当社比)

回ったり止まったりを目まぐるしく切り替えるのでそろそろゲロ吐きそうな感じに気持ち悪くなってくるがVRとは要するにイメージの世界なのだから、実際に脳みそがシェイクされているわけではない。その割り切りこそがフルダイブにおけるアクロバットの最低条件なのさ……!!


「解決策はないのかぁぁぁぁぁあああ!!」


「一回死んでみるとかーっ!」


「きゃっっっっっかぁああああーー!!!!」


「爪」を反時計の回転で避け、兇嵐帝痕・極をオフにして回転を発生させない足で加速。触手を踏みつけながら距離を詰める。本当にスーパーアーマーなのか? こうなったらちとリスキーだが試してやる。


「フトンガフットンダ」


ズゴン! ズガン!! ズダン!!!

しょうもないギャグばっか連発するなんちゃって魔法剣士君フェイスもいい加減鬱陶しくなってきたのでアグアカーテの弾丸を直接叩き込んで黙らせる。さぁ来い殺戮の魔人、お望み通りの棒立ちだ……そろそろ小腹が減ってきたんじゃないか?


「Slaaaaaaaauuugh…………Teeeeeeeeeeeeeeer!!!!!」


なるほど、貪る大赤依は肋骨の傷口をそのまま口に転用した歪な形状であったが、こちらは元々「口」としての運用を前提とした胸部といった感じなのか。成る程成る程………残念だったな殺戮の魔人、下処理もせずに拾い食いをするとどうなるのか教えてやろう。


「見てたぜ、お前の胸の内は無限に広がってるわけじゃない……ちゃんと背中で止まるよなぁ?」


なんちゃって魔法剣士君が攻撃していたときに、背中の内側というべきか……ともかく魔力剣がその刀身の半ばで突きが止まっていたのを俺は見ていた。つまり腕を伸ばせば奥に届く、それすなわち殴れる(・・・)ということだ。


「今度はフルパワーだ、空で踏ん張れるならやってみろ!!」


スキル「戦砕琥示(ウォールフェン)」、狙うは開かれた胸部の奥の奥……そして拳の軌道はアッパーカット。

奥の奥まで手を突っ込んでぇ………当たった! 背骨か刃か、知るかボケ! 遠くへ(ファーラウェイ)大空へ(フライアウェイ)!!


「吹き飛べぇえええええ!!」


優しく触れて激しく吹っ飛ばす、本気で手加減しなければ最大のノックバックが発動しないという矛盾した効果を持つ「戦砕琥示」がぐにりと魔人の最奥に触れた拳から炸裂する。後ろに吹き飛ばすのではなく、上へ……踏ん張ることのできない空へとぶっ飛ばされた魔人の身体がふわりと5メートルほど浮き上がる。


「Slaaaaaaaauuugh!!?」


「あれこれ……」


ノックバック最大、つまりダメージはそこまででもないはずなのにあの苦しみよう…………おっと? もしかして今見えちゃいましたかね? 攻略法ってやつをさ……!!

となれば切り札を切るのはここしかない、そういえば「真上」ってのは試したことなかったな。


「無敵モードは外側だけ、弱点は内側(・・)かァ! 【超過機構(イクシードチャージ)】!!」


出力全開(100%)、見さらせ大衆! これが蘇りし神代の叡智……一撃必殺の超排撃(リジェクト)だ!!!

プランA:殺戮の魔人が登場したことで棄却

プランB:現時点で好調、RPAが誘導することでより「目立たせる」ことに成功。強いて想定外があるとすれば「案山子」の動きが想定の8倍キモくなっていた





プランX:この戦闘の結果次第、第一条件は既に達成

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― 新着の感想 ―
[良い点] なんか面白いのでくだらないダジャレで笑わせようとしてくる魔法剣士くんにモルドしてる
[気になる点] ウォールフェンって言うかエグゾーティなりスキルってリキャストクソ長いって説明なかったっけ?
[一言] 「球体の中で360度全天周囲で暴れまわる独楽みたいな」 つまり、サンラクはゲッダンの動きで戦ってるわけか。
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